Let's Play！｜リアクション

Let's Play！

【Epilogue】

　ふと気づくと、彼らはシーサイドタウンのまっただなかにいた。
「……え？　俺達、ちゃんとクリアしたよね？」
　柚枝が思わず自分の頭をさわる。
　アフロではない、いつもの髪がそこにあって彼はホッとする。
「いやいや、ほっとしたわー。僕、アフロとか、似合わんからなー」
　ホッとしたように、真もカラカラと笑いだす。
　あたりを見まわせば、何の変哲もない、いつものシーサイドタウンが広がっていた。
　脱出は成功したのだ。
「よかったネ、奈津樹クン☆　これもオレ達のチームプレーの成果だネ」
　スグリがはしゃいだ様子で奈津樹とハイタッチ。
「ああ、そうだな。いや、俺達だけじゃない。あの部屋に閉じ込められた皆の力で掴んだ成功、だな」
　そう言って、あたりを見まわせば、そこに流や蒼、五郎八にまゆら達の姿もある。
「結局、さっきの動画ってほんとに配信されたのかな？」
　蒼はスマホをいじって、動画を探している。
　配信者として、自分の動画の出来や評価は気になるところらしい。
「……ていうか、あれだけの実機を用意した主催者は何者なんだろうな。もっと遊びたかったぜ」
　と、流としては、もっとあの名作の空気に浸っていたかったらしい。
「あたしって、結構ゲームの才能あるかも☆」
　まゆらはすっかりゲームの腕に自信がついたようで、満面の笑みを浮かべている。
「……でも、ちょっと待って。なんかまわりの視線が痛くない？」
　と、そこでふと五郎八がやたらと視線が自分達に集まっていることに気づく。
「あ、５６８ちゃん。服……」
「……え？　……っ！？」
　そして、五郎八は気づいた。
　髪はアフロになっていなかったものの、自分達の服はいまだ乾ききっておらず、微妙に濡れ透け状態であったということに。
　直後、五郎八が声にならない悲鳴とともに、まだ見ぬゲームの主催者に非難の声を上げたのは言うまでもない。

　しかし、結局ゲームの主催者の正体はいまだわからないままだった。
　ただ、そのとき、シーサイドタウンの片隅の小さな街頭テレビに――。

『大丈夫。全部、神魂の仕業だよ』

　とのメッセージが、誰にともなく表示されていたことは――あまり知られていない。

〔了〕

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あとがき

担当マスター：水月鏡花
ファンレターはマスターページから！

というわけで、ご参加頂いた皆様お疲れ様でした。ＭＳの水月です。

そんな感じで、今回は動画配信っぽいシナリオを執筆させていただきました。
プレイヤさん達のゲーム愛とか、エンタメ精神とかを存分に感じさせて頂けるリアクション執筆となりました。あと、皆さんチョイスが渋いよ！　○魔城伝説とか、おっさん世代には懐かしすぎるよ！←ちなみにやったことはない

某殺人鬼ゲーも、とても面白そうですね。
ていうか、最近はもうネット対戦とか、動画配信とかが当たり前の世の中になってきたんだなぁ、とちょっと驚いています。

いつか私もＶチューブデビューしたいなぁとかぼんやり考えつつ、キリがないのでゲーム語りはこのあたりにしておきます。

それでは最後になりましたが、ご参加頂いた方、ここまでお読み頂いた方、そして「らっかみ！」に関わる全ての方々に感謝を。
ではでは、またどこかのあとがきでお会いできることを祈って。

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