【星幽塔】第三階層　トウモロコシ畑のお化けトウモロコシ｜リアクション

【星幽塔】第三階層　トウモロコシ畑のお化けトウモロコシ

こうしてトウモロコシ畑のお化けトウモロコシはすべて退治されたのだった。
「いやぁ、皆さん、本当にありがとう」
　吉報を受けて畑までやって来たリアが手を叩きながら六人の労を労った。
「今年は収穫出来ないかと思っていたんだが、無事取りかかれそうだよ。たくさんあるから水星トウモロコシは好きなだけ持っていってくれ」
　それから、リアは畑の近くに火を起こし、バーベキュー用の網をしいた。
　今年初物の味見をさせてくれるそうだ。網の上で焼かれていくトウモロコシから良い香りが漂い始める。
「あー、一足先に頂いちゃったけど、楽しみ」
　アリスが言うと、月詠が首を傾げる。
「いや、あれは水星トウモロコシの形をした何かだったのでは……？」
「美味しかったからオッケーってことで！」
「……大胆だな」
　その横で桜が嬉しそうに手を合わせる。
「夢なのにすっごくいい香りね。味もあればいいな」
「素材の味ということか？　それが一番美味しい思うが？　まあ、しかしバターや醤油を持参しているんだ。皆も使ってくれ」
　そのまま食べるのも良いが、調味料で味付けをすればさらに楽しめるだろう。
　焼かれていくトウモロコシを見ていた豪がはっとする。
「そういや鎌八はポニーテール好きだよな。ポニーテールじゃなくとうもろこしのヒゲじゃだめなのか」
「あいつらのヒゲな。確かにあれヤバかった。一瞬ポニテに見えてちょいとキュンと来たZ（笑」
なんの話をしているんだろう？　アリス、月詠、桜、修はそう思ったが、何も言わないでおいた。
　水星トウモロコシの試食会は夜遅くまで続いた。辺りには香ばしい匂いが広がって行く。

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