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天舞寝子杉
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「雨を……促す、……歌や舞の祭事?」
冬樹 闇
は、本来ならば人前での歌や舞などはあまり得意ではない。
控えめで恥ずかしがり屋な性格なのだ。
しかし、今回ばかりはそうも言っていられない。
水に関係する地場の異変、さらに邪気を払う必要があるかもしれないとなれば
自分も一肌脱がざるを得ないと感じたのだ。
水はすべての生きるものに必要なエネルギー。
なくてはならないものだということを、闇は痛いほどによく知っていた。
いつも通りの神子服に身を包み、水を呼ぶ祭事を執り行うための道具も
山へ持ち込めないかと考えたが
本格的な祭事を執り行うには、準備をする時間も、運び出す手も足りなかった。
仕方なく巫女服にありったけの祈祷を込めて、
ちょっとやそっとの呪詛では破れぬ加護を施した。
できれば、この祈祷が杞憂で終わりますようにと願いながら……。
恵御納 夏朝
もまた、本来ならば人前での歌や踊りは苦手な性質だった。
祭事を執り行ったりもしない普通の高校生であるぶん、
ある意味では闇よりも不得意かもしれない。
けれど夏朝は、自身や大切な人々の日常を脅かすものに、
人一倍の警戒心と敵対心を持っている。
この寝子島のシンボルともいえる大樹、寝子杉が枯れてしまうとなれば、
それは夏朝の日常を脅かす事象に他ならない。
いまなら、まだ間に合う。
そう考えた夏朝は、取るものもとりあえず、自身の手持ちの服の中から
一番着物に近い、三月に使った三人官女の衣装を身に着け、
何事もありませんようにと願いながら寝子杉の下へと向かう。
そんな二人が、今、篝火の前で顔を合わせた。
「あ、あのっ」
「は、はい……」
「僕、精一杯がんばりますので、よろしく、お願いします」
「あ……こ、こちらこそ…」
ぺこり、と頭を下げた闇は、夏朝を見て心の中で考えた。
……かわいい男の子だなあ、と。
肩に付かない短い髪と、ハーフ故にスッと通った鼻筋、
そして僕という一人称が、そう思わせたのかもしれなかった。
一方、闇につられて頭を下げた夏朝も、心の中ではこう考えていた。
……綺麗な女の人だなあ、と。
こちらは、結い上げられた艶やかな黒髪。華奢な身体を包んだ巫女装束。
そしてその衣装に見合った優雅な振る舞いが勘違いを生んだようだ。
同じ2年2組の仲間ではあるのだが、
今日は二人ともいつもの制服ではなく、
三人官女の衣装と、巫女装束に身を包んでいる。
ふたりとも、身長も体重も同じくらい。
差があると言えば武術で鍛えた筋肉量くらいのものだが、
服の上からでは筋肉の具合はわからなかった。
普段冷静な状態の彼らであれば、もしかしたら間違わなかったかもしれない。
だが、今は二人にとっては非常事態だ。優先事項は寝子杉を救うこと。
逆に言えば、それだけ寝子杉のことを心配していたともいえる。
「あの、僕、雨乞いとか、舞とか歌とか、やったことなくて……」
闇の巫女装束を見て、神事に長けた相手だと判断したのだろう。
ご迷惑をおかけするかもしれませんが、と頭を下げようとする夏朝を闇が制する。
神事や祭事に際し、一通りの儀式的な段取りや礼儀が必要なことは闇も理解している。
しかし、それは古来より『神』として成り立ってきた相手に対してのやり方であって、
ここにいる寝子杉は、古くからここで寝子島の民に愛されてはいるものの
その在り方は神とは遠く、どちらかと言えば島の一員としての絆に近い気がするのだ。
そしてこれは闇の神職としての勘だが、寝子杉もそうやって、
人々に近い立場で共存することを望んでいるように感じられた。
もちろん、丁寧に接されて嫌な気持ちになる人がいないように
できるのならば礼を尽くすに越したことはない。
けれどそれがないからと言って、腹を立て狭量にも心を閉ざしてしまうような
そんな相手ではないと思うのだ。
だから、夏朝は夏朝なりに寝子杉を思う気持ちを込めればそれでよいのだ、
神事としての礼儀の部分は自分も引き受けるからと、
闇は感覚的には理解し、夏朝を応援していたが、どうしてもうまく伝える事ができない。
「大丈夫。心、込めれば……きっと、とどく」
ようやく絞り出したのは、この一言だけだった。
その一言を聞いて、夏朝は闇が自分とどこか似ているように感じていた。
容姿が似ているとか、声が似ているとか、そういう外見的な話ではなく、
恥ずかしがり屋で、内気で繊細。
胸の奥にはたくさんの言葉が溢れているのに、
肝心な時には喉が詰まってしまってうまく伝えられない。
そして、大切な人や大好きな物・場所は何があっても守り抜く意志の強さがあるのだ。
きっと闇も、夏朝が思うのと同じくらい寝子杉を大切に思っている。
少ない言葉からもそれが伝わってきて、夏朝は不安な心が少し落ち着くのを感じ、
すこし、気持ちに余裕が出てきた。
にっこり笑って夏朝が、頑張りましょう、と闇に声を掛ければ、闇も強く頷き返した。
初めに篝火の間に立ったのは、夏朝だった。
後ろに控える皆からの、あたたかい気持ちのこもった視線を感じる。
自分を応援してくれているだけだと分かっていても、
どうしても恥ずかしさは拭えない。それでも。
どんなに恥ずかしくても、照れくさくても、下手くそでも。
夏朝には今、やらねばならないことがあるのだ。
闇の、大丈夫、という言葉を思い出して、すう、と息を吸い込んだ。
天に雨を降らせてもらえるように、寝子杉を困らせているものを祓えるように、
心を込めて、歌い出す。
夏朝の歌声は、朝と夜の間、
ほんのわずかな時間に輝く明けの明星のように清かな、透明な歌声だった。
ふわふわとした色素の薄い癖毛が篝火の炎に照らされ、淡く輝く金糸のように煌めく。
色白な指先が空を切り、ぎこちないながらも優雅な動きで舞い踊る。
先ほどの内気な夏朝からは想像もできないしなやかで凛とした美しさを目の当たりにして
思わず見入ってしまっていた闇は思った。
……もしかして、あの子、女の子なのでは。
戻ってきた夏朝があたたかな拍手で迎えられ、次はいよいよ闇の番。
少し緊張はするけれど、祭事の一環だと思えば多少は和らいだ。
気持ちが落ち着けばあとは普段から行っている手順通り
一挙手一投足乱すことなく、粛々と祈りの手順を踏んでゆく。
そうして丁寧に丁寧に場を清め整える儀式が終わった時、
闇はついに口を開け、祈りと願いを込めた歌声を紡ぎ出す。
大きな声が出ないぶん、小さくとも柔らかく、それでいて芯のある歌声を。
武術で鍛えた体幹を活かした、力強くゆったりと流れる、水のような優しい舞を。
闇自身の祈りのみならず、夏朝の祈りの分まで、
この場におわす神なるものたちに最大限の礼と感謝と、願いを捧げる。
流れるような闇の舞の美しさ、華やかさ。
武術の心得があるせいか、見た目の華奢さからは想像できない揺るぎない舞。
しかし決して武骨さや無粋さはなく、むしろ気品さえ感じさせるほどだ。
そんな闇の雄渾たる舞を見て、夏朝ははたと気が付いた。
……もしかして、あの子、男の子なのでは。
一大祭事を終え、注目を浴びる中戻ってきた闇に、夏朝が駆け寄る。
おつかれさまでした、とねぎらいの言葉も早々に、息せき切って質問を投げかける。
「えっと、間違っていたらすみません。
もしかして冬樹さん、ではなくて、冬樹君、だったりしますか……?」
夏朝の質問に闇は目を丸くしたが、ちょうど良いとばかりに自分も尋ね返すことにした。
「そういう君は……かわいい、女子……だった?」
今度は夏朝が目を丸くする番だ。
一瞬時が止まったような沈黙が降りた後、
ふたりともお互いに同じ間違いをしていたことに気が付いて、
顔を見合わせてくすくすと笑い合う。
長い祭事を終えた空は、いつの間にかうっすらと曇り始めていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
白丸 あこ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月20日
参加申し込みの期限
2018年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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