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星ヶ丘マリーナの桟橋から見る光景は素晴らしかった。
水平線の向こうに沈みゆく夕日が、海も空気も真っ赤に染めている。まるで他の色などこの世界には最初から存在していないかのように。
城山 水樹
と
ヒュー・ヒューバート
は、そんな壮大な光景を欄干に凭れながら静かに眺めていた。
木天蓼大学の3年生だった水樹は、もう24歳になっていた。恋人のヒューは26歳。ヒューは人気のフォトグラファー、水樹は学生の頃から続けていたモデルを本業とし、寝子島の実家を出て現在はヒューのアパートで同棲している。そうでもしないと多忙すぎる2人は一緒にいる時間が取れないのだ。学生の頃は水樹の中でモデルは二足のわらじ的なところがあったが、本業になってからはプロ意識が芽生え、自慢のプロポーションにも美貌にも磨きがかかり、あちこちから引っ張りだこだった。
そんな2人の休日は頑張って合わせないとなかなか一緒にならない。それがひょんな事から丸々1日、ぽんと空いたのだ。久々のデートの予感に、水樹の瞳が輝いた。
「寝子島に行きたい、ヒュー!」
「寝子島か……しばらく行ってなかったね。2人でのんびりしようか」
「うんうん、賛成!」
こうして休日の予定はすんなりと決まった。そしてお天気も味方した今日、2人は寝子島を楽しく散策し、夕刻星ヶ丘マリーナに来てみたのである。
「素敵ね……」
人気のない桟橋で水樹はぽつりと呟いた。目の前には真っ赤に焼けた赤い海。水面には穏やかに波に揺れるヨットやクルーザー。振り返れば星ヶ丘の高級ホテル『ステッラ・デッラ・コリーナ』の瀟洒な建物も、夕日に溶け込むようにそびえ立っていた。
(思えばあのホテルでヒューと出会ったんだ……)
潮風に靡く艶やかな髪を押さえ、水樹は美しいホテルの建物を見上げた。4年前のクリスマス・イヴ。
ステッラ・デッラ・コリーナで行われたパーティー
に参加していなかったら、私は彼に出会っていなかった。
(もう今はそんな事考えられないくらい愛しているのに)
横にいる最愛の恋人を、水樹はそっと盗み見る。ヒューは夕日を浴びながら何か物思いに沈んでいるようだった。
そうなのだ。もうヒューのいない生活なんて考えられないのだ。彼と出会う前の事を思い出し、改めて水樹は実感する。そんなの、前々から分かっていた事なんだけど。
(……今ならきっと……言えるかもしれない)
穏やかな波の音だけが2人を包む。水樹は1人俯いてきゅっと自分の胸元を押さえた。
ずっと前から思っていたの……ヒューと結婚したいって。でもなかなか切り出そうと思っても言葉に出来なくて。
今なら。この夕日に染まる海の前なら言えるかもしれない。けれど。
(逆プロポーズって……引かれちゃう……かな?)
プロポーズなんてどっちからでもいいはずだ。けれども恋人には乙女に思われたいと思う自分もいて。自分のやんちゃな性格は彼が1番知っているはずだから、今更なのかもしれないけど。でも、でも。
考えれば考えるほどわやくちゃになる。それでも考えずにはいられなくて。黙りこくって難しい顔で悩み始めた水樹に、言葉少なだったヒューがさすがに声をかけた。
「……どうしたの、水樹?」
「え?! え、えーと、大したことじゃなくて……いやすごく大したことなんだけど……ああそうじゃないっ!」
水樹は端から見ると気の毒なほどに慌ててしまった。まさか『あなたにプロポーズするか考えてました』なんて本人に言える訳がない。けれども頭がそれでいっぱいだっただけに上手い返しも思いつかない。えへえへ笑っていた水樹だったが、もうどうしようもなくなり困ったように俯いてしまった。
(ああ、私ってなんだか間抜け……)
しかしヒューもおかしかった。目の前の水樹を何か思い詰めたように見つめ、口を開きかけたが、結局言葉が出ず俯いてしまう。2人の間に流れるいたたまれない沈黙。それを破ったのは。
「あの、ヒュー」
「あの、水樹」
同時だった。「あ」という顔をして2人はお見合いしたまま固まってしまった。それから互いに「あ、お先に」「いえいえ、そちらこそどうぞ」なんてコントのようなやりとりをしていたが、水樹が意を決したようにくっと拳を握った。
(ええい、女は度胸!)
自分がバカみたいに赤くなっているのが分かる。それはそうだ。一世一代の告白だもの。願わくば……この夕焼けに紛れてヒューには気付かれませんように!
「私を……私をあなたのお嫁さんにしてください!」
―――ぽかん。
思いもかけない言葉にヒューは固まってしまった。いや、思ってはいた。実はこのデートの間中ずっと。ただ、彼女が言ったのとは主語と修飾語が微妙に違っていたのだ。
実は今日、ヒューは水樹にプロポーズしようと決めていたのだ。
けれども勿論気軽に言える言葉ではない。挙げ句に人気のない夕暮れ時の桟橋という絶好の場所で今度は水樹が挙動不審になり、タイミングを逃し。ええいそれでも伝えるんだと口を開いたら今度は同時で。そして譲り合っていたら先を越されてしまったのである。
(何て言うか……水樹はびっくり箱だな)
それもとびきりキラキラの。ヒューはふふと微笑んだ。
出会ってから付き合うまでもあっという間のスピードだった。付き合ってからも大胆で、行動的で、それでいてか弱い所もあって目が離せなくて。パワーの塊だ。
(先を越されちゃったけど、でも)
ヒューは、赤い顔で目一杯緊張している水樹を、優しい瞳で捉え言った。
「では、僕は水樹のお婿さんにしてください」
びっくり顔の水樹。優しく微笑むヒュー。愛しい視線を絡ませ合った恋人達は、お互いの手を取り合うと、照れたように笑い合った。
―――これからも、こんな風に2人で過ごしていこうね。ずっと。
*
それから1年後。2人は出会いの場所でもある『スッテラ・デッラ・コリーナ』で挙式をした。
本当はお互いのプロポーズの後、すぐにでも式を挙げたかった。しかしデートの予定もすらままならない2人がそうやすやすと式を挙げられる訳はない。式の準備に仕事の調整……どう頑張ってもこれ以上早くは無理だったのだ。
2人は光溢れるガーデンパーティ形式をチョイスした。仕事の関係上(水樹は性格上もだが)知人友人がかなりいる2人にはベストな選択だったし、何より形式にこだわらない2人らしい、笑顔溢れるパーティとなった。
たくさんのゲスト達の笑顔に見守られ、そして若干の冷やかしの声を聞きながら、ヒューは緊張した面持ちで祝福の視線を受けていた。
彼が着るのは真っ白なタキシード。そして目の前の花嫁、水樹が着るのは美しいAラインのウエディングドレスだ。
(水樹、綺麗だな)
彼女が現役モデルであるのは分かってはいるが、やはり見惚れてしまう。ひいき目で見てるのかもしれないが、もし彼女が結婚式場のモデルをやったとしても、こんなに幸せそうな表情はみせないだろう。
そしてヒューは自分の衣装が似合っているかどうかは考えないようにした。……売れっ子モデルに張り合える訳がない。
ヒューの視線を感じたのか、水樹が頬を染め微笑んだ。何ヶ月後かには彼女はモデルを一旦休業する。今は目立っていないが、彼女のお腹の中には2人の子が宿っているのだ。勿論出産後には水樹は仕事に復帰するつもりだし、ヒューも全力でサポートするつもりだ。
(いや、サポートじゃないな。2人の子供なんだからお互いが協力して当たり前なんだ)
家事も育児も。そしてそれはきっと楽しくて仕方がないはずだ。だって愛する人と家族になり、暮らしていけるんだから。
「誓いのキスを」
司会者に促され、2人は向かい合い唇を交わした。
ゲスト達の大歓声の中、水樹の瞳から幸せの涙がこぼれ落ちる。ヒューはそっと優しく、その涙を拭った。
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シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
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定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年05月29日
参加申し込みの期限
2018年06月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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