やきゅうしようぜ！！｜リアクション

やきゅうしようぜ！！

＜９回裏＞

　もうひとつ、負けられない戦いがあった。
「高杉、ようやくだな」
　響がバットを外野へ掲げる。
「試合の勝負はついた。ここを抑えれば、俺たちの勝ちだ。あとひとり、お前を抑えればな！」
　のののナインは１点を追う試合運び。
　ツーアウト、ランナーなしの絶体絶命。
　高杉はバッテリーを組む樹のサインを待つ。
　サインは、ド真ん中！
（オーケー！　乗ってやる！）
　高杉、全力で振りかぶって、投げた！
　ボール！
　響、冷静に選球。
　狙いは、相手がしびれを切らせて投げ込むストレートか？
　高杉、二球目投げた！
　今度はカーブ！
　これはストライク。響、全く振らない。
　やはり狙うべき球種があるのだろうか？
（なんだあいつ？　全然振ってこねぇ……）
　高杉は此処でフォークボールを選択。
　三球目、やや速度を落として投げた！
　ぶんっ！
　今度は響、思い切り振った！
「まだまだ！　こいっ！　高杉！」
　おおっと、ここで予告ホームラン！
　ツーストライクからのこの行動、恐らく、次の投球が最後になるかもしれない！
　高杉、此処は敢えて挑発に乗る。
　全力のストレート、ド真ん中！
　四球目、投げた！
「すべてはこの時の為に！」
　ガツンッ！
「馬鹿な、打たれた！？」
　だがこれは詰まった当たり！
「任せて！」
　だが樹が立ち上がり、難なくキャッチャーフライ！

　ゲームセット！

　４対５で、のののナインは敗北した。

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