携帯戦記カプセルギア　ある日、公園でのカプギア風景｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　ある日、公園でのカプギア風景

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それからほどなくして、チームバトルが幕を開けた。
「いっけーアマデト！」
スタート直後、青チームの先陣を切って飛び込んでいくのは甘桃のアマデトワール。馬型だけあって、その速さはかなりのものだ。
チームメイトたちを引っぱるような勢いで駆け、赤チームの先陣を切るニンジャ風のギアへとまっすぐダッシュする。
ニンジャギアが、走りながら不意に腕をぐっと引く。次の瞬間、手裏剣を放つその動きにあわせて、アマデトは大きく横へ跳んだ。
手裏剣の弾幕から逃れ、すかさず再ダッシュ。ニンジャギアが振り向いたところに、後ろ足で回し蹴りを――
「させないッスよ！」
激しい銃撃音に、アマデトは慌てたように飛び退く。
桐子のトルーパーが、マシンガンをばらまきながらローラーダッシュで迫っていた。
マシンガンの弾幕、そして公園のむき出しの地面を走ることによる土埃を目くらましに、青チームのギアへと迫るトルーパー。
その背後の遊具の陰から、ニャーサーが飛び出した。
「スキありー！」
地面を蹴立てて、騎兵そのものの勢いで、しかし稲妻のようなジグザグ軌道で突撃するニャーサー。
トルーパーが感知した時には、彼我の距離はかなり近い。
その間に割って入る、拓磨のトリプルスリー。グローブアームを構え、腰を落としたまさにキャッチャーの姿勢でニャーサーを受け止めようと立ちはだかる。
突撃をキメるにはまだスピードが足りないと判断したのだろうか。ニャーサーは、馬よろしく前足を高く上げて急制動。
その隙を埋めるように、後方からキャノン砲が降り注ぐ。
蒼のDiablo Azulが装備した、240mm中距離用無反動キャノン砲だ。
その爆煙に視界を塞がれ、トリプルスリーとトルーパー、先陣を切ったいくつかのギアが急いですぐさま離脱する。
離脱したトリプルスリーは、そのまま青チームの先陣が集まっている中へと突っ込んでいく。
トルーパーのマシンガンが注意を引き、その隙に敵の合間を縫うように走り抜けた。
ついでに、千本ノックから飛び出す球を二、三ぶつけてやる。
慌てて振りかえり、ろくに見もせずに放たれた攻撃が仲間に命中。それで撃破とまではいかないが、多少のダメージを稼ぐことはできる。
青チームの間を走り抜けたところで、「危ないッス！」と桐子の叫ぶ声。
Diablo Azuのキャノン砲が、再び降り注ぐ。
グローブとキャッチャーボディで身構えたおかげで、一撃でやられることはない。だからといって平気なわけはなく、ダメージ自体は相当大きい。
怯んだところへ、先程の返しとばかりに向かってくる青チームのギア。トルーパーが円を描く軌道でその間に割って入り、マシンガンで牽制。キャノン砲は、とにかく撃ちまくりながらも足を止めないことでダメージを可能な限り抑え込む。
トリプルスリーが体勢を立て直し、トルーパーとともに下がったところに、左右からアマデトとニャーサーが迫る。
凄まじいスピードの二機を、しかし連続して放たれた銃撃が確実に牽制した。
雪人のボナパルト2の援護射撃だ。
バトル自体への慣れの差だろう、アマデトはクリーンヒットをもらって退避したのに対し、ニャーサーはすんでのところで回避。
けれどその横面に、
「リット、爪で麻痺させろ！」
翔のリットが飛び込んだ。
左腕の鉤爪が閃く。
ニャーサーが、四つの足で思い切り地面を蹴って跳ぶ。けれどリットの鉤爪は、既にニャーサーを捉えていた。
着地と同時に、ニャーサーの動きが鈍る。
「ニャーサー！？」
クローハンドから流し込まれた微弱な電気が、ニャーサーを麻痺させたのだ。
そのまま尾羽の薙ぎ払いに繋ごうとしたするが、
『待つんだ、SHO。何か高速で接近している。これは――』
「ギア――さっき逃げた方か！」
アマデトが、羽のジェットを駆使して猛スピードで飛来する。突撃を警戒した翔だったが、
「ニャーサーつかまってー！」
違う。
突撃ではなく、レスキューだ。
ボナパルト2とリットが機動し、けれど狙いすまして放たれるDiablo Azulのキャノン砲。
ボナパルト2が撃ち返すが、すぐさま位置を変えているのか手応えはなく。直後、さらにキャノン砲の弾雨が降り注ぐ。
その隙に麻痺しながらもなんとか動かして、アマデトの足にしがみつくニャーサー。すかさずアマデトは急上昇、ニャーサーを連れて行くのだった。