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【創立記念】B☆Iトリエンナーレ!
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制服の腕の金色腕章を外し、中庭のベンチに腰を下ろす。知らず零れた溜息に気づいて、
佐和崎 紗月
はそっと口元を抑えた。
(疲れてる、……のかな)
自分では分からなかったけれど、少なくとも他の実行委員のひとにはそう見えたのだろう。だから、少し休んで来たら、と気遣われてしまった。
(気を遣わせちゃった)
言われるまま、トリエンナーレ出場者案内の仕事を他の人に任せて、中庭までふらふらと歩いて来てしまった。
(やっぱり駄目ね、私)
与えられた仕事を精一杯やっても、他の人の精一杯には届かない。
細い肩を悄然と落としてもう一度深い息を吐く。中庭を行き交う楽し気な人々をぼんやりと眺める。
「……あ」
知り合いを見つけることさえ難しい人込みに、けれど一際目立つスタイルの良い
初瀬川 理緒
の姿を見つけた。思わず口元が綻ぶ。落ち込んでいたことも疲れていたことも忘れて立ち上がる。
「理緒ちゃん」
ぱたぱたと駆け寄って行けば、屋台に物欲し気な切ない眼差しを向けていた現役女子高生グラドルは驚いたように瞬いた。
「紗月」
「理緒ちゃん」
理緒の肘に抱き着き、紗月は息を吸い込んだ。休憩中なの、と事情を説明し、ふたりで屋台を巡ることにする。免罪符を受け取ったような顔で食べ物や飲み物を買い込む理緒に付き合い、唐揚げにたこ焼き、かき氷にジュースを手にして特設ステージ傍のベンチに戻る。
「この前の中間試験のときはごめんね」
思い出したように理緒が笑った。首を傾げる紗月に、理緒は悪戯っぽく笑う。
「泣かせちゃった」
先の中間試験の折、『墜落寸前の超低空飛行』な成績だった理緒はいきなり平均点六十点を叩きだした。
「あれは、……」
結果を知らされるなり、紗月はぼろぼろと涙をこぼした。理緒はそのときのことを言っている。
「……嬉しくて」
頬を赤くする紗月に、理緒はくすぐったそうに肩をすくめた。それだけでは足りず、紗月の肘にぎゅっと抱き着く。
わあ、と上がった歓声に揃って特設ステージを見れば、舞台の上にはピアノが一台、上げられていた。次のステージの用意らしいが、次のステージまでには少し時間がある。隙間を埋めるためのピアノの演奏者を探しています、と実行委員会のスタッフが困り果てた様子で舞台上から呼びかけ始めた。
「ね、弾いてきて! 紗月のピアノが聞きたい!」
理緒に強請られるまま舞台に登り、準備スタッフに歓迎されるままピアノの前に座る。緊張したのも束の間、鍵盤を前にすれば音楽、特にピアノ演奏を専攻する芸術科三年生の紗月の瞳は落ち着きを取り戻した。
奏でるのは、ドビュッシーの『亜麻色の髪の乙女』。
忘我の境地でピアノを弾いていて、ふと優しい眼差しに気が付いた。顔を上げれば、特設ステージのすぐ傍、理緒が眩しいような熱心な眼差しをこちらに向けて来てくれている。
(ねえ、理緒ちゃん)
紗月は微笑む。
(理緒ちゃんは、楽しめてる……?)
心の中でそっと問うてみる。眼差しの先、理緒が顔中で笑った。
――もっちろん!
大好きな理緒の元気な声を聞いた気がして、紗月は胸いっぱいに六月の風を吸い込む。心のままに、ピアノの音を弾ませる。
ピアノにタンバリンにパーカッション、極めつけは『Re』のふたり――
オルカ・ヴィヴァルディ
と
獅子目 悠月
に煽られた観客たちの拍手。
軽やかに弾む音に担ぎ上げられ、オルカは特設ステージの央で艶やかな中低音の声を響かせる。
講堂で数フレーズずつ歌った二曲を、中庭特設ステージでは宣言通りにフルサイズで歌い、――観客の興奮に浮かされて始まる、これは二曲目。
観客の拍手に合わせて心底楽し気に軽やかなステップを踏むオルカと並び、悠月は鮮やかに高い声を空へと掲げる。オルカを追ってステップを踏む。
傍らに舞うオルカが、ふと悪戯を思いついた少年の笑顔を浮かべた。
ラストのサビを前に相棒が浮かべた表情を悠月が不思議に思うより先、空の色を透かせた黒い髪を揺らし、オルカがステージを強く蹴る。宙へと飛び出し、観客の驚嘆まじりの歓声と共、舞台の下の客席へと飛び降りる。
――だってさ、
オルカがステージに立つ悠月を振り返る。
太陽よりも眩しい笑顔を浮かべるオルカを目にしながら、悠月はステージの前に彼が口走っていた言葉を思い出した。
――折角学校で、お祭りだから
(今しかできない事をとか、始まる前に言ってはいたが)
――沢山遊んで、お客さんとも騒ぎたいじゃん
確かにそうは言っていた。けれど、客席に降りるとは聞いていない。
(聞いていないぞ)
「Vieni!」
来い、と少年の笑顔のままのオルカに呼ばれ、手を差し伸べられ、悠月は息を詰まらせる。
(ああ、くそっ)
呼ばれてしまえば、応えないわけにはいかない。
オルカはいつだってそうだった。オルカに呼ばれた己も、また。
伸ばされた手を取る。オルカの胸に飛び込む格好で客席へと勢いよく飛び降りる。
ようこそ、と悠月の耳元に囁いて、オルカは客席へと大股で歩み出した。
「ほら、一緒に!」
悲鳴とも歓声とも取れぬ喚声を上げる最前列のファンに音楽に合わせた手拍子を促し、それだけでは足りずに客席へと飛び込む。観客と握手をしたり投げキッスをしてみせたり、大はしゃぎな様子で客席を盛り上げるオルカに続き、悠月も客席へと足を向けた。
(まったく)
心中で呆れてみても、それは観客のみんなとハイタッチをしたり一緒になって笑いあったりするまでの僅かの間。
(滅茶苦茶だ)
お客の歓声を浴びるうちに、心はふわり、弾んだ。楽曲と同じにリズミカルにぱちぱちと弾ける心を身体の真ん中に、悠月は振り向いたオルカと手を打ち合わせる。
(……なんて、言ってみてもこれじゃ説得力がないな)
間奏が終わる間際、ステージへと戻る。拍手まじりの手拍子にあわせて二曲目を歌い切り、歓声に送られて舞台から引き上げ、
「大成功~」
客席から見えない舞台裏に帰るなり、オルカは悠月に抱きついた。
「ッ……」
途端、高く結い上げた赤銅色の髪を震わせ首筋まで薄紅に染めて固まり振り払うことすらできなくなる悠月に、オルカはそっと唇を緩める。
(ああ、たまんないな~)
ライブの興奮とは違う熱を孕む首筋を抱き、その榛色した瞳を覗き込む。
「ナニを思い出したのかな~、……なんて」
クスリ、いつかのように互いの唇が触れるほどに近く唇を寄せ、微笑んでみせる。
いつまでも響く拍手は、いつかの波音と同じ――
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
92人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月09日
参加申し込みの期限
2018年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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