いきなり人類滅亡！　文明再興できるかな｜リアクション

いきなり人類滅亡！　文明再興できるかな

◆不当な管理からの解放

「管理、我々、干渉しません、か。成程ね」
『なーに一人で納得してるんですか？』

　ニヤニヤしたゆかりの毒舌に、八神修は不敵な笑みを返す。

「俺たちがここに呼ばれた理由は？」
『うーん。無作為に選んだので、無い、が回答になりますかねぇ』
「都市を見るに科学レベル的に作れないＡＩだろう。君は誰に作られた？」
『滅亡前の貴方たちですよ』
「君は何処に在る」
『世界中に。どこにでも在りますし、どこにも在りません』
「宇宙人は何の目的で君を置いた」
『記録用です。滅亡後の世界がどうなっているか、私はあの人たちに報告しなきゃいけないので』
「管理の目的は？」
『人類の暴走を防止するためです』
「生存者数は？　滅んだ原因は？　今はいつ？」
『１０人選んで、４人適応できずに死にました。原因は、世界戦争みたいなものです。今は貴方の知っている年代と遥か未来です。暦なんて気にしても意味ないでしょう』

　長い問答ののち、修は何やら納得したようで、

「成程ね。では、自由に過ごさせて貰うよ」

　と言うと、変電所へと向かった。その途中で、謎のパワースーツにレーザー銃を向けられて彼は両手を上げる。その声からパワースーツが亮だとわかると、修は安堵の息を吐き、今後の予定を話した。

「変電所ごと『分解』する予定なんだ。装備や建物も全て、見渡す視界全部、当たり一帯、一気にだ」
「そうか。俺もＡＩを破壊するつもりでいるんだ。無理やり連れてこられたからな。ちょっと怒ってる」
「運がよかったな」
「ああ。危うく一緒に分解されてしまう所だった。よし、行くぞ八神！」
「ああ！」

　そうして二人は変電所の前に立つ。修は防衛システムの射程の外となる距離から、遠慮なくろっこん『分解』を発動させた。派手な轟音を立てて変電所が『分解』されていく。そして反応が途絶えると、分解礫を進化能力で撤去し、管理ＡＩのインストールされたコンピュータごと破壊する。器用にメモリーを残して、慎重に、それでいて完璧に。

「人間は自由を欲するんだよ」
「これに懲りたらこんなことはもうやめるんだな！」

　変電所が崩れる音と、二人の声が、人類の勝利を告げる。修の叡智と亮のパワー、そして碧南のイマジネーション。そして月詠、莉鳥、雅樹の柔軟性があれば、人類は安泰だろう。
　彼らの文明再興は、これからだ！

「爆破……いや！　『分解』オチなんてサイテー！」

　仮想空間の外、マイクの前に立った生身の不知火ゆかりの前にあるのは、無数のモニターだった。そのモニターには、分解されて散々な変電所と、勝ち誇ったような修と亮の顔が映っている。

「ま、まあこういうＡＩなんて、倒されるのがお約束ですけど！　もうちょっとこう、説得してみようとか、そういうのありません！？　……まあいいですけど……」

　そしてくるりと回転すると、どこか遠くの、誰でもない誰かへ向けて言うように語り掛ける。

「では名残惜しいですが、これにて『いきなり人類滅亡！　文明再興できるかな』は一時閉幕！　ご視聴ありがとうございましたー！」

　奇妙なくらい明るい声を最後に、その番組は終わった。

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あとがき

担当マスター：六原紀伊
ファンレターはマスターページから！

リアルでは急に冷え込みましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
六原は風邪ひきました。

滅亡後の寝子島と、そこで生き抜く皆さんを精一杯書かせていただきました。
マスコメにも書きましたが、今回、ＰＣ情報はシナリオガイド中で書かれたもののみとなっています。
申し訳ないですが、ご了承願います。

最後に今後の予定について。
ゲームマスターページにも書きましたが、今回のシナリオを最後にらっかみ！での活動をしばらく休止いたします。
何かの機会にひょっこり戻ってくるかもしれませんが、いつになるかはわかりません。
またご縁がありましたら、その時はよろしくお願いします。

それでは、ご参加ありがとうございました。

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