「これはひどい」
　ブレードマニアは16歳児の乳児と化したツクモの最期を見届けた。
　全身にモザイクが掛かって『お見せ出来ないよ！』状態の彼女に、ナムサンと別れを告げる。
「やはりコケシは破壊しなければ……」
　ブレードマニアはナイフカラテを構えた。
　そこへ遅れてやってきたのは魔法少女プリズム★マキナだ。
「これが御神体の正体……！　可愛いけど、可愛くない！」
　彼女は狂っていた。
　狂っているので御神体の影響かを最小限度で抑えることが可能！
「さあ、醜い争いはやめて……！　さもなくば、撲殺した後に性的に喰うわ」
　血に濡れたマジカルステッキが、ここまでの壮絶な戦闘（性的な意味で）を物語る！
「雑魚ニンジャじゃ１分も耐えきれずに果てていったわ。あなたたちなら、満足してさせてくれるかしら？」
　こいつ、ただの通り魔じゃねーか！
「だいたい、そんな可愛くない大人のオモチャで私を御するなんてチャンチャラおかしいのよ」
「謝って！　マーラ様に謝って！」
　これに眷属であるラブが激怒！
「ほら、マーラ様喋ってるじゃん！　ギンギンの突きとかどうとか言ってるじゃん！　ヴィィィィンの行間を読めよ！！　たたり生唾の怖さわかんねーのか！」
「いや、何を言ってるのかちょっと分からないわ」
「やっぱアンチかてめー！　ん？　ほうほう！　ふひひひ！」
　ラブが急に御神体に向かって謎の会話を開始。
「どうした、桜庭？」
　ラブの背後から出てきたヤガ＝ミン。
　その姿は全裸だった。
「おっと、幻影ホログラムが解除されていた」
　ヤガ＝ミンが指パッチンすると、八神の身体にセーラー服の幻が出現した。
「俺は今、魔法少女だ。当然、御神体を視れば興奮する。その証拠に、俺はこの騒動が始まってから、全く衣服を身に付けていないままビンビンで出歩いていたんだ。幻影の下の全裸を視られていると思うと、思わず葉っぱなんて食い千切りたくなったよね（笑）」
　お分かりいただけたであろうか？
　彼は御神体を増やすだけではなく、最初から全裸で神殿内をビンビンで闊歩していたのだ！
　あのマッパニンジャでさえ、メンポを付けていたというのに！
「チラリの美学も好きだが、文字数が足りないのでな？（真顔）」
　こいつはイカレてやがるぜ！！
　御神体を実体で量産するしよォ！！
「納得いかぬわー！」
　地中から股間のドリルで掘削して飛び出すニンジャの姿！
　当然、全裸ネタの尾鎌 蛇那伊こと漸羅だ。
「実は今まで固有結界触手庭園でこっそりこの軟体動物の触手に紛れて、我は魔法少女にイタズラしていたのだが！　やべー奴だと言われたかった！　だが、そんな飛び道具使われたら我のキャラが薄くなるだろうがぁ！」
「いや、何を言ってるのかちょっと分からないな？」
「分かれよヤガ＝ミン！　分かりみしかないだろ！！」
　血の涙を流すマッパニンジャの漸羅。
　もう何というか、その、ご愁傷様？
「はいはーい！　マーラ様は『この際、男のケツでも構わん（キリッ）』と仰ってまーす！　オラッ！　先端をツバで滑りよくしてやるからチカラ抜けよドラァッ！」
　ラブの触手が漸羅の身体を掴む！
「ヌゥー！　止せー！　ヤメロー！」
「駄目です！　いい声で鳴いてみろよぉ！　セイハッ！」
「アッー！！」
　現実は残酷だ。
　漸羅の体内に聖なるコケシが挿入された瞬間、その身体が光輝きだしたではないか！
「ヌゥ！　タダでやられるわけにはいかぬ！　固有結界『触手庭園』アンド義雅怒利瑠駆辣射（ギガドリルクラッシャー）！　更に両手をドリル化して２倍！　両足をドリル化して３倍！　触手もひねりを加えて16倍！　腰を振れば32倍のドリル無双じゃあああ！」
　おのれのニンジャチカラを高めた漸羅、ラブの触手を引き裂くと祭殿内で屁を推進力にして暴走開始！
「くそ！　祭壇を守れ、ラブ！　闇魔法『内なる鏡』！」
　説明しよう！　ヤガ＝ミンの闇魔法はネット社会の闇と言っても過言ではない！
　この場にいるすべてのニンジャ・魔法少女たちの性癖をクラウドデータとしてアップ！
　島中のネットワークで無差別配信するジゴクめいた魔法だ！
　直接ダメージはないが、今ごろ、神殿の外では社会的地位は抹殺されている！
「そんなの酷い！　可愛くない！」
　マキナがヤガ＝ミンに飛び掛かった！
「マジ狩る★キャメルクラッチ！」
「ぎゃああああああ！？」
　ヤガ＝ミンの背骨が粉砕！
「マジ狩る★コブラツイスト！」
「のおおおおおおお！？」
　ヤガ＝ミンの肩甲骨が粉砕！
「マジ★狩るブレーンバスター！」
「あべしっ！」
　ヤガ＝ミンの顔が半分に潰れた！
　しかし、魔王マーラの力を組んでいるヤガ＝ミンの再生力はなかなかのものだ。
「し、死ねない……！　魔王マーラの力が強まって、俺も不死身になりつつあるのか？」
「ＺＥＮＲＡ！」
　ドリル６連アタックがヤガ＝ミンもろともラブを貫通！
「「アバババババーッ！？」」
　即死級の一撃でも、すぐに復活するヤガ＝ミンとラブ。
「頼む、もうやめてくれ、死なせて、くれ……」
　ヤガ＝ミンは心が折れてしまった。
　そこへマキナがヤガ＝ミンを抱きかかえて満面の笑み。
「ちょっと味見してくるわ」
「待て、それだけは！　誰か、早く俺を殺せ！！」
　だが、これはインガオホー。
　悪事を企てた黒幕に相応しい最期であった。
　物陰からマキナとヤガ＝ミンの声が聞こえる。
　先程から、どすん、どすんと衝撃音も一緒に。
　これ、ヤガ＝ミンが爆発四散しないか不安なんだけど。
「おら、気持ちイイって言ってみろ、ヤガ＝ミン？」
「ンギモッヂイイでず、マギナざん！」
　……えっと、この騒動が終わるまで、ふたりの声はミュートとさせていただきますね？

＜八神 修・小田切 巻奈：完食（物理）＞