全力疾走！　寝子島横断三人四脚駅伝！（第一区間）｜リアクション

全力疾走！　寝子島横断三人四脚駅伝！（第一区間）

　続いて、だいぶ遅れて【蝶】が２位でチェックポイント付近へ登場。
　堅実なルート設定と妨害対策で１位確実かと思われたが、【鹿】のトリックプレイには及ばず！
「ウッソォ？　俺達２位なの！？」
　志波が驚くも、何とか上位を保つことが出来たのは、やはり経験者たる由縁だろう。
「なんにせよ、もうすぐだ！」
　高梨も最後の力を振り絞る！
「あのー、先輩たち？　後ろから何か来るんですけどー？」
　いち早く、後続の異変に気付いた薄野。
　三人が振り返れば、その先には目を疑う光景があった。
「「うぉぉぉぉぉぉぉ！！」」
　なんたることか！
　あれは【猪】チーム！
　ほとんど最下位に近いランクから、驚異の追い上げだ！
　その秘密は、真ん中の千鳥にあった。
　千鳥は今、全身の力を抜いて『人間の形をした紐』の役割を果たしている。
　六月一日宮と御剣が千鳥を抱き上げ、ギリギリ彼の両足を両脇ふたりの足に括り付けて三人四脚を保っているが、実際は千鳥という結束バンドを介して六月一日宮と御剣が『二人三脚』をしている状態！
「あわわわわわわ、ふたりとも速すぎるよぉぉ！？」
　ガックンガックン前後に振られる千鳥をよそに、体育会系のふたりの脚力はすこぶる好調！
　どんどん抜かして、現在３位！
「千鳥！　耐えろ！　あと少しだぜ！」
「ガンバレ、【蝶】チームを抜かしてやる！」
　六月一日宮と御剣が千鳥を気遣うようで気遣わずに全力疾走！
　まさに猪突猛進！
「おぼろろろろろろろろろろろろ！？」
　目を回す千鳥！　限界は近い！
「千鳥くん、ムチャシヤガッテ！」
　志波、【猪】チームの奇策に思わず舌を巻く。
「くっ、抜かされる！？」
「まだ勝負は終わってませんー！　紐を解いて渡すまでが駅伝ですよー」
　【蝶】チーム、僅かな差でチェックポイント到達！
　すぐ後ろに【猪】チーム！
　タッチの差で、【蝶】チームが先にチェックポイントを出発！
　だが数秒差で【猪】チームも出発！
　まさかの【猪】チームの追い上げによって、レースは大混戦だ！

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