【星幽塔】キングオブザ星幽塔～あの星を掴め！｜リアクション

【星幽塔】キングオブザ星幽塔～あの星を掴め！

　世界樹も中ごろを過ぎ、下を見るのが怖い状況になったころ。
「あれっ？　なんだろ？」
　大きな洞の中にギラッと光るものを見つけ、メリィは目をぱちくり。
　その光が動いた。
　次の瞬間、羽音と共に、巨大な嘴がメリィを襲う！
「おぉ、なんだ。鳥さんかあ……ふふん。あたしの目を突こうなんざ１年早いんだから！」
　１年でいいの？　と突っ込みたくなるが、メリィは素早さを生かして軽やかに身をかわした。

　ティオレは頭のゴーグルを装備する。
　怪鳥に目玉を食われないようにするための装備だ。それで目を守りつつ、持参した笛を吹いた。
　ピイイイイイイ！
「うわ、何それ？」
　メリィが目を丸くして、思わず耳を押さえた。
　怪鳥は急に羽ばたき、ティオレから遠ざかる。
「この種の鳥は特定の音を嫌がるはずなの」
「それで笛かあ」
　ティオレは怪鳥を一気に引き離した。

「怪鳥は食べたらおいしいかな？」
　アリスはその様子を、祝賀会での料理を思い浮かべながらキラキラした目で見つめる。
「うーん、食べる気ですか？　でもおいしいかは気になるです」
　動物好きな美咲紀はちょっと悩む。
「一般に肉食動物の肉はあまり美味しくないと聞くな」
　修が答えた。
「その杖、登るのに邪魔じゃない？」
　美咲紀の持つ片手杖を見てアリスは首を傾げたが。
「落下防止なのです」
　美咲紀は自分を世界樹へ軽く押しつけるようにアンダーバースト的な風を起こした。
「風の力で樹の幹にくっつくような感じ？」
　アリスが感心する。
「あ、戻ってきたのです」　
　一旦逃げ出した怪鳥が戻ってきた。
「食べられたくなければ帰ったほうがいいのです！」
　美咲紀は杖を振り、魔風の光を使った。
　光は深緑色の観葉系蔓性植物な形状で杖に巻きつき、装飾のように一体化するのだった。
　風に飛ばされ、怪鳥は再び飛ばされていった。

　なかなか目玉をつつけず不満そうな怪鳥だが、どうやら気になる獲物を見つけたようだ。
「怪鳥……って、目を狙うどころか、ぼくを捕食しようと来るんだよー！」
　大きめのリスにしか見えないバナーテイルが飛びあがった。
「こうなったら、あいつが首を伸ばしてきたら、１周してアイツを自爆させてやるんだよー！」
　かわいらしいバナーテイルに、怪鳥の嘴が迫る！
「あ……」
　危ないところで左右に回避行動する。
「避けるに決まってるんだよー！」
　バナーテイルが身をかわし、離れたタイミングで。
　バチバチ！
「グアッ！？」
　急に身体に電気が走り、怪鳥は驚いて逃げていった。
　亮が雷神の腕輪の電撃を使ったのだ。
「ふうー、助かったんだよ」
　怖さで逆立っていたバナーテイルの尻尾が元に戻った。