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月夜染め
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・゜゚・*:.。..。.:*・゜〇
明るい、けれど太陽のそれには遠く及ばない、儚い月の光に映し出される人影が、
恵御納 夏朝
が眠っているはずの寮自室内に在る。
虫よけスプレーの音がシュッと小さく部屋に響いた後、静かに寮のドアが閉開される音がした。
その人影は寮からどんどん離れていくと、月灯りに誘われるようにしてその足を落神神社へと向けたようだった。
「今日綴るのは外にしよう、って思い立ってみたけれど、正解だったかな。良い月夜だ」
普段の夏朝の口調とどこか異なるそれを紡いでから、境内のベンチへと腰かける。
そして取り出したるは『太陽と月の鍵』。
持っていた魔導書思わせる本の鍵穴にカチリ、とそれが差し込まれた。
開かれたのは交換日記。
慣れた手付きで捲られるページたちの音が、ふと止まる。
ベンチの正面、整えられた茂みにあまりに鮮明に浮かび上がる一輪の白バラが、ページ捲る手を止めたようだ。
人影は一旦日記を閉じて、ゆっくりとバラに近寄ると
「……やぁ。恵御納夏朝……の別人格
【夏夜】
だよ」
夏朝の声で、そう自己紹介した。
そう、それは夏朝自身も認める、もう一人の自分。
片方が眠っている時、時折こうして片方が表に現れては、それぞれの体験や思いを交換日記にしたため共有しているのである。
【夏夜】は、冷ややかに見える瞳を少しだけ細めてバラへと語り掛けた。
「こんな真っ暗な茂みに一輪だけなんて、すごい違和感なのに平然と居る。……まるで僕のようだ」
折角だし似た者同士聞いてくれるだろうか、なんて冗談交じりにバラを覗き込みながらも、【夏夜】の紡ぎ出した言の葉はシンと静まり返った境内に刻まれるように響き渡る。
「夏朝はね……僕と心身ともに分離して、並んで共に過ごしたいと……心の底から、願ってる」
この島で時折起こる不可思議な現象。
その中には、稀にだけれど『夏朝』と『自分』が個々に分かれる事を可能にする出来事もあった。
その度に彼女『夏朝』は本当に心から、共にお互いの姿を視界に捉え、手を取って過ごせるのを喜んでくれるのが伝わって。
けれど、ほとんどがそれは一日のみ。夢か幻のような時間。
「ただ、叶える事でフツウや世界が崩壊してしまう位なら……
諦める予定……では、ある」
その覚悟はとうにしていた。その事を夏朝にも日記を通して伝えている。
―― 高校卒業まで。
それが【夏夜】の考えで決めた期限だった。
分離の方法が見つからないなら、叶わないのなら、卒業までに人格統合する。
分離をひたすらに望む夏朝との妥協点。
「夏朝を生かす為、僕が夏朝の中に溶け込もう、って」
―― そう思うのも本当だ。けど……。
【夏夜】は瞳を閉じた。心の水底の、偽りない己の気持ちにそっと触れるように。
大切な夏朝のための覚悟も本当、だけれど。
「僕は……夏朝が大切だ。親愛的な意味で。……大切な夏朝の願いだから、叶ってほしい」
しっかりと掴んだモノを宿した瞳が、再び開かれる。
「それに……それだけじゃない。僕も……【夏夜】も、この願いを叶えたい。
夏朝と並んで過ごしたい……別の身体で夏朝を手伝いたい、守りたいんだ」
無意識に左手の甲を右手で覆って、思い出すように唇が強く引き結ばれた。
時々、別の身体でないのがもどかしくなる。悔しくなるのだ。
身体は一つだけ。表に出られるのは大抵、夏朝か夏夜のどちらかだけ。
―― 夏朝が大変な時、僕は眠ったまま何もできない。
何度悔やんだか。
夏朝の体にも心にも、傷などつけて欲しくないのに。
それに、たとえ自分が表に出られたとしても体は夏朝のだ。
無理してでも守りたいと思っても、その為の無茶をし深く傷つけば結局夏朝が……。
どうにもならないジレンマを飲み込んで、【夏夜】は夜空を仰いだ。
「……どうして神様は、僕達を最初から双子にしてくれなかったのかな」
そうすれば、僕の意思で、僕の身体で、いつでも夏朝を庇うことができるのに。
何度そう思ってきただろう。
さすがに、こんな事は日記には書けないけれど。
「夏朝は優しいから、僕を想って怒りそうだ」
そんな夏朝だから守りたいんだけどね、と。相槌のように揺れる白バラへ、【夏夜】の口元が一瞬だけはにかんだように見えた。
「……聞いてくれて、ありがとう」
【夏夜】はすっと立ち上がった。
まだ書いていない事に気付くも、あまり気にすることなくベンチから日記を持ち上げる。
良い月と綺麗なバラに出会ったよ、とでも戻って書けばいいかなと思案しながらも、冴え冴えとした月の光と夜の空気が、先程よりも少しだけクリアに感じられる気がして自然とバラへ感謝を述べていた。
それじゃ、また……。
会えたらいいね、そう願った背中を見送った白バラが星々に見守られる中で、徐々に色味を帯びていく。
月光色から、大地を優しく包む温かな植物色へ。
それはまるで太陽と月の、日光と月光が出会って交わったような、明るくも淡い黄緑色を讃えるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月17日
参加申し込みの期限
2018年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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