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Six years ago
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■6年前、夢
初瀬川 理緒
は崖っぷちだった。
グラビアアイドルである理緒は所属する芸能事務所より『偏差値30からの大学受験企画』を打ち立てられ……失敗すれば引退、という名目で挑戦せざるを得なくなった。
現在、高校3年生、6月。まだ半年以上先……などと悠長に言っている余裕はない。
今日も恋人である
佐和崎 紗月
と桜花寮の理緒の部屋で、朝から勉強に励んでいた。
「わけわからん!」
思わず理緒が机を叩く。その様子に驚きつつも、紗月はクスリと笑みを零した。
「理緒ちゃん、そこはね、この公式を代入すれば……」
理緒が頭を抱えている横で紗月がテキストを覗く。
紗月の甘い香りに悪戯したくなる気持ちをなんとか押さえつけ、理緒は紗月の説明に意識を戻す。
「あ、そっか! ありがと、紗月」
そう言うと「楽勝じゃ~ん」とご機嫌に参考書に向かっていく理緒。
そんな様子を眩しそうに眺める紗月。
(理緒ちゃん、飲みこみが早いというか、勘が良いのよね)
まだまだ先は長いけれど、今は一生懸命にやれることをやるしかない、と紗月は思いながら。自分もまたテキストを解き進めて行く。
理緒と同じ大学生活を過ごすため。
今の高校生活と同じ、いやそれ以上に2人で幸福な時間を過ごすため。
2人は共に、時に助け合い。受験勉強に勤しむのだった。
◇
「……あれ? もう3時なの!?」
驚きの声を上げる理緒に、紗月もようやく時計を見た。
「お互いに、凄い集中力だったね」
2人でいる時間は例え勉強中であってもあっという間に過ぎてしまうことを実感する。
「流石にお腹空いたよね、何か食べるものもってくるね」
理緒の言葉に、紗月はありがとうと返し。理緒はすぐにお茶と軽食を用意した。
食事中は勉強のことを忘れ、いつものように他愛もない話で笑いあう。
「そういえば、こないだグラビアの撮影してる時に偶然音楽家の人に会ったんだよね。……そういえば!」
理緒は瞳を輝かせ、紗月の穏やかで艶やかな黒い瞳を見る。
そして屈託のない笑顔と共に
「あたし、紗月のピアノをまだ聴いたことなかったよね? 聴いてみたいな」
理緒の言葉を聞いた瞬間、紗月が目を大きく開き……そしてその瞳が伏せられた。
理緒も紗月も寝子島高校の3年、芸術科同士。
紗月は音楽専攻であり、ピアノを得意としている。
屈託のない笑みと共に理緒は希望を伝え、問題なくOKの返事が貰えるものと思っていた、が
「紗月? どうしたの?」
「……うぅん、なんでもないの」
紗月は力ない笑みを浮かべ、首を横に振った。
「いや、だって……。あたし、何か悪いこと言った?」
「理緒ちゃん、ごめんね。大丈夫だから」
そう言い、お茶に口を付ける紗月。
「……何かあったら、本当に言ってね。あ、お茶のおかわり持ってくるね」
そう言い、理緒が立ち上がる。これ以上聞いてはいけない、と理緒は肌で悟った。
芸能界で暮らす内に身につけた、空気を読む能力。
(理緒ちゃん、ごめんね)
紗月はこっそりと溜息をついた。
◇
紗月と、ピアノ。
6年前のある時のことを思い出した。
小学生の頃、仲の良かった同級生。初めて友達の家に行くと
「……音楽教室?」
「そうなの、うちのお母さん、音楽教室の先生をやっているのよ」
最初はそうなんだ、としか思わなかった。
その当時の紗月が弾けるのは猫ふんじゃった、ぐらい。しかし鍵盤に触れるのは楽しいと感じていた。
ある時、友達の母親が紗月に曲を披露してくれた。
──モーリス・ラヴェル作曲「水の戯れ」
ラヴェルの曲の中でも難易度が高いその曲。
軽やかに水が跳ねる様、そして水が流れゆく様を情感たっぷりに表現する友人の母の技術と表現力に、紗月はいたく感銘を受けた。
「……凄い」
あの鍵盤の中から、こんなにまで人に感動を与えられる。
曲を聴くだけで、その頭の中にイメージが沸きだす音楽の世界に、紗月はどっぷり浸かる切欠となった出来事だった。
自分の生きる道は、ピアノにある。
それから紗月は自らの意思でピアノを始めたいと両親に願い、そしてそれは了承された。
暇さえあれば鍵盤に触れ。ピアニストになるために、紗月は熱心に鍵盤を叩いた。
先日。
紗月は大きなホールで演奏を楽しんだ。
白いドレスを着て、思うがままに演奏をし、拍手喝采を全身に浴びる、という……夢の世界。
夢の世界の終わりに、頭の良い彼女は察した。
……努力だけでは、全てを勝ち取ることは出来ない。夢の世界は、それを紗月に伝えるかのように思えてしまい。
(さよなら、私の夢)
こうして、己の夢と決別をした紗月だった。
(理緒ちゃん、ごめんね)
聴きたいと言ってくれた理緒の言葉に、今はまだ応えられそうにない。
◇
先程とは変わって、理緒の集中力が途切れる。
紗月の様子がピアノのことを口にしてから変わってしまった。
聴いてみたい、と言ったことが彼女の琴線に触れてしまったのだろう。
先程までのようにスムーズに勉強が捗らなくなっていたのを実感する。
理緒の視線はテキストに落ちつつも、意識は名門中学校受験のために勉学に励んでいた小学生時代へと戻っていた。
◇
医学部で教鞭を振るう父と、弁護士の母。
そんな家庭に生まれた理緒は、両親が薦める学校に入学するため幼少期から勉学に励んでいた。
周りの友人たちが流行の話題を持ちかけても、勉強一色だった理緒にはそれが何なのか理解できなかった。それよりも、一つでも問題を解き、勉強の不明点を失くすことが幼い理緒にとっては大事なことだった。
しかし、その必死さも報われないことを理緒は身をもって体感する。
あれほどまでに必死になって励んだ勉学、しかし名門中学校への道は閉ざされてしまった。
不合格。
その判が理緒に押された瞬間、彼女の中で全てが決壊した。
あれだけ頑張っても、報われないことだってあるんだ。
幼き理緒はそう思う。
そして、これまで心の片隅に潜んでいた『ファッションや流行への関心』を取り出した。
流行の服、メーク。煌びやかなアクセサリー。
今までとは180度変わった世界に、理緒はどんどんのめり込み、魅了された。
親はどんな顔をしていただろう。
しかしお構いなしに、理緒は自分の思った道を進み、お洒落を楽しむ。
高校にも進学できないのでは、と危ぶまれる程に学力は低下したが、理緒はそれでも良いと思っていた。
なんとか高校に進学した際、持ち前の美貌に加え垢ぬけた雰囲気、そして天性の感覚と磨かれたファッションセンスによりスカウトを受け……グラビアアイドルとしての今へと至る。
◇
(そんなグラビアアイドルが切欠で、また勉強に励まなくちゃいけなくなるとはね)
苦笑する理緒。皮肉なものだ、と思いながら理緒は隣でペンを動かす紗月を見る。
懸命な表情でテキストに向かう紗月は、凛々しくも愛らしい。
そして……どこか憂いのある愛しい恋人の表情。彼女が抱えた想いは今はまだ見えない、けれど。
(あたしは、手に入れるよ)
グラビアアイドルとしての未来も、紗月と共に過ごす大学生活も。
そう決心し、理緒はまたテキストに意識を集中させるのだった。
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担当ゲームマスター
金原りく
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月14日
参加申し込みの期限
2018年06月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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