寝子島でお金を稼ごう！｜リアクション

寝子島でお金を稼ごう！

☆またたび動物園の臨時清掃係

「今日のお仕事は動物さんたちのお部屋掃除です！」
　白い羽が生えたリリエル・エーテライトと虎の獣人メリィ・ランページは、臨時清掃係としてまたたび動物園にバイトにやってきた。
　外見変化のないメリィは耳はキャップ帽、尻尾はパンツの中に隠している。
（あたしも動物だし、なんだかみんなに親近感感じちゃうな～……）
　草食動物の柵の前で、メリィはそんなことを思っていた。
「寝子島で遊ぶお金を稼ぐために頑張りましょう！　メリィちゃん、一緒にお掃除がんばリリエルです♪」
　リリエルの言葉に、メリィも拳を握って気合を入れる。
「おっそうーじおっそーうじっ！　おー！　がんばリリエルだー！！」
「それじゃ、そろそろ始めようか」
　優しそうな飼育員さんが声をかけてくれた。
「飼育員さん、掃除の指導よろしくお願いします！」
　礼儀正しく飼育員さんに挨拶するリリエル。
「えっと、よろしくおねがいします！」
　メリィもぺこり、とお辞儀をする。
「まずは動物たちを退避させるよ」
　飼育員さんの説明に。
「えーっと、掃除をする前に動物さんを退避させるですか、メリィちゃんやってみましょう！」
　リリエルは慎重に柵の中に入る。
「こっちですよー」
　声をかけてみるが、動物たちは動いてくれない。
「退避ならまかせて！　あたしが誘導してみるから！　おーいっ、みんなー！　虎の子メリィについておいで～！」
　メリィは元気よく柵の中に飛び込むと、動物たちに大きく手招きして歩きだす。
　すると、アルパカたちが歩きだし、ヒツジやヤギ、他の動物も後に続いた。
「メリィちゃん、すごい！」
　リリエルが歓声をあげた。
「驚いたな。動物に好かれているみたいだね。それじゃ掃除をお願いするね」
　飼育員さんも驚きながら掃除のやり方を説明する。
「フンフフンフフーン♪」
　鼻歌を歌いながら、メリィはご機嫌で箒を手に掃除をする。リリエルも箒で集めたゴミをちりとりで取る。
「お掃除楽しいなー、綺麗になってくともっと楽しい！」
「動物園は前に遊びに来た事がありますが、清掃側の立場でみるとまた新鮮ですね」
　リリエルも言う。次は水をまいて、ブラシで床の掃除だ。
　ゴシゴシ磨きながら、メリィが頷いた。
「ホワイトタイガーの赤ちゃんが生まれた時だよね♪　こういう……動物園の裏側？　を知ると、次にまたここに来た時に『そういえばあそこはこうなってたよな～』とか思えて、もっと楽しくなる気がするんだ！　それ抜きでも、あたしは動物園大好きだけどね～♪」
「そういえばあの時名前を募集してた白虎さんの赤ちゃんは元気にしてるんでしょうか、名前もどれが選ばれたのか気になります！」
　リリエルの言葉に、メリィは目を輝かせた。
「そうだね！　気になってたのに、どうなったか忘れてた！」
「お仕事終わったらちょっとだけ様子見できないか飼育員さんに聞いてみましょうか♪」
「うん、聞いてみよう！」
　そこへちょうど飼育員さんが戻ってきた。
「ホワイトタイガー？　もちろん見てきていいよ、バイトの時間以外は自由だし」
「よかった♪　それじゃあ残りの掃除も一緒にがんばリリエルです！」
「引き続き、がんばリリエルだ！！　あたし、お掃除のプロになる～！！」
　気合を入れて掃除を再開するメリィとリリエルだった。

「うわあ、大きくなりましたね！」
　白虎の檻の前で、リリエルとメリィは歓声をあげた。
「えーと、名前……白夜、白桜、雪、メリエルだ！　どの子かな？」
　メリィとリリエルの名前をまぜて考えた『メリエル』という名前が採用され、檻の前に書かれていた。
「メリエルちゃん、こっちに来てください～！」
　すくすくと育っているホワイトタイガーの子供たちの様子に、二人は満面の笑顔になっていた。

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