いきなりグルメリポート！　甘味制覇できるかな｜リアクション

いきなりグルメリポート！　甘味制覇できるかな

◆クール&キューティ

「つまり、グルメリポートをすればいいのよね？」
『そうなりますねー』

　ゆかりの説明を受けて、心配そうにこう言うのは時高クレオ。

「ぶっちゃけネット配信でいっつもやってることなのー」

　クレオの隣でこう言うのは、藤村あさひだった。

『あらあら、経験者の方ですか』
「そうなのー」

　あさひのなんてことない返事を聞くと、ゆかりはにこにこっと笑った。そして挑発的な毒舌を放つ。

『それは心強いですねー？　ではお手並み拝見といきましょうか！　そこまでいうからには、つまらない感想言わないでくださいねー？』
「それより！」

　あさひとゆかりの間でゆるゆるっとした会話が為される中、クレオの声がそれた話を元に戻していった。

「ここにあるものを全部食べたとしても太らないのよね？」
『もちろんです！　SRSNはオトメゴコロに敏感なんですから！』
「……本当に太らないのよね！？」
『慎重ですね……。気持ちはわかります。神に誓って太らないと約束しましょう』

　ゆかりに確認を重ねると、クレオはほっとしたように息を吐いた。そうしている間に、あさひはテーブルの前でスイーツを選んでいる。クレオはスイーツを悩ましげに見つつ、

「じゃ、じゃあちょっとだけ」

　と歩を進めた。

「うーん、うーん」

　と言っても、これだけあるとかえって悩むというもので、クレオはサイコロをちらりちらりと見て、

「おまかせでお願いします！」

　とそれを手に取り、思いっきり振った。

『おまかせコース入りました！　スタッフさん、お願いしまーす！』

　ゆかりの明るい声と指を鳴らす音が場に響く。クレオは黒服のスタッフを待ちながら、あさひのテーブルを見た。その先にある光景に、クレオは思わず仰け反る。

「え、ええー！？」

　目を丸くして驚くクレオに、あさひはきょとんとした顔で首を傾げた。

「え？　なんであーちゃんのこと見てるのー？」
「だ、だって……」

　クレオはあさひのテーブルに並ぶスイーツを指差した。『さわやか柑橘類とちゅるるんぷるんのげんこつ洋風水まんじゅう』、『牛乳好きのための濃厚ヨーグルトとクリームチーズのとろけるレアチーズムース、大グラスサイズ』、大盛りのパーティーメニューとして考案されたと噂の『みんなでわいわい・どっかん寝子島ぷりん』。どれも大きく、しかも大量だ。あさひはそれでもきょとんとして言った。

「これ、あーちゃんにとってはいつものおやつぐらいだよー？」
「そ、そう……なのね……」

　クレオが驚いているうちに、黒服が彼女のテーブルに皿を置く。呼ばれるままテーブルに戻る彼女を見送ると、あさひは幸せそうに両手を合わせた。

「いただきまーす」

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