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*・゜゚・*:.。..。.:*・゜〇
「やっべーおそくなっちゃったなー。お月さんまでのぼってんじゃんっ!」
時間があればついつい足を向けてしまう、大人の知らない秘密のお店から出ればすっかり夜空になっているのを見上げ、
源 竜世
は足早に家路を目指した。
あそこだと修行が捗るから、時間忘れちゃうんだよなーなんてぼやく手の中には、竜世の相棒たるスターライトナイトの姿。
修業とはつまりカプギアバトルのこと。
やればやる程、どんどん息が合っていく気がして今日もすっかり夢中になっていたわけである。
「ん?……あ、タイラだ!」
人も少なくなってきた夜道、月に照らされた金の糸が視界に捉えられた瞬間、竜世は考えるより先にその名を口に出していた。
―― この声はトリ頭……。
己の後ろの方から聞こえた声音、振り返る事もせず
タイラ・トラントゥール
は心の内ですぐその姿を浮かべていた。
いつも隣りで、何度も何度も向けられてきたその声。
すっかり聞き覚えてしまった自分にそっと溜息を吐きながら。
「タイラも今帰りなのか? おそくね?」
「習い事の帰りだ、いつものことで別段遅くもない」
「そっかー。オレ、修行の帰りなんだけどさ。そう! 今日は技出したらすっげー感じになって! スターライトナイトがっ、………」
「……? なんだ、どうした」
「アレ何だ?」
勢いよく喋り出した竜世に、こっちは何も尋ねていないのだがと辟易した顔を向けたタイラも、カプギアの話になれば少し耳を傾けて。
……傾けた瞬間、竜世が突然口を閉ざした。どこか一点を見つめているのに気付き自分の肩越しに振り返ってみる。
「1こだけ違う花がある!」
「え、あっ、おい話は途中だぞ……!」
一方的に話し出したくせにまた一方的に止めるのか!
と、突っ込みながら走り出した竜世をつい追っかけるタイラ。
どうやら見つけたという花の前でしゃがみ込んだ様子の竜世の、真後ろまで来れば『急に花に意識向けたり忙しない奴だ』とぶっきらぼうに言葉を投げた。
「まっしろでキレーだなあ。修行うまくいったしタイラと会ったしめずらしそうな花見つけちゃったし、
何か今日はいい日だな!」
「……薔薇、だろそれ。特に珍しいわけでは……」
気にするでもなく竜世らしい、素直すぎる言葉に一瞬固まるタイラであったが。
ふと、こんな所に簡単に咲くものだっただろうかと考えて、タイラは首を傾げ出した。
そんな彼を他所に、竜世は今度はタイラへでは無い方向へ、まるで当然のように言葉を紡ぎ出す。
「あ、花はタイラ知らねえもんな。えっとな、そこのソイツのことなんだけどさ。
スターライトナイトが人になったのも信じねえし、ガンコだし、時々ホントにヤな言い方すんだけどな」
コイツバラに語りだしたぞ!? 大丈夫か……? と微かに心配した矢先、ぽんぽん飛び出てくる自分への遠慮のない言い様。
タイラは反射的に言い返そうと口を開きかける、が
「でもさーいいヤツなんだよ」
竜世が、心からそう思っている声色。
あっさりそう判断できてしまうと、ツッコみかけた言葉がタイラの喉の奥へと仕舞われる。
「もんく言うくせにいっしょにきてくれて、いっぱいいろんなとこ行ったんだぜ。
タイラと遊ぶの楽しいからオレ好きなんだー」
―― ……一体なんなんだ、コイツは!
本人に向けて述べているのでは無いからこそ、聞こえてくる単語の破壊力は増すものである。
楽しい、好き、と当たり前のように自然と放つ竜世の背中側で、わなわなと心震わせ頬を赤らめるタイラの姿。
ストップをかけることも立ち去ることも出来ず、立ち尽くしているタイラのそんな心境にはとんと気付かず、まだまだ竜世は語る。
「でも一番はバトル! バルティーグルとタイラと向かいあってたら、ぶわわって足元から何か上がってくるカンジ!
わかるか!? すっげーワクワクするし楽しいんだよ! 他のヤツとのバトルでももちろん同じみたいになるんだけどさ。
最初に教えてくれたのはタイラだから、特に負けたくねえの。だからタイラはオレのライバルなんだ!」
―― そんなこともあったな。
バラ相手に語る竜世の言葉から、まるで遠い昔を思い出すようにタイラはふと思いを馳せた。
負けたくないだって? あの日が初バトルな、完全に初心者だったくせに……。
なのに負かされた。所詮玩具だ、と思っていた物へあまりに湧いた悔しさを思い出す。
「そんで……あのな、これはタイラにはナイショだけど」
ん……?
自分が居ることなどお構いなしに、そんな言葉を紡ぐ竜世に気付けば回想から戻って来たタイラ少年、
『まったく何でボクが気を遣ってやらなきゃ……』とぼやきつつも何となく竜世から2歩、3歩と距離を取った。
ナイショと聞いては。普段明るい竜世にも、人知れぬ顔があることをもう知ってしまっているがゆえに。
やっぱりそんなタイラの行動には気付かず、竜世は先程より一層頬をやわらげ目を細め、バラへ発する。
「箱ん中であったかやさしかったの、ああいうとこも……わりと好き。ちゃんとライバルでいてくれるんだ」
かわいそう、と言われるかと思った。
先程まで高揚していた気持ちが、あの時の事を思い出すと一瞬ぎゅっと何かに押されたような苦しさを生むも、脳裏にあの時のタイラの言葉が響けばすぐに温かさで満たされる。
返ってきた言葉は、タイラらしい、悪態なのにどこか温もりをはらんでいたモノで。
対等な思いで隣りにいてくれる、受け止めてくれる、それがタイラの優しさなのだと実感できた。
紡ぐ程にポッポッと胸が熱くなる感じが少し照れくさくなって、『いみわかんないこともいっぱい言うけどな!』と、竜世は最後は大きな笑い声を混じらせる。
そうして細めた瞳を戻して、再びバラへ視線落とした竜世のアンバーの色に、突如白がサァッと染まる姿が映し出された。
「……っうわ! タイラ見てみろよ花の色が変わった! すげー! おしゃべりしたら変わるのかな? って、あれ……タイラー!?」
我に返った竜世が、呼びかけに応じない金の糸な髪を探し振り返る。
と、何やら少し離れたところにしゃがみ込んでいるタイラの姿が。
近寄ってみると、その耳が鮮やかに赤くなっているのが見えるかもしれない。
―― 内緒話を そんな 大きな声 で 話すな …… !
そう。
聞こえないよう距離を取ったはずが、予想以上に竜世の声量が大きく、全て、ばっちり、タイラの耳に聞こえていたのである。
聞くつもりの無かった内容が自分の意思に反して聞こえてしまった途端、どうしようもない羞恥に襲われまるで身を隠すように咄嗟にしゃがみ込んでいたのだ。
―― 本当にっ、なんなんだアイツは……!
半ば八つ当たりのように、気持ち落ち着かせようともがいていたところへ、竜世からの再度の呼びかけが耳に届けば、ようやくタイラも顔を上げた。
見ろよ! と身体をどかし手で指し示された先に露草色を向けると、そこには先程のバラであって明らかに異なった姿が映し出される。
「色が変わっているだと!?」
身を起こし慌てて竜世とそのバラの下へ駆け寄った。
真っ白だったバラ。
それが今や、夜の暗闇の中であるはずなのにそこだけ陽だまりが舞い込んだように、明るく温かな山吹色を花びらに讃えていた。
―― 竜世、の、色……。
直感でタイラにはそう感じられた。
あのどこまでも突っ走っていきそうな瞳の中に、いつも射している光の色だったから。
「……なんだこれは? また夢か?」
「あ、あっちにも同じ花がある! タイラもちょっとしゃべってみろよ! きっとキレイな色になるぞ」
「わっ、ばか! 押すな!」
その色に思わず見蕩れていたのを誤魔化すように呟いたタイラに、被さるようにして竜世の興奮した声がかかる。
指差された方向をタイラが見ると、確かに先程竜世が語っていたバラの、最初に見つけた時と同じ真っ白なバラがまたポツンと佇んでいた。
「分かった、行ってみるから押すな。あと、オマエはついてくるなよ」
「えー! そしたらオレ、色変わるところ見れねーじゃん!?」
「そこからの距離でも、充分花は見えるだろう。……いいか、絶対、近くに来るなよ」
「ん~分かった」
渋る竜世も、真剣に威嚇されれば潔く返事をする。
白いバラへ近づき、一度確認で振り返るタイラだが、竜世はちゃんと約束を守ってそこから動かないでいる様子に、二度振り返る事はしなかった。
―― 語れば色が変わる? アイツの事で綺麗な色になるはずなど……。
素直に語るつもりなど、本当は無かったはずだった。
少し、このバラ自体の疑問を1つ2つ口にしてみて、『ほら白いままだ』とでも竜世に伝えてそれで終わりにするつもりだった。
「ボクといて楽しいだと? 好きだ……など……」
しかし、ずっと竜世の語りを聞いていた影響だろうか。
気付けばぽつり、ぽつり。淡く光るバラの前で粛々と、タイラの口を言葉たちが動かしていた。
「アイツはいつもボクの予想外な事ばかりする。だから目が離せないんだ」
誰にも負けるつもりなどない。
ボクだって、竜世には負けたくないと誰よりも思っている。だが……――
約束守ってこちらに近づくことなく、しかしどこかソワソワと。落ち着きなくあちらのバラ周りを行ったり来たりしているらしい竜世の気配を、背中越しに感じればタイラは観念した微笑をバラに見せた。
「アイツの無謀な戦いについ手を貸してしまうのは、竜世の負ける姿を見たくないのかも知れない……」
ボクの感情はボクだけのものだったはずなのに。
いつの間にか、突き動かされるのは竜世が関わった時なのだと、出会ってからの思い出が脳裏を駆け抜ける。
「あんな奴絶対に認めてなどやるものかと思ったのに。
……いつの間にか何気ない言い争いを楽しいと感じていて、ボクに寄せてくる信頼が心地良い……」
今でも癪であることに変わりはないのだが、と一瞬苦々しい表情浮かべるも、すぐにそれも打ち消されて。
「まだ友とは呼べない……けれど、」
一度区切って、息が零れ、そして大きく吸われる。
「ボクのライバルだと思ったことは、認めてやってもいいのかもしれない……」
紡ぎ切った瞬間、すとんと、自分の内でも何かがしっくりきた音がした。
ふぅ、と瞬きをしたその先で、白バラが嬉しそうに風に揺れたかと思うと中心から一気にその色を染め上げた。
「あ……」
「もうかわった? 色どんな!? どんなになった!?」
野性的直感か、居ても立ってもいられなかったというスピードで、竜世がタイラのすぐ真横へ駆けて来た。
その琥珀の瞳もすぐに鮮やかな色を捉える。
澄んだエメラルドグリーンに光る花びらを。
浅瀬の海面が降り注ぐ陽射しを吸い込んだような、温度に揺れる波間色。
―― すげー……
どうしてだろう。
その色を見た途端、とても嬉しくて、幸せで、切ない気持ちになって、竜世は無意識に胸を抑えた。
「ん? なんだか顔が赤くないか?」
「な、なんでもねー! ってか、すっごいキレーじゃん! タイラなに話したんだー?」
「そ、それは……、ふん。トリ頭にいつも苦労させられてる、といったことだ。中々聞き上手なバラだったな」
「オレの悪口じゃね!? えっ、それでこんなキレーになんの!?」
暫し驚きを浮かべていた表情をすぐに引っ込ませ、いつもの調子で言葉を投げ合うタイラと竜世。
どこか、嬉しそうな色をその瞳たちに宿しているのだった。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月17日
参加申し込みの期限
2018年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年04月24日 11時00分
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