屋根模様になにを見るか｜リアクション

屋根模様になにを見るか

◇　◇　◇

　教えてもらった屋根上の帰路を往く。
　途中、屋根の上でうたた寝しているどこか儚げな少女（椎井莉鳥）の傍を通れば、
　『おやおや……こんなに素敵なお天気ですものね。大いに気持ちは分かります、ふふ……』
　そう呟きながらしかしてお風邪を召されては、と颯爽且つ静寂破らずに、そっと彼女の肩に自身の上着をかけて満足そうに微笑んだ。
　そんな道中を経て無事に、アケーチ・タッマーキは手にした上等の代物が飛んだと思われる、家の玄関前まで到着する。

「洗濯ものが飛ばされていたようです、お返しいたしますね」

　扉チャイムと同時に出て来た家主へ、優雅な微笑みと丁寧な仕草でアケーチは優しく持っていたブツを差し出した。
　しかして、その純白のおパンティを見た家主さんは目を白黒させた後、呆然と首をフルフル。

「そうですか……！　これは失礼いたしました」

　反応から言わんとする事を察すれば、深く深くお辞儀して失礼する。
　――　なんと。持ち主が不明になってしまいました。ふ、ふふ……なれば……
　おパンティ様へ、安心させるように愛情込めた微笑を向けるどヘンタ、もといアケーチ氏。
　必ずや、いつか現れるかもしれない持ち主様の元へお送りします……！
　その瞳は、決意と萌える使命に満ち溢れる。

　アケーチ　は　謎のおパンティー様　を　手に入れた！

◆　◆　◆　◆　◆　

　屋根の上の空気を堪能した後、弟妹に撮ったツバメの写真や動画を見せるべく鴻上彰尋は梯子を下りて地面へと着地した。
　向こうから駆けてくる弟妹に手を振ってから、カメラのデータを確認する。
　ぴっ、ぴっ、と規則正しい確認音が、ある写真が映し出された瞬間ピタッと止まった。

「っと……これは……」

　突然現れたスーツな紳士の後ろ姿。
　その先に映っている白い物が、何かの形に見えた気がしてどことなく頬を赤らめた彰尋の指が、おもむろに消去ボタンにかかる。
　――　悪い人、には見えなかったけど……消しておいた方がいいかな。
　ある意味なにかの証拠写真に見えなくも無く。躊躇うことなくボタンが押され、画面から儚く消えた。
　そうしてツバメの写真のみが映し出されたカメラを、彰尋は爽やかな笑顔で弟妹へと手渡してやるのだった。

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あとがき

担当マスター：蒼色クレヨン
ファンレターはマスターページから！

　イイ年してうずうずと屋根に登りたくなった、影響されやすい文房具こと蒼色クレヨンです！

　これぞ青春の１ページ！☆（思い込み部分でかい）
　日常物は、普段キャラ様方がどう過ごしてるか垣間見れて楽しいですねっ♪
　今回は、星ヶ丘エリアのキャラ様、シーサイドタウン（＆旧市街）エリアのキャラ様、とで
　分けさせていただき、隙あらば目撃や絡み描写をアドリブさせていただいてしまいました。
　少しでも……っっ、お気に召していただく箇所があることを祈るのみ……！

　そろそろ、刃紋の第二弾を出したいなー、またご許可取りにいこっかなー、とかとか
　思案しておりました、らば。
　いえすっ☆　七夕シナリオ・夜の部を恐れ多くも担当させていただくことになりまして！
　次はそちらかな！　また沢山のキャラ様にお会い出来るのを楽しみにしております♪

　ご参加者様方、執筆させていただきありがとうございました！　蒼色クレヨンでしたﾉｼ

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