携帯戦記カプセルギア　第三話「共闘、カプギアマスターズ！！」｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　第三話「共闘、カプギアマスターズ！！」

【VS.PINK(1)】

　同じ頃。シーサイドタウン。キャットロード。
　その日、MAKIYUKIこと牧雪人くんのメッセージをうけてキャットロードに集まったのは、工藤歩夢さん、新田樹さん、煌白燕さんの合計三人の女の子でした。
「あれが、PINKだ」
　雪人くんが視線で示したのは、あまりギアバトルになど興味がなさそうな、可愛らしい女の子の姿でした。
　三人は頷き合うと、早速PINKに接触することにしました。
「そなた、ギアマスター、PINKだな？」
「え……？」
　白燕さんの呼びかけに、わざとらしいリアクションで振り返ったPINKは、見れば見るほどギアバトルとは無縁な女の子に見えました。
「たしかに、PINKは私だけど……。あなた達、だあれ？」
　可愛らしく小首を傾げるPINKに、四人は自己紹介もそこそこに本題に入ります。
「じつはあなたのギアがとても可愛いって噂を聞いて、一度バトルしてほしいなって思ってたの」
　まず新田樹さんがそう話を振って、
「ぼくもそうなんだ。きみのギア、とっても可愛いんだって？　ぼくも可愛いものが好きだから凄く興味があるなぁ」
　と、歩夢くんが上手く合わせれば、
「……そ、そう？　で、でも、わたし、ギアのコーデは好きだけど、バトルはあんまり得意じゃないっていうか……」
　と、PINKは躊躇いがちに答えます。
「私もそなたのカプギアと戦ってみたいぞ！」
「……僕も君のギアに興味がある、かな」
　と、そこで白燕さんと雪人くんが畳みかけると、
「……じゃあ、一回だけね？」
　PINKはついに観念して、ピンキーベアと可愛らしくデコレーションされたスマホを取り出しました。
　ギアバトルの申し込みが、PINKからギアマスター達に行われ、彼らがそれを承諾してバトルが始まります。
「それじゃお手柔らかに。行くよ、ピンキーベア！」
　バトル開始直後、最初に動いたのはPINKでした。
　彼女の音声による指示で、ピンキーベアーは両腕を前へ伸ばし――
「グラビティブラスト、発射ぁ！！　……って、あれ、ピンキー、敵さんはそっちじゃ……」
　次の瞬間、ピンキーベアの両腕から放たれたグラビティブラストがすぐそばの古いビルの壁に大きなヒビを入れました。
「え……っ！？　ど、どうして壁にヒビが……！？」
　どうやら何も知らないPINKは、ただただ呆然と言うことを聞かなくなったピンキーベアを見つめています。
「……どうやら暴走が始まったみたいだね。君、不正ツールで、ワクチンを無効化してただろ？」
「……っ！？」
　雪人くんの問いに、PINKさんの表情から血の気が引いていきます。
「……お説教はアトにしよう。まずは暴走ギアを止めなくちゃね」
　ぽつり、と雪人くんが呟くと他の三人も顔を見合わせて頷きます。
「……うむ。あれはまともにうけてはいかぬ武器だな」
「……あんなのが当たったらと思うと怖い、ね。でも、皆で力を合わせればきっと大丈夫……！」
「そうよ。むしろ、私はこういうバトルを待ってた！」
　もとより危険は承知の上でした。
　かくして、早くも暴走してしまったピンキーベアを相手に、４人のギアマスターによる、皆のアソビを守るための戦いが始まります。

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