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バージンロードにぽつんと置かれる花婿は、結構心許ないんだなと
鴻上 彰尋
は身をもって感じていた。
参列者は美しい花嫁が来るのを今か今かと待っている。勿論それは彰尋も同じだ。というかここにいる誰よりもそれを強く望んでる自負がある。早く、君の姿が見たい。
バージンロードの始まりにある分厚い扉。あの扉の向こうにきっと君がいる。こんな距離、俺が迎えに行ったらあっという間だろうに、それはしてはいけない。神聖な式の手順というものがあるから。
学生の頃みたいだ。彰尋は真っ白なタキシードを身に纏いながらふと思った。焦がれても焦がれても、君を抱きしめる事が出来なかった、あの頃。なかなか埋める事が出来なかった、この距離。
その時、チャペルの重厚な扉が開いた。
美しい花嫁だった。
七夜 あおい
が彼女の父と並び、静かに歩いてくる。こんなに綺麗な花嫁を俺は知らない。彼女が自分の許に到着するまで、彰尋は息をするのも忘れていた。
お義父さんと目が合った。しっかりと、その目に頷く。本当に、ありがとうございますと心の中で今一度頭を下げた。
彼女の手を取った。俯きがちなベールの向こうの顔。すると、その顔が上がり、あおいが照れたように頬を染め笑った。
好きだ。
バージンロードの途中にいるにも関わらず、溢れる想いに彰尋は目眩がした。彼女を抱きしめたくてしょうがなくなったが、そんな事は式の手順には盛り込まれていない。代わりに、その手を強く握った。
彼女の手を自分の腕に絡ませる。寄り添い微笑むあおいに、彰尋も瞳を合わせ、微笑んだ。
色んな事があったけれど、君を好きな気持ちはずっとずっと変わらなかった。……そして、これからも。
彰尋はあおいと共にしっかりと前を見た。ここから先は君と紡ぐ未来。ゆっくりと、2人で笑い合いながら進んでいこう―――。
*
「む……やられた」
ダブルベッドからもぞもぞと手を伸ばし、目覚まし時計を取った彰尋は、その時刻を見て寝起きの顔をしかめた。
目覚ましをかけた時刻からはとっくに過ぎている。けれども自分が起きなかったのは、誰かが止めてしまったからで。彰尋は自分の隣を見る。その腕に抱いて一緒に寝ていたはずの愛しい妻の姿はそこにはなかった。
(先回りして目覚まし止めたな……)
彰尋はぼりぼりと頭を掻くと、手早く着替えて寝室を出た。今日は休日。休みの日には早く起きた方が朝食を作るというのが、2人が同棲していた頃からのルールだった。昔から家事をやっていた彰尋の方が習慣的に早く起きるのだが、どうも本日はしてやられてしまったらしい。
キッチンに向かった彰尋がひょいと覗くと、そこは戦いの真っ最中だった。フライパンからは白い煙が出ているのに、あおいは冷蔵庫を忙しそうに開け閉めしている。彰尋はコンロの火を止めると、その背中に声をかけた。
「……手伝いましょうか、奥様?」
「ひゃっ!」
肩を竦めて勢いよく振り向いたあおいに、彰尋は「おはよう」と挨拶をし、その唇に軽くキスをした。
「おはよう、彰尋君……でも手伝っちゃダメ」
あおいも彰尋にキスを返した後、もの言いたげな夫の顔をめっと睨んだ。
しばらく若夫婦はキッチンで軽い押し問答(というかじゃれ合い)をしていたが、とうとう彰尋が折れ、彼はダイニングまで撤退を余儀なくされた。
そしてしばらく……というかだいぶ経って。
テーブルの上には焦げた玉子料理の物体(恐らくあおい的にはオムレツを作りたかったと思われる)が載せられ、その横であおいがテーブルに突っ伏して自分の料理に撃沈していた。
「ごめん……彰尋君。本当……ごめん。地の果てまでごめん」
彰尋の方すら見ずにテーブルに頭を預け落ち込むあおいに、彰尋はついつい口元が綻んでしまい慌てて引き締めた。君はそんな姿も可愛いって言ったら怒られるかもしれない。
彰尋はこほんと咳払いすると、妻のご機嫌を直すべくもぐもぐとオムレツ(?)を食べ始めた。
「うん、美味しいよ! あおい」
実際見た目はアレだが、味はそこまで悪くなかった。何とかここまで上達したのも彰尋の涙ぐましい指導のお陰だったりするのだが。
「また彰尋君が私を甘やかす……」
まだ顎をテーブルに預けながら、ジト目であおいが睨む。彰尋は笑いながらその口元にオムレツを差し出した。
「嘘じゃないって。ほら」
あ~んと彰尋が差し出すフォークを、あおいはひな鳥のように素直にぱくり。もぐもぐとしていたあおいの瞳が、さっと輝いた。
「ほんとだ、悪くないね!」
「だろ?」
「うんうん! 良かった~、やっぱ私って天才」
元気に食べ始めた妻に、彰尋はほっと胸を撫で下ろす。そして自分もまた食事を再開しながら言った。
「今日さ、本屋見に行ってみようか……あと、旅行代理店も」
「?」
あおいが不思議そうに彰尋を見る。その唇の端についたケチャップを彰尋は親指で拭ってぺろりと舐めると、にっこり笑った。
「そろそろ新婚旅行考えようよ」
実は2人はなかなかまとまった休みが取れずにいたのだ。彰尋の言葉にぱああっと目に見えてあおいの顔が輝いた。
「やった! 実はね、すっごくすっごく楽しみにしてたの。……じゃあ早く食べちゃう!」
そう言って凄い勢いで食べ始めたあおいを前に、彰尋はくすりと笑うと自分も丁寧に平らげる。そして素早く2人の食器を重ね合わせた。
「あおい支度あるだろ。俺が片付けとく」
「ありがと、彰尋君!」
立ち上がった彰尋を見上げるあおいに、彰尋はそっと屈み込み、顔を近付けた。
「またケチャップ、ついてる……」
お互い目を閉じながらの甘い唇の拭い方は、ちょっと長めだったかもしれない。
―――今日はとってもいい天気。お出かけ日和だ。
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担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年05月29日
参加申し込みの期限
2018年06月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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