【星幽塔】キングオブザ星幽塔～あの星を掴め！｜リアクション

【星幽塔】キングオブザ星幽塔～あの星を掴め！

☆キングオブザ星幽塔～世界樹登り競争

「競争かー！！　うおおーっ、燃えてきた！　燃えてきたよ！」
　虎の獣人メリィ・ランページは拳を握りしめ、傍らのリリエル・エーテライトに声をかけた。
「がんばろうね、リリエルっ！」
「はい、月組のみなさん、がんばリリエルです！　私も魔女の騎星戦がんばリリエルですよ！」
　金髪ポニーテールのリリエルは白い羽を広げて、月組のみんなに応援の声をかける。
「世界樹登り競争へご参加の皆さんは、こちらへお集まりください」
　アナウンスが流れ、メリィは耳をぴこぴこさせた。
「あたし、参加する！　木登りは得意なんだー！　リリエルの応援があったら、いつもの１００万倍力が出そうだよ！」
「メリィちゃんならきっと勝てますよ！」
　リリエルも笑顔で答えた。

「何て言うか、ぼくが得意な感じの種目があるし、がんばるよー！」
　リスの獣人バナーテイル・シートンは身長４０ｃｍほどだが、ファイトは満々だ。
「よーしっ、木登りはぼくに任せるんだよー！　ぼくはリスだよー！　木登りは得意なんだよー！」　
　しっぽをふりふりしながらスタートへ向かうのだった。

「すごいのです！」
　椿美咲紀は世界樹を見上げ目を輝かせた。
「植物大好きなガーデナーの私には、世界樹に登るなんて凄いご褒美なのですよ。ゼヒゼヒそのオドロキの生態を間近に観察したいのです!」
　先端に広げた白い翼がついた片手杖を手に、気分は大高揚だ。
　両手にクロー、スパイクを履いた八神修は、世界樹をじっと見つめ、登り易いルートを分析する。
「こういうイベントは皆が楽しんでこそだが、勝てたら嬉しいな」
　旅鴉月詠は、少し離れたところでのんびりと世界樹を描いている。
「頑張っておいで。私はここでスケッチしているから」」　

「去年は勝ったから、今年も勝ちたいものだねえ」
　ティオレ・ユリウェイスは盗賊の光を宿した自分の両手を見た。　
（今年も勝って祝勝会で飲み食いしまくろうかね。ここんとこ仕事が不入りで少し気が滅入ってるし、気分転換にもなるだろうからさ）
　ティオレの仕事は盗賊である。盗賊稼業で身に着けた身軽さは、競技にもとても役立つものだった。
　軽装のティオレだが、頭にゴーグルを載せ軍手をつけている。

「月組の皆と協力して、必ず勝ってやる」
　新田亮はトマオレクッキーをかじっていた。
　【核熱トマト】のパウダー、【金剛オレンジ】のジュースを混ぜて作ったクッキーで、フルーティで美味しい上に攻撃力、防御力、脚力といった身体能力を向上させる優れものだ。
　雷神の腕輪と新緑の指輪を装備した亮の手には、剛糸輪があった。
　大毒蛾の生糸を腕輪状に纏めたものだ。鋼のように固く、武器や防具にもなるこの糸は、任意で飛ばせて体に巻きつけることもできるのだった。

　天使のような白い翼を持っているアリス・ミーティアだが。
「木登り得意！　飛ばないように気を付けて登るよ」
　そう宣言した。
　勝ち負けより楽しんで参加しようと思うアリスは、誰が見ていなくてもズルをする気はない。　
　　

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