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天舞寝子杉
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「お供え物に篝火まで焚かれちゃって、
本格的な雨乞いになってきたですね~」
猫屋敷 姫
は、一斗缶の中で燃える炎を眺めて楽しそうに笑った。
「それじゃ、私からはこれをお供えしましょ。
ウチのお爺さんから頼まれたものです」
姫が取り出したのは、透明な液体が入った二本の日本酒の瓶。
一本にはお神酒が、もう一本には三夜湖で汲んだ水を
寝子島神社で清めたというご神水が収められている。
そんな姫の様子を見て、
夢宮 瑠奈
が申し訳なさそうな表情を浮かべる。
「あたし、踊りと歌のことに必死で、お供え物まで気が回らなくて……
なんにも、持ってこられなかった」
これじゃ、寝子杉はお願いを聞いてくれないかもしれない、と。
始まる前から肩を落とす瑠奈を見て、
姫はわざとらしく大きな声で独り言を言い始めた。
「あー! 困ったなー!
二本の瓶で両手が塞がってて、荷物の中の稲穂をお供えできないですー!」
え、と姫を見る瑠奈にちらりと視線を送り、姫は独り言を続けた。
「神様にお頼み申すのだからとお爺さんが持たせてくれた大事な稲穂なのになー!
助けてくれたらきっと寝子杉もお願いを聞いて下さるはずですー!」
「あ、あのっ」
妙に説明的な独り言を言い続ける姫に、瑠奈は思い切って声をかけた。
「て、手伝い、ましょうか……?」
「ほんとーですかぁ!? 助かりますー!
では私の荷物の中から稲穂を出して、
一緒に寝子杉にお供えしてもらってもいいですか?」
「は、はい……!」
失礼します、と声をかけ、瑠奈は姫の荷物の中から金色の稲穂を取り出した。
姫は両手に酒瓶を、瑠奈は稲穂を大事そうに捧げ持って、二人そろって寝子杉に供える。
「これで、瑠奈さんも寝子杉にお願いを叶えてもらえるですね」
「あの、……ありがとう」
姫の気づかいに瑠奈が礼を言うと、
姫はなんのことかわからない、といわんばかりの表情でとぼけて見せた。
「私はお供えを手伝ってもらっただけです。お礼を言うのは私のほう。
さ、歌と踊りの準備にとりかかるですよ」
篝火の揺らめく炎は、まるで舞台を照らすスポットライト。
篝火の放つ熱気は、すこしだけ、ステージを見に来たお客さんの熱意を思い起こさせる。
ふたつの篝火の間、雨乞いのステージに立って、
瑠奈は今日のステージのたった一人の観客、
樹齢千年を誇る寝子杉と正面から向かい合った。
長い長い千年の時を、寝子島の人々と共にすごしてきた寝子杉。
そんな寝子杉と、その上に広がる青空に届くような歌と踊り。
まだアイドルとしての経験が浅い瑠奈にしては、
あまりに壮大な舞台が用意された気がして、考えれば考えるほど足が震える。
緊張と不安と恐怖。そして、少しの興奮と期待だ。
大きな舞台を目の前にして、心が踊らないアイドルはいない。
例えそれが未知のステージであっても、輝きを届けたい誰かがいるなら
少しでも力になれることがあるなら、精一杯の願いを込めて歌うのがアイドルなのだ。
寝子杉の遥か上空、蒼穹の空を見上げて、上を向いたまま瑠奈はそっと目を閉じる。
あの青い空の恵み、命の源である水の根源が、
寝子杉の上にその姿を見せる様子をイメージする。
あとは、思いの丈を歌に乗せて、
寝子杉に、そして寝子杉の上空に広がる空へ届けるだけだ。
目を開ければ広がる青空。よし、と小さくつぶやけば、自然と背筋が伸びた。
「私の感謝と、願いの気持ち。聞いてほしいの……」
流れ出す曲と共に、瑠奈の唇からは自然と歌がこぼれだす。
青空の下、育まれた青い星と空からの青い恵み。
長く続く奇跡のような営みと、
その再来を望む気持ちを強く強く込めた『青』という曲だ。
しかし、思いを込めたとはいえ、歌だけでは雨乞いとしては少々物足りない。
そう考えた瑠奈の身体は、自然とリズムをとってステップを踏み出した。
瑠奈はアイドルではあるが、ダンスは本当のところ、
あまり得意だと思ってはいなかった。
瑠奈よりもダンスのうまいアイドルはたくさんいるし、
そんな不完全なダンスを人前に晒すのは、
皆がアイドルに抱くイメージを壊してしまうのではないかとも思った。
けれど、いまここで一番に考えるべきなのは、
元気になってほしい舞台の前の観客、寝子杉のこと。
雨乞いといえば、舞うこともその祈りを届けるためには重要な要素だ。
ひとつひとつのステージにおいて、妥協という言葉は瑠奈の中にはありえなかった。
少しくらい不完全でも、たとえ他の誰かよりうまくは踊れなくても、
今、この寝子杉の前で歌と踊りを披露せよと望まれているのは
他の誰でもない、瑠奈自身なのだ。
大好きな寝子杉と寝子島の皆のために、
この一曲にすべての魂を込めて全力で歌い、踊り、へとへとになった瑠奈は、
ステージを降りた瞬間、背後から見ていた皆の温かい拍手に包まれたのだった。
「うんうん、いい曲だったですねえ」
乾いた地面にちょこんと座り、
瑠奈の歌を聴き終えた姫は一人頷き拍手を送る。
「感謝と願いの気持ち……ですか。確かに。感謝の気持ちは大事です。
ではでは、私も感謝の気持ちを込めて、舞を奉納するとしましょう!」
よいしょ、と掛け声をかけて立ちあがると、
巫女服の裾や尻についた土埃をぽんぽんと払う。
汚れた姿で、舞を披露するわけにはいかない。
姫は巫女ではなく、普段は巫女服なんて着ることもないが
古くからこの寝子島に暮らしてきた一族として、
たまには形から入ることも必要だと考えたのだ。
篝火に照らされ白衣と緋袴に身を包んだ姫は
両手に掲げた神楽鈴をしゃんと鳴らし、寝子杉の前に進み出た。
その場でひとつ、くるりと優雅にターン。
続けて、二度、三度。
古来より、巫女さんの舞う神楽はくるくると繰り返す回転運動らしいとか
雅楽のあのぷぁあ~んと響く音色はトランスだとか
結果巫女さんはみなトランスを踊って神に祈りを捧げるらしいとか、
嘘か本当かもわからない、誰かから吹き込まれたウワサを頭に思い浮かべながら
炎に煌めく鈴を鳴らして拍子をとれば、流れ出すのはメロディアスなシンセサイザー。
斬新にもトランス風に現代ナイズされた雅楽の音色がうねるような旋律となって
あたり一帯にこだまする。
オートマティックに一定の調子を保って刻まれる鼓の音色は
木々の枝葉を揺らすような重低音を奏でるドラムと複雑に絡み合い、
だんだんとそのペースを上げていった。
ついには規則的に刻まれ続けた音の連なりが最高速度に達し、
ひとつのつながった音のように聞こえ始めた……かと思えば唐突にぴたりと止み、
その瞬間に機械じみた声が高らかに宣言した。
『TRANCE KAGURA,
THE DANCING IN NEKOJIMA!!
No.22! AMAGOIIIIIIIIIII!!!!』
宣言された曲名に、訳も分からないままわーっと声を上げ盛り上がる観客たち。
熱狂的な歓声に包まれ、姫はくるくると回りながら曲に合わせて
歌い、踊り、リズミカルに両手の神楽鈴を鳴らしまくる。
その姿はさながら、クラブ通いに味を占めた不良巫女……いやいや、
よく聞けば歌詞の内容は至極真っ当に、寝子島の神に祈りを捧げるものである。
ただ少し、いやかなり、伝え方に姫独自の見解を反映しているだけなのだった。
小気味良い炸裂音を響かせ曲が終わると、姫はふらふらとおぼつかない足取りで
皆の下へと戻ってきた。
「ハァーちょいと回りすぎたですフラフラ~」
最後に、持ってきたご神水を寝子杉の根元にぱしゃぱしゃとかけてみるも、
見上げた空は快晴のままだ。
「憑き物とあらば、お清めになる……と思ったのですが、
どうやら、憑き物のたぐいではないのかもですね」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
白丸 あこ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月20日
参加申し込みの期限
2018年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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