バニーさんＶＳパンツさん　～ハチミツを添えて～｜リアクション

バニーさんＶＳパンツさん　～ハチミツを添えて～

■黄金の林檎の前で
　紫苑とかよう、また絢と蜂形が対峙する中。
「あらあら、皆さんお揃いですわね」
　一同の前に軽やかな声が響いた。声の主は、アイオ。
「おっと、うさぎさん達のお出ましだな」
　かようは横目でバニー団のアイオやレイの姿を捉える。
　レイのクリオネぬいぐるみ網縄に捉えられ、口も塞がれた時子とカァリ夫人（時子の上着着用中）も網の中でモゴモゴと動いている。
「カァリ夫人！時子！」
　蜂形が駆け寄ろうとすれば、彼の前に白銀の刃が光った。
「他の蜜蜂警備隊達は、もう動ける者はいないようだよ」
　現れたのは女体化バニー・サキリの冷静な声。その隣には天然バニーであるアスワドもおり。
「それはそれは迅速で手際よく我が同胞を排除していた。敵ながら天晴れだ」
　そう話すのは、アスワドの小脇に抱えられている蜜蜂警備隊員、楓子。
　特に口は塞がれていない模様だが、彼女の身には微かな震え。
「……スマホを触れないことに不安を感じる」
　あかんそれ禁断症状や。
「どうやら……うさぎさん達が優勢ってことだな」
　カァリ夫人と時子、そして楓子がバニー団の手中に。
　蜜蜂警備隊はもはやかようと蜂形のみ。そしてぱんつ団である竜次は床に倒れている。
　紫苑、絢。それにアイオとレイ。サキリにアスワド。
　6人の美バニー達がズラリと並ぶ様子、そして取られた人質。自分に向けられた紫苑のライフル。
　蜂形はサキリの刃を首元に近づけられており。
　かようは、両手を挙げた。
「ゲームセットだ」
「あら、物分かりがよろしいじゃない」
　アイオがコロコロと笑う。　
「さぁ、皆で黄金の林檎を迎えに行きましょ」
　絢が改めて最後の部屋に鍵を挿す。
　カチャリ、と軽快な音が響き、次にウゴゴゴゴと重たい扉が自動的に開いた。
「メイドの時も、この部屋に入る事だけは禁じられていたのよね……」
　レイが興味津々で開いたドアを覗く。
　真っ暗な部屋、その中央の台座の上に、黄金の林檎は輝いていた。
「あれが……黄金の林檎ですのね……！」
　早く敬愛するビッグ・ザ・バニーに黄金の林檎を献上したい。
　アイオが慎重に林檎へと歩む。が、アイオの隣を黒い影が横切った。
「アスワド！？」
　誰よりも先に気が付いたサキリの声が部屋に響き。
「やらせないぜっ！」
　両手を挙げていたかようが後方から隠し蜂蜜ボールを部屋の中へピッチング。
　ギュン、とボールが真っ直ぐに向かった先は、黄金の林檎の傍らに置かれた甕。そしてその甕にボールが当たれば、バリィン！と甕が割れ。
「っっ！！」
　甕から零れた大量の蜂蜜がアスワドの身体に降り注いだ。
　蜂蜜のベタつきの不快感に加え、どこか力を奪われるような感覚に陥るアスワド。
（でも……ボク、負けない！）
　キッ、と目の前の黄金に光る林檎を睨み、手を伸ばす。
（ボクはこの林檎を、ラービの秘宝を取り戻すためにバニー団に入ってたんだ！）
「あーらあら、敵は味方の中にあり、ですわね」
　素早い動きでアイオはアスワドに飛びかかる。
「裏切者には、こう！ですわっ」
　アイオの必殺技、バニークローがアスワドに襲い掛かる。
　いつもなら避けることが出来たであろうアイオの攻撃も、蜂蜜のべたつきで思うように動きが取れず。
「うあぁっっ！」
　アスワドのバニー服が散り散りに破けた。一糸纏わぬアスワドがそれでも力強い眼差しを向けた……その時！

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