R&R Agency：file2-01：落神伝説レポート｜リアクション

R&R Agency：file2-01：落神伝説レポート

● エピローグ

　その日の夕方、エージェントたちはそれぞれの成果を手に、リンコ・ヘミングウェイが待つシーサイドタウンにあるＲ＆Ｒの事務所に戻ってきた。
　図書館組のさゆると綾花も合流した。
「全部は読み切れなかったけれど」
　さゆるが綺麗な字のレポートを机に置いた。それに重ねるように、綾花も落神神社についてのまとめと、古文書のコピーに綾花が読めた範囲での翻訳をつけて提出する。
「神々の戦いがあった、って書いてある古文書のマイクロフィルムも見つけたんですよ。司書さんに言って、複写してもらってきました」
　皆もそれぞれ調査結果を話すと、修があっという間にノートパソコンで打ちこみ、まとめた。

「手書きより早いし俺には楽だ」

　プリントアウトされたレポートを受け取ると、梨香は言った。
「詳しい考察はまた後日にしましょ。まだ、調べたいことがあるの」
「さらに文献をあたるのであればお役に立てると思いますが……なにかお手伝いしましょうか？」
　綾花が申し出ると、梨香はいいわ、と首を振る。
「調べたいのは文献や資料じゃなくて、盗まれた落神像の行方よ。もしかしたら昔のつてで調べられるかもしれない。――分かってる、独り占めなんかしないわよ」
　梨香は一同を見回した。
「時間を頂戴。なにか判ったら連絡するわ。きっとあなたたちの力が必要になると思うから」
　そういうと、梨香はエージェントたちに報酬を支払った。
「今日はお疲れさま、ありがとう」

　それぞれが引き上げていく中、最後に残ったのはあやめだった。
　残業の梨香とリンコを放っておけなかったし、久しぶりにリンコとゆっくり話したくもあった。
　夜食用のおにぎりやお茶を用意し、今日のレポートに分かりやすいようにラベルを張る。
　ひとつひとつ興味深く資料を読み込んでいたリンコは黒髪を耳に掛けて微笑む。
「ありがとう」
「いえ。得意ですから。ところで、リンコさん……」
「なあに？」
「以前から思っていたんですけど、リンコさんにとって私達もれいびってどんな存在なんですか？」
「どんな存在……？」
　咄嗟に答えが見つからなかったらしく、リンコは顔を上げ、あやめの方に向き直った。
「いえ、シーノ時代から実は気になっていたというか……一般人……という訳ではないですがフツウの人から見たら私達はどう見えるのかなって気になりましてね」
「どう見えるのか？」
　問い返されてあやめは少し不安になる。
「……正直に教えて欲しいです」
「そうねえ……」
　リンコはあやめを見、それから梨香のことを一瞥した。
「面白い人たち、かしらね」

＜了＞

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あとがき

担当マスター：笈地行
ファンレターはマスターページから！

ご参加ありがとうございます。笈地です。

今回は、これまでとこれからの狭間のようなシナリオでした。
今回のシナリオを読めば、らっかみ！１ｓｔシーズンの流れがだいたいわかる（？）ようなものに
なったのではないかと思います。

正直、書き始める前は、いままでのまとめだしすぐできるかな、なんて思っていたのですが、
みなさんが挙げていただいた懐かしいリアクションを思わず読みふけり、
そういえばあんなことあったなーと想い出に浸り、とそれなりに時間がかかってしまいました。

さて、Ｒ＆Ｒは新たな展開を迎えます。
ぜひ次回もご参加ください。笈地でした。

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