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明るい陽射しが射し込むキッチンで。
高梨 彩葉
……旧姓の紹介で失礼する。彼女の夫はもうすぐ帰ってくるはずだ……は鼻歌を歌いながら自慢の腕を振るっていた。
泡立て器や木べらが魔法のステッキ。若奥様がその白い手を華麗に動かし卵や小麦粉に魔法をかけると……あら不思議。あっという間につやつやの生クリームやふわふわのスポンジケーキが出来上がっていくのだ。
そのスポンジをくるくると回しながら上下に切り分け、そこにカットフルーツと生クリームを挟むと、彩葉はまたそれを重ね、今度は全体に丁寧に生クリームを塗りつけていく。お店がお休みな今日に、夫婦2人でゆっくりと食べるのにチョイスしたのは、季節の果物をあしらったフルーツケーキ。
スポンジが真っ白く綺麗に塗られると、彩葉は絞り袋を手に、ケーキの表面をデコレーションし始めた。どんどん美しく飾られていくケーキ。それは彩葉が店に出す品物と遜色ないレベルだ。休日に夫と食べるケーキにも手を抜かないのは、パティシエのこだわりか。……いや、ケーキを前にすると彩葉は全て吹っ飛んでしまうのだろう。それくらい菓子作りが好きなのだ、昔から。
彩葉は絞り袋を動かす手を少し止めた。途中で全体のバランスをチェックする。最後に飾り用のフルーツを載せるから、やりすぎてもいけない。そのフルーツのお使いは今彼女の夫に頼んでいた。……そういえば、どんなの買ってくるのかな。そろそろ帰ってきてもいい頃だと思うんだけど。
その時、ふっと耳元で囁かれた。
「買ってきたよ、彩葉さん……これで、いいかな?」
「……拓郎!」
厚い前髪の下の瞳をまん丸くして彩葉が振り返る。そこには
志波 拓郎
が袋を手に微笑んでいた。
「ありがとう、拓郎! キーウィ、みかん、ザクロ……うん、色とりどりで綺麗だね!」
待っていたフルーツ達の到着に、彩葉の顔が綻ぶ。その様子に使命を果たした拓郎はほっと胸を撫で下ろした。
「じゃあ自分は……テーブルの準備をしとくね」
「うん、よろしくね! 私の方はもう少しかかりそうだから」
そう言ってまた真剣な様子でデコレーションを始めた彩葉を拓郎は少し感心したように眺めていたが、すぐにお茶の準備に取りかかった。
フルーツと一緒に買ってきた紅茶を、ティーポットにスタンバイ。カップも用意して……そうそう、肝心のケーキ皿も。
リビングに漂う甘い匂いの中、カチャカチャと手際よく拓郎は準備を進める。お湯は沸かした。砂糖とミルクは用意した。砂時計もスタンバイ完了!
拓郎は綺麗にセッティングされたテーブルを満足そうに眺めると、そわりとキッチンに目を向けた。あとはケーキの完成を待つだけなんだけど……。
(ああ、すっごくいい香りがする……ちょっとだけ……様子見てみようかな?)
リビングにまで漂うふんわりした香り。甘い物……特に彩葉のケーキはいつだって拓郎の心を鷲掴みにする。子供のように待ちきれなくなった拓郎は、キッチンを覗いてみる事にした。
キッチンでは、クリームの飾り付けを終えた彩葉がフルーツを載せようとしているところだった。
綺麗に洗ってパッドに並べられた色とりどりのフルーツ。それを彩葉は手際よく美しくケーキに載せていく。拓郎はその手に取られるフルーツを、彼女の肩越しに不思議な気持ちで見ていた。絶対スーパーで並んでいた時よりも、美味しそうに見える。
すぐ傍の熱い視線を感じた彩葉が振り返った。
「拓郎、どうしたの?」
「うん……おいしそう」
涎を垂らさんばかりにケーキとフルーツを見つめる拓郎に、彩葉はくすりと笑った。
「ケーキのフルーツは蜜がけするからもうちょっと待ってね……パッドの方は余ってるよ。いる?」
「うん!」
拓郎がわん! と元気よく頷く。その可愛らしさに彩葉がまたくすくすと笑うと、キーウィを一切れ差し出した。
「はい、あ~ん」
拓郎は嬉しそうに大きな口を開けると、それをパクリ。もぐもぐごっくんすると、拓郎はぱあっと笑顔を見せた。
「うん、おいしい。やっぱり旬のものはいいよな」
「拓郎の目利きがいいからだよ」
ありがとう、と彩葉が微笑む。その笑顔に拓郎は照れながら頷いた。
(だって……彩葉さんが作ってくれるケーキに使うフルーツだから、気は抜けない。……いい果物選んできて、よかった)
そして美しいフルーツケーキがテーブルにやってきた。
紅茶のかぐわしい香りとケーキの甘い匂いがリビングに漂う中、2人は幸せな午後の時間をゆっくりと楽しんでいた。
「こうやって、のんびりするの……いいね」
部屋に降り注ぐ柔らかな陽射しの中、拓郎はカットされたケーキをぱくりと食べ、目を細めた。やっぱり彩葉さんのケーキはすごく美味しい。
「そうだねー。お店は何だか凄く忙しくなってるしね」
ありがたいことだけど、と言いながら彩葉は紅茶を啜った。
2年前。23歳の時に、2人は念願のケーキ屋を開店した。
彩葉は調理担当、時々接客。拓郎は力仕事や会計、接客担当だ。
勿論最初から順調という訳ではなかったが、彩葉の作るケーキの美味しさは口コミで広がり客足が増え、経営は徐々に軌道に乗った。
そしてある時女性雑誌で組まれた『美味しいケーキ屋さん特集』で彼らの店が載り、お客さんは倍増。以来忙しい日々を過ごしているのだ。
「あの特集、拓郎は『イケメン店員!』って紹介されてたね。私の旦那様だ、ドヤッ! て気持ちだよ」
拓郎の前でえへんと胸を張る彩葉に、拓郎は少し赤くなってぽりぽりと頬を掻いた。
「イケメンはともかく……最初は、自分に……お店の仕事、務まるかな……って、思ってたけど……」
そう言うと拓郎はもう最後の1口になった自分のケーキをぱくりと食べた。
「彩葉さんの、ケーキが……おいしいから、人気は出て、当然」
もぐもぐもぐもぐ。幸せそうにケーキを食べ終えると、今度は拓郎がえっへんと胸を張った。
「ありがとう、拓郎。まだまだ忙しくなると思うけど……頑張ってね、イケメン旦那様!」
「だからイケメンはやめてって……」
彩葉の悪戯っぽい笑顔に拓郎は赤くなって横を向く。するとその視線がふと留まり、拓郎の瞳が優しく細められた。
不思議に思った彩葉がその視線を追う。その先には、写真立て。
「……結婚式、楽しかったね」
彩葉も同じように顔を向け、目を細めた。
素敵な、結婚式だった。
家族や友人、たくさんの人が祝福してくれてすごく嬉しかった。まさかお父さんやお兄ちゃんが泣いちゃうとは思わなかったけど。
高校の時からずっと拓郎といたけど。
バージンロードにいるあなたの笑顔を見た時、「ああ、この人とこれからもずっと一緒にいたい」と強く思ったの。
「……やっぱり、いつ見ても……きれいだな……彩葉さん」
「タキシードの拓郎もカッコよかったね」
いつのまにか、テーブルの上の2人の手が重ねられていた。拓郎の手に力がこもる。少し身を乗り出すように顔を近付けてきた拓郎を前に、彩葉は幸せそうにそっと瞳を閉じた。
―――これからも、一緒に居てね、拓郎。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年05月29日
参加申し込みの期限
2018年06月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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