忍の極意を見よ！　でござるの巻｜リアクション

忍の極意を見よ！　でござるの巻

「今日はお出かけ、お出かけ♪」
　真境名アリサは、足取り軽く、大通りを進んでいた。
　ガールズバーのキャストは、今までのどんな仕事よりも楽しく、性に合っている。
　水着であるから、プロポーション維持は必須。
　そしてこの美しいプロポーションならば、おしゃれもしたくなる、というもので。
「うーん、まずは洋服でしょう？　コスメグッズも見たいわね」
　ショッピングは、どのお店に行ってみようか。
　いつものところか、それとも新規開拓か。
　そんなことを考えていると――。

「おなご、覚悟っ！」

　ヒュヒュンッ！　っと、いきなり鎖鎌が飛んできたではないか。
「ちょっっと！　なに！？」
　ヒールの高い靴を履いていたにもかかわらずアリサはひらりと、それを避けた。
「ぐぬう、なかなか素早い。ではこれはどうでござるか！」
　今度はシュッ！　と、吹き矢が飛んでくる。
「この時代に吹き矢っ！？」
　それをアリサは、右手側面で叩き落とす。
「ぬうっ！　なんと！」
「あなた達は何なのよっ！」

「ふっふっふ、我ら、おなごの服を斬りつけて、ニャンスタにアップしたい忍者でござる！」
　青忍・竜が、ぐへへといやらしい笑顔で、はっきりきっぱり自己アピール。
「竜！　そんな丁寧に言う必要はないでござらんか」
「あっ……美人に聞かれたから、つい」
「まあ確かに美人でござるな……」
　黄忍・文太は、好色な視線をアリサに向けた。
　が、その間赤忍・又蔵はだんまりだ。
「こ、こんなずたずたの格好じゃ決まらないでござる……すまーとふぉんも、壊されてしまったし」

　――サキリと碧南に負けたことが、相当心の傷になっているらしい。
「落ち込むなでござる！　よっ！　我らがリーダー！　又蔵っ！」
「お主のクナイなしには、おなごたちにエロいことはできないでござる！」

「へえ、あいつがリーダーね。ってことは、あのぼろぼろ忍者を、さらにずたぼろにすればいいわけね」
　そう結論づけるアリサの前で、単純な又蔵は、うつむいていた顔を上げた。
「そうでござるな！　今度こそ、あのおなごをエッチに剥いて、ニャンスタアップでござる！」
「こっちこそ、あなたたちを裸にして、ニャンスタに投稿してやるわっ！」
　アリサは真っすぐに向かってくる文太の頬に拳を叩きつけると、竜を、ヒールの踵で蹴り飛ばした。

「げほっ」
「ぐぼおっ」
「文太！　竜！　おのれおなご！　その綺麗な衣装、切り裂いてやるでござる！」
　文太は素早い動きで、アリサの胸元目がけて、クナイを投げつけた。
「きゃあっ！」
　腰をひねってひらりと避けるも、刃は胸の突起近くの布を、ざっくりと切る。
「ちょ、ちょっと！　このカットソー高かったのよ！」
「はっはー、いいところが見えているでござる！」
　アリサは、下品な笑みを浮かべる又蔵に走り込み、手刀でクナイを弾き飛ばした。それからすぐさま彼の腹に、膝を撃ち込む。
「ぐべえっ！」
　だがそのとき、復活した竜の鎖鎌が、アリサの腕に絡みついた。

「はっ、これで拳は使えぬでござるな！　文太っ！」
「さっき破れたおっぱいを、もみもみしてやろうか」

　卑猥に手を動かしながら、文太がじりじりと近付いてくる。しかもその間に、又蔵が呻きながら、スカートをぺろりとめくってくるではないか。
「ああもう、いい加減にしてっ！」
　つま先を振り上げ、又蔵の顎を狙う。それは見事にヒットしたが、又蔵はスカートめくりを諦めない。
「ああもう、エロ忍者っ！」
　アリサは叫び、再び寄ってきた又蔵の顔を、もう一度蹴り飛ばしたのだった。

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