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*・゜゚・*:.。..。.:*・゜〇
―― また、眠れない。
ピルケースの中の睡眠薬が役に立たないのは、これで何度目だろうか。
朝鳥 さゆる
は気だるげに体を起こせば、手近にあった服に着替える。
そして最愛の人との隠れ家たるワンルームマンションを出ては、仄かに揺らぐ公園の外灯の方へ足を向けた。
白々とした灯りの下まで来ていたことに気付くと、ハッと顔を上げその光を見つめたその唇から、暫くして息が吐き出される。
いたたまれなくなって部屋を出てきたのに、結局この場所に辿り着く自分を嘲るような吐息。
そこは出会っていた頃の、二人の待ち合わせの場所だった。
公園灯にもたれかかる。
現実に蓋をするように俯き佇んでいると、彼が戻ってきそうな、今にも背後から足音が聞こえて来そうな、そんな錯覚さえ感じた。
―― そんな時が来るはずないのに。
頭では分かっている、分かり切っているのだ。あり得ないと。
それでもここへ訪れたのは、さゆるの本能が彼を求めていたから。
―― あの人は血の繋がった兄妹……いえ、それを超えた存在。
俯いた視線から、さらに瞳を閉じて夢を見るように闇に身を投じる。
走馬灯が如く、彼、『片篠藍人』と過ごした刻が瞼の裏を駆け抜けていく。
実の兄であり、さゆるを永遠に続くかと思われた悪夢から救い出してくれた、否、共に堕ちてくれた人。
肉親としての情は薄く、恋人というには歪み過ぎて……他人として振る舞うには近すぎるその存在を想う。
―― 共依存? 違う、あたしが一方的に依存してるだけ、きっと彼はあたしなんて必要ない。
何度となく身体を繋げた。だからこそ己の心と彼の心が同じ方向を向いていないのだと、溶け合う肌から、纏う空気から、悟っていた。
悟っていたからこそ、傷つけ合い求め合ったのかもしれない。
互いを結び付け合う唯一のものがあるとすれば、それは狂気だと。
他者を喰って自分を喰い尽くす無限の狂気を、迸る熱と汗に沁み込ませぶつけ合い、理解し合った。
もし、再び逢えたなら。
今、ここであなたに逢えたなら。
あたしは藍人に対してどうするのだろう?
廃墟も同然の実家からこの隠れ家に移り住んでから、すでにもう何か月も過ぎているのだ。帰ってこない人を、ただただ待ち続けて。
他者から見れば狂っているのかもしれない。
さゆる自身も狂気と認める、互いを傷つけあう両刃のような想い。
しかしその根幹は、人に触れさせるにはあまりに無垢な心なのだ。狂おしさに押しつぶされそうになる程に繊細な。
逢いたい……逢いたい……逢いたい…………――
もたれていた背中からズルズルと鉛をこするような音をたてて、さゆるは座り込んだ。
どんな痛みも快楽も、この狂気を誤魔化すことは出来ない。
内側から瓦礫の如く崩れていきそうになるのを、必死に押しとどめるかのように己の肩を抱き締め、静かに、すすり泣いた。
どれくらいそうしていただろう。
こんなに感情を溢れさせるつもりは無かったのに。
まだ雫つたう頬に、さゆる自身少し不思議そうに指をあて視線を転じたその時、ぼやけているはずの視界が一輪の花を鮮明に映し出した。
―― ……薔薇? それにしては……。
いつの間にか自分の正面、今はその身を閉じたたんぽぽたちに混じって、一際異色な存在感を放っているその薔薇の色を、さゆるはしげしげと見つめる。
一見、真っ黒なものに見える花びら一枚一枚が、微かな公園灯と月灯りを受ければさゆるの位置からのみ、別の色を浮かび上がらせて見えた。
紺より更に深く、今にも夜の漆黒に溶け込みそうな藍の色に染まった薔薇。風も無いのにまるで手招くようにそれが揺れ動いた気がした。
涙していた事も忘れ、さゆるはそっと近づく。
「……藍、人……」
勿論そんなはずはないことは分かり切っている。
けれど花びらに触れた瞬間、無意識にさゆるの唇はそう紡いでいた。
―― 聞いてくれていたの……?
胸の内でひたすらに渦を巻いて終わりが無いように思っていた言の葉たちを、受け止めてくれていたのかと感じれば、いつしかその瞳から溢れ続けていた涙は止まっていた。
さゆるは愛しそうにその花びらを撫でる。
いつまでも、いつまでも、刻と心が許す限りさゆるはそこから動かなかった ――
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月17日
参加申し込みの期限
2018年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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