子どもたちのあつい！一日｜リアクション

子どもたちのあつい！一日

☆涼しさを求めて

　エアコンを求めて高校に行こうと考えた５年生のトワ・E・ライトフェロゥだったが、一歩外に出るなり引っ込んだ。
　金髪のポニーテールのトワの、白い肌から汗が滴る。
「外の日差しが熱いのデス！　これは溶けるマス……家庭科室の冷蔵庫に入るわけにもイカナイデスし」
　溶けとわになる前に、小学校でCoolになる場所を探そうとするトワ。
「クーラーが設置されてそうな場所はー、職員室と校長室デス！　突撃するマス！」
　職員室へ向かい走りだしたトワが、足を止めた。
「トハイエー、校長先生はともかく職員室はすぐぺいっ！　されるデスカラー、校長室からぺいっっとされる前に他の手段も考えるのデス！」
「トワちゃん、何か用事かい？」
　子どもたちの味方、雨宮花三郎校長が立っていた。
「校長！　溶けそうだから、校長室でCoolになろうと思ったデス！」
「そうか、確かに暑いね……でも校長室にはみんなで入れないしね。何か考えてみよう」
「みんなは無理デスカ……」
　確かにそうだと思い、他の手段を考え始めたトワの視界に、窓の外を歩く一匹の猫が入った。
「そいえばー、動物は涼しい場所を知ってると聞くマス！」
「そうだ、午後からみんなにプールを解放しようか……」
　校長が何かつぶやいていたが放っておいて、トワは猫の後を追いかけた。
「涼しい場所を探してトワの熱い冒険が始まるマス！」
　矛盾してるようだが、トワの冒険はいつだって熱いのだ。

「猫の気持ちになるデスヨ。猫が涼んでる場所について行ってトワも入るマス！」
　校舎の裏から階段の下、蜘蛛の巣くぐってクダリミチ。
　狭い木陰に、猫と共にトワは潜り込む。
「これもクーラーが設置されるまでの辛抱ってやつデス」
　キーンコーンカーンコーン。
「あっ、給食の時間デス」
　起き上がったトワは思いだした。
「午後からプールが使えるという話も聞いた気がするのデス」
　傍らの猫に向かってトワは言う。
「いいこと思いついたデス！」

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