this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
just another day
<< もどる
1
…
20
21
22
23
24
つぎへ >>
病院から出て行く姿に見覚えがあった。
ナターシャか。
彼女は目立つ。ゆえに見間違いようはないだろう。
意外なところで見かけるものだ、と
夜海霧 楓
は考えるも、すぐにこの病院に香川王堂がいることを思いだす。
ただ、黙って素通りというのもな。
「おい……」
しかし声をかけようとしたものの、
「失礼します……!」
彼女は長い髪をなびかせ、かつかつと足早に楓の横を通り過ぎていったのだった。
――そんなに忌避しなくても。
という気はするが、以前自分が彼女のマスクをとった経緯を考えれば、さもありなんと思わないでもない。
それにしたって。
立ち去るナターシャの服装を見て楓は肩をすくめた。
あんなに野暮ったい服装をしなくてもいいのに。
誰か彼女に服装指南をしてやればいいのだが。
一瞬、あるお嬢様の姿が脳裏に浮かんだが、「ないない」というように楓はすぐにその考えを打ち消した。
休日の見舞いが許されている病院で良かった。
場合によっては、単位の足りる授業を抜け出して会いに行くつもりだった。
楓は病室に入る。
「今日は面会が多い、とか看護師に言われた。疲れているなら手早く済ませる」
宣言して進むと、
「気にするな」
ぽつんと、ひとつだけ声が返ってきた。
「個室か」
病室にはベッドが複数あるが、室内にあるのは香川王堂ただひとりだ。
「そうらしい。弟もいるがフロアは別だ」
王堂は枯れ木のようにやせ衰えているものの、なかなかどうして眼光だけは鋭い。今日、何度か訪問者があって刺激でも受けたのだろうか。
「羊羹でも食べるか」
王堂がそんな気を遣ってくるので、むしろ薄気味悪いとすら楓は思った。
「結構だ。いくつか知りたいことがあってな」
帽子も脱がぬまま楓はベッド脇の椅子に座る。
「前口上は抜きにしよう」
楓は言った。
「俺は後始末に来たってわけさ。黒の螺旋……アムリタの源についてだ。アレを起こす知識をどこでどうやって知ったのか、原動力たる王珠をどこで手に入れたのか」
「私が言うとでも?」
「言う気になったかもしれない、と期待して来た」
夜海霧の手にネイルガンはない。脅すような口調でもない。
そんなものは必要ない、そう考えたからだ。
「そうだな……」
王堂は大きく息を吐いた。
静かな息ではなかった。肺に細かく黒い異物が詰まっているような苦しげな息だ。
「知識は色々なものの統合。王珠の入手先は、南米にある古代遺跡だ。それ以上は言えない」
いいだろう、と楓は答えて、
「だが、情報源があったかどうかだけ教えろ」
「……私と同じようなことを考えている人間が他にいないかどうか、ということか」
「察しがいいな」
楓は否定しない。香川ほどの相手に、小手先のごまかしは無意味だからだ。同じ手立てを使って、第二の香川が出現することだけは避けたかった。
「少なくとも、王珠については私の独自研究だ。誓って、私に指示したりほのめかしたりした人間はいない。世界各所にある『落神(おちがみ)』伝承、そういうものを丹念に拾い上げてつきとめた」
「『王珠』の名の由来は?」
「私の当て字だ。正しくは『オウザ』とか『ァウゲ』と読むようだ。意訳すると『別世界を見る目』とかいう意味らしい」
「王珠に独自の意思があることは……」
「知らなかった。知っていたら、手を出さなかったろう」
楓は周囲の気配を探った。王堂の弟は、実際にここにはいないらしい。
そう理解してから切り出した。
「王珠がアンタの弟の命を削っていたこと、それは知っていたのか」
「……感づいてはいた」
「平気だったのか」
「最初はな」
王堂は暗い目をして手元に視線を落とした。
「親からすれば放蕩ともいえる、こんな研究に身代を費やした私は一族の面汚しだ。ほどなくして勘当となったよ。だが弟は跡取りとして取り立てられた。すでに若い婚約者も決められているらしい……もっとも、あいつも嫌になって実家から逃げ出していたようだが」
楓は思う――だから弟や実家を見返すべく、ますます研究に没頭したというわけか。
「といっても、実際に計画が動き出してみれば、その弟を苦しめることに耐えられなくなったようだな」
「なんとでも言うがいい。私は弱い人間だ。それを認めることができただけでも、やった意義はあったと思う。自分勝手かもしれないが……だが夜海霧君、君のように現状に満足はできなかったのだ」
「現状に満足? 俺がか?」
まさか、と楓は言った。
「俺にとっちゃ理想な世界なんかじゃねぇよ。アンタも見ただろ俺の欲求? 命のやり取りのない世界で平和に暮らしたいっつーやつをよ」
「ああ」
「だから、むしろはっきり言や正反対だ、これは。依頼人に振り回されるような毎日はな」
だが哀しいことにな、と楓は腕組みした。
「振り回される感覚を体が覚えちまってるんだよ! あの世界で即記憶が戻ったのは……そんな要因もあるかもしれねぇ」
しゃべりすぎたか、と楓は内心思う。
「とりあえず、当面の危機がねーのならいい」
もう午後七時近いが、まだ外に夜は来ていない。空の灰色は失せて、色落ちしたタオルのような淡いブルーだ。
明日は晴れるだろう、そんなことを思った。
「それに俺は傭兵だしな。恐らく、死ぬまで傭兵だ。理想なんてモノにゃ一生かけても手が届かないだろうさ」
邪魔したな、と楓は病室から去る。
理想か、と独言した。
――この生活が理想じゃねぇのは確かだが。
「……かといって、平穏はつまらないとも思ってるのかもな」
だとしたら、あいつとトラブルに巻き込まれる現在も、それほど悪くもないのかもしれない。
<< もどる
1
…
20
21
22
23
24
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
just another day
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月16日
参加申し込みの期限
2018年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!