子どもたちのあつい！一日｜リアクション

子どもたちのあつい！一日

☆ハイテンション！

「暑い～」
　佐藤瀬莉は、ツインテールから滴る汗を拭っていた。
（って、６月からずっと真夏の暑さだったから、７月になって夏が来たといわれても、全然そんな気がしない）
　小学校には今までエアコンなかったけど、来週から全部の教室にエアコンが付くことになった。
　それは確かに良いことではあるが。
（……って、来週までこの暑さを我慢しなきゃならないんだ。どうせならもっと早くつけてくれればよかったのに）
　６年生がエアコンの恩恵に与れる期間はけっこう短い気がする。
「早く午後の体育の授業来ないかな。プールだから」
　汗でべったりした椅子が気持ち悪く、うんざり気味につぶやく瀬莉。
　そこに放送が入った。
「みなさんこんにちは。お知らせです」
「校長先生の声だ」
　ざわざわしていた教室が少し静かになる。
「今日は暑いので、午後の授業はプールで自由に遊んでいいことにします」
　どっと歓声が上がった。
「やったー！　午後が待ち遠しい！」
　瀬莉も他の子たちと一緒に、喜びの声を上げた。

　給食と昼休みが終わり、待望の午後がやってきた。
　さっそくスクール水着に着替える。
　周囲の女の子はいつのまにか体つきに変化が出て、メリハリのある体型の子も出てきてるのに、瀬莉は相変わらずのお子様体型で胸は真っ平。
（……でもそんなことどうでもいいもんね！）
　男子の視線を恥ずかしがることもないし、気が楽だ。
　着替えを終えてシャワーへ向かう。
「地獄のシャワー」
　下の学年の子がそう言ってるのが聞こえた。
　誰が言い出したのか、寒い日のシャワーは確かにきついし、小さい子は水の勢いを怖がったりするけど。
（あたしは好きだなー。だって気持ちいいし）
　こう熱いと水の冷たさは気にならない。
「くぅ────っ！　冷たーい！　気持ちいいっ！」
　見た目はお嬢様然とした瀬莉だが、尋常ではない暑さから解放されてついハイテンションになってしまった。

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