this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
テスト勉強しなくっちゃ。夏!
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
◆
テストも近づいてきた、休日の夕方。
自室で勉強をしていた
岡瀬 結華
は、気分転換にリビングへと勉強場所を移すことにした。
教科書とノート類を手にリビングへ向かい、椅子に座ったちょうどその時。
ただいまー、と。父の声が玄関から聞こえた。
半ば飛び跳ねるような勢いで椅子を立って、足取り軽く出迎える。
「パパ、お帰りなさい」
微笑む結華に改めて「ただいま」と、父――
岡瀬 靖久
。
愛娘の手には教科書、そしてリビングの机にはノートやら参考書が広げられていることに、靖久はすぐに気がついた。
「……勉強中かい?」
「うん、もうすぐテストだから」
「そうか、もうそんな時期か」
ちらっとカレンダーを見て、学校の夏休みもそう遠くないことに靖久は気付く。どおりでこの頃、暑さが増す一方なわけだ。
しかしせっかく我が子が勉強に集中している時に、親が邪魔しちゃったら台無しだ。
「じゃあ、勉強頑張ってね」
邪魔にならないうちに、と。そそくさとその場を後にしようとする靖久。
けれど結華が、その背中をくいくいと引っぱった。
振りかえった靖久が見たのは、まるでとびっきりのおねだりをするような結華の上目遣い。
「ねぇパパ」
教科書を抱えて、上目遣いのまま結華はこてっと可愛く小首をかしげる。
「時間あったら、私の勉強付き合ってくれない?」
えっ、と抜けた声。それから一拍遅れて、靖久は苦笑交じりに頭をかいた。
勉強を教えて、なんて。ねだられるとは、思いもしていなかった。
「……僕で役に立つのかな」
付き合って役に立てるならいいけれど、靖久自身そうとは思っていなかった。
高校生の勉強となると、流石に遥か過去のこと。頼ってもらえるのは嬉しいけれど……。
邪魔になっちゃうだけじゃないかな、と言いかけて。
「……だめ?」
じーっと見つめる愛娘の視線に、言葉が喉の奥に引っこんで。
それから、苦笑まじりにうなずいた。
「わかった、付き合うよ」
「やった!」
欲しかったものを買ってもらえた時みたく、結華が声を弾ませれば、ロングの髪も弾んで踊る。なんなら抱きつきかねないくらいの勢いだった。
それから、「えっとね」と教科書を開いて渡す。
どれどれと靖久が見れば、それは英語の教科書で。なるほどこれなら役に立てるかな、と内心ホッとちょっとする。
どうやら長文のようだから、訳か文法あたりだろうかと考えていると、
「この長文、読んでほしいな」
読む?
黙読……を自分がやっても意味ないし。ということは――
「え、朗読!?」
変な声が出た。
きょとん、と結華が瞳を瞬かせる。
「どうしたの?」
「……いや、別に読むのは構わないけれど……勉強になるのかな」
付き合う以上は、どうしてもそこは気になる靖久に、
「だって」
「だって?」
「パパの発音好きなの。読んでくれたら、頭に入りそう」
えへへ、と。前髪を指先でいじりながら、とろけるようにはにかむ結華。
父親のハートがきゅん、とくるにはそれだけでもう充分だった。
「じゃあ、読もうか。ええっと……」
そうして朗読し始めたのは、とある喫茶店を舞台に繰り広げられる喜劇。
読んでいるうちにノッてきたのか、だんだんと靖久の声にもメリハリがついていく
そんな父の朗読を、結華は目を閉じて聴き入っている。お気に入りの音楽を聴くように、その指先で軽くリズムを刻みながら。
寝る前に本を読んでもらった小さな子がまどろむように、口元をほころばせながら。
そうして、しばし後。
おしまいを告げる声と一緒に、教科書が閉じられる。
「なかなか楽しいストーリィだったね」
夢から覚めるように目をあけた結華が、「うん」と声も軽やかにうなずいた。
「ありがとう、パパ。自分で読んだ時よりも、すっと頭に入ってきた気がする。やっぱりパパに読んでもらってよかった」
「そう言ってもらえると、嬉しいなぁ」
照れくさそうに頬をかく靖久を見て、結華の唇から小さな笑みが一つこぼれた。
懐かしい光景を、今ここに重ねるように、赤茶の瞳をそっと細めて。
「絵本読んでもらった時も、パパ同じこと言ってた」
「あぁ、確かに絵本を読んだこともあったね。よく覚えてるなぁ……」
楽しそうに朗読を聴き入ってくれた結華の姿は、絵本を読んだあの時と変わらないように思える。
そのことが、靖久はなんだか嬉しくてたまらない。
「でもまさか、高校生の君に読み聞かせすることになるとは、思わなかったけど」
すこしからかうような声音に、けれど結華は照れるでもなく、開き直るでもなく。返してもらった教科書を口元にやり、
「だって、パパに読んでほしくなったから」
当たり前に、ごくごく自然な声音。
パパに読んでほしくなったから。それで結華には充分なのだ。
それから、ふと思い出したように、
「ねえ、パパ」
「ん?」
「パパは大人になってから海外に行ったんでしょ?」
「あぁ、海外……アメリカを拠点に生活するようになったのは、高校を卒業してからだね。英語をちゃんと話すようになったのも、それからだよ」
もともとネイティブ圏育ちとか、小さい頃から英語の英才教育を受けていたとか、そういうわけではない。
惚れ惚れとした息をこぼして、結華はついさっきまで聴いていた朗読に思いを馳せる。
それはまるで、観劇後にカフェで余韻にひたっているような。
「それでもこんなに綺麗な発音……パパ、努力家ね」
娘が向けてくる尊敬のまなざしが、靖久には少しくすぐったかった。
けれど、
「努力はしてないよ」
「え? そうなの?」
瞳をぱちくりさせる結華に、「生きるために必要だったからね」と靖久。
必要だから、身につけざるをえなかっただけ。だから身につけた、いや、身についた。
……と言葉にすればあっさりだけれど、実際それは如何に大変かという話で。
靖久を見る結華のまなざしが、どこか遠くを見るようなものに変わる。
「才能……なのかなぁ」
こればっかりは、素直に羨ましいというか。
その視線が、流れるままにリビングの机に置かれた新聞を捉える。広告欄には、夏休み向けの海外旅行のソレがでかでかと載っていた。
「そういえば、また家族で海外旅行に行きたいな。パパとママの思い出の場所とか、行ってみたいし」
「海外旅行か……思い出の場所はともかく、しばらく行ってないから行きたいね。だけど……結華の試験結果次第かな」
「じゃあ頑張ろうっと」
ノートを開きながら、結華が横目に靖久を見上げる。
「ね、パパ。せっかくだから、もう少し勉強に付き合ってくれる?」
それこそ小さな子供が、絵本の読み聞かせをおねだりした時みたいな声で。
「僕で役に立てるなら」
応える声が少し弾んだ風なのは、きっと頼られるのが嬉しいからだ。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
テスト勉強しなくっちゃ。夏!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年10月18日
参加申し込みの期限
2018年10月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年10月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!