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【星幽塔】第十階層 『字踊り』の謎を追え!
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◾️5 ロートトジー?
地下三階にて。
スピカを先頭に、一行はさらに進んでいく。
「……それで? 『ゼロ・テクスト』って、一体なんなんだ?」
御剣 刀
の疑問を承けて、スピカが語り始める。
「みんなは、ここに星の数ほどある『本』という物体について、どう考えてるかにゃ?」
一同は首を傾げながら互いに視線を送り合い、それからスピカが言葉を継ぐのを待った。
「たぶん、一般的には、『本』というのは『完成した編み物』みたいなイメージがあると思うにゃ。他からの影響を受けない、独立した『完成品』というイメージにゃ。でも実はそうじゃないんだにゃ。特にこの『本の迷宮』においては」
「どういうことだ?」
「『本』は文字がいっぱい記されているにゃ。その『文字』は、『形』と『音』と『意味』の複合体。この三要素が結びつき合って、『文字』になって、『文字』が並べば『言葉』になるにゃ」
スピカの透き通った声が、迷宮内にこだまする。
この声もまた、分解していけば『文字』が持つ『音』の集合ということになる。
「そして、『言葉』は連なって『文章』になるにゃ。この『連なり』こそが重要なんだにゃ。音から意味へ。意味から文字へ。文字から言葉へ。言葉から文章へ、文章から本へ。そして本から人へ。そして、人から人へ。『本』は、そういう『連なり』の結晶とも言えるんだにゃ」
「その関係が変われば、言葉の意味も変わるってことか」
ルネ・ルージュ・ルルー
が言うと、スピカが大きく頷いた。
「しかも、これは一方通行の関係じゃなく、相互に干渉しあう関係——たとえば、『1+1=2』の2が3に変化すれば、どちらかの1は2に変化しないといけない、という感じにゃ」
「なるほど。文字が持つ『音・形・意味』の要素が変化すれば、別の要素も変化すると」
ルネは納得したように手を叩いた。
しかし、刀はまだ納得がいかないようで、鋭い眼光をスピカに向けた。
「待ってくれ。その『関係の変化』が『字踊り』の正体だったとして、じゃあ、なぜその変化が起こるんだ?」
八神 修
が横から加勢する。
「たしかにそうだ。『1+1=2』の2が3に変化する理由がまだわからない」
恵御納 夏朝
と
椿 美咲紀
が互いに顔を見合わせて、頷きあった。美咲紀の手には謎の杖が大事そうに握られている。
バナーテイル・シートン
、
見帰り沼の コトコ
、
新田 亮
も、スピカを中心とした会話の成り行きをじっと見守っている。
「ここで、『ゼロ・テクスト』が登場するにゃ」
スピカが、静かな調子で言う。一同は次の言葉を待った。
「『ゼロ・テクスト』というのは、都市伝説でその存在が仄めかされている、とある特殊な効果を持った一冊の本だにゃ」
「——特殊な効果?」
亮が問うたが、それをルネが遮った。
「待て。その前にどうにも引っかかる。今、スピカは『都市伝説』と言ったよな?」
スピカは頷く。
「まさか、今あたしたちは、その『都市伝説で存在が仄めかされている本』とやらを探しているとでも言うのか? ……いやあ、まさかね」
ルネは半ば呆れ気味に言った。具体的な原因を取り除くのならまだしも、『都市伝説』を探すとなると、話が一気にキナ臭くなるように思えた。
「……そのまさかにゃ」
「本気か? 多少なりとも当てはあるんだろうな?」
食ってかかるルネを、スピカが猫の手で制した。
「大丈夫にゃ。あるとすれば、この『本の迷宮』の最奥——地下五階だにゃ」
「まあ、一旦、信じるとするが……」
言いつつも釈然としない表情で、ルネは引き下がった。
「で? その『ゼロ・テクスト』ってのがあるとして、それはどんな本なんだ?」
亮が再び問う。
「まだ誰も見たことがないから、想像でしかないがにゃ……『ゼロ・テクスト』は、一言で言えば、『トートロジー』が記された本のはずにゃ」
「ロートトジー?」
コトコが言うが、舌ったらずのためうまく言えない。
「『トートロジー』ね」
横にいた美咲紀が訂正する。
「ろんないみれすか?」
「意味? ごめん、わからないなー!」
からりと笑う美咲紀。代わりに修がその疑問に答える。
「『トートロジー』は、繰り返しの語法だ。『愛は愛だ』とか、『私は私だ』とか、そういう言い回しのことを言う」
「ふうん……。でも『私は私だ』とか、そんなの当たり前すぎない? 何も言っていないのと同じじゃないの?」
「その通りだにゃ。つまり、それそのものにはなんの意味もなさない語法のことだにゃ」
「意味がないの? じゃあなんでそんな本を……」
美咲紀は頭を抱えた。スピカは続ける。
「トートロジーというのは、あまり実用的な語法ではないにゃ。ただ、その存在は極めて重要なんだにゃ」
「重要なの? どうして?」
「『私は私だ』という言い回しが存在することで、『私=私』が成立するからだにゃ。『私=あなた』でもなければ『君=私』でもないにゃ。私は私であり、私でしかない。他の誰でもないと、固定されるんだにゃ」
「ふうん……?」
美咲紀は、わかったようなわからないような、という顔だった。
「トトコはトココれす?」
コトコが訊ねると、夏朝が笑った。
「うん、そうだね。ちょっとややこしいことになってるけど、合ってるよ!」
「うー!」
コトコは満足そうに飛び跳ねた。
「しかし、ひどく観念的な話だな。その『トートロジー』が『ゼロ・テクスト』に記されていたとして、『字踊り』とどう結びつくんだ?」
「これはまったくの想像なんだけどにゃ。例えば『トートロジー』を司る『ゼロ・テクスト』が何かの拍子にズレを起こしていたら……?」
「ズレ……?」
「たとえば『《あ》は《あ》である』という『トートロジー』が、『《あ》は《い》である』に書き換わってしまったとしたら……にゃ」
「おいおい、まさか、この『本の迷宮』の本にある《あ》がすべて《い》に置き換わるとでも?」
「可能性はあるにゃ」
「うそだろ……?」
一同は絶句した。
「この書庫にあるすべての本が、『ゼロ・テクスト』内の『トートロジー』を土台に編まれたものだとしたら——トートロジーが成立しなくなれば、すべての本の『文字』は崩れるにゃ」
「本同士がリンクしていると?」
眉唾だ、とばかりにルネが言う。
「『迷宮』から借りて外に持ち出した本は、貸出期間を過ぎると勝手に書庫へと戻るにゃ。これは、棚と本は紐づけられているからだにゃ。……そういう力が存在する以上、本同士がリンクしていてもおかしくないにゃ」
「それはそうだが……。そのあたりの仕組みはスピカでもわからないんだな」
「恥ずかしながら、にゃ。とにかく地下五階に行って、確かめないといけないにゃ」
その言葉に、一行の歩みはさらに力強いものとなった。
そして、地下四階へ——。
★
迷宮は続く。
「…………」
「…………」
「……そこ、危ないぞ」
「ん……、ありがと」
「…………」
「…………」
一行の口数は減っていた。
薄暗さの中に、うっすらと、他の要素が混じりはじめていた。
それは『妖しさ』とか『危うさ』などと形容されるものだが、それだけでは言い表すことのできない『何か』が感じられた。
自分の足場が揺らぐような。自意識が自分の外へと溶け出していくような。
この手を離したら、谷底までまっしぐらというような——そんな感覚だった。
一言で言えば『不安』。だが、それは言葉以上に複雑な模様を描いていた。
「体調のすぐれない人は言ってほしいにゃ」
スピカが言ったが、誰も手を挙げることはなかった。ここで挙手すれば、当然今まで来た道のりを引き返すことになる。
『不安』に蝕まれた心は、このまま進むのと、今すぐに引き返すのと、どちらがマシかを判断するには弱すぎた。
一行は結論を『先送り』にするというかたちで、結果的に『このまま進む』ことを選んだ。
★
「あ……。動物」
夏朝は、立ち並ぶ書棚の中に『動物』の棚を発見した。
「動物コーナーが気になるのー?」
シートンが訊ねると、うん、と夏朝が頷く。
「じゃあ、行こう。ぼくも見たかったからー」
「ほんと? やったー!」
夏朝とシートンは連れ立って、『動物』の本が並べられた棚へと歩み寄った。
その中の一冊を無造作に手に取り、開いてみた夏朝は、思わず仰け反った。
「うわあっ!」
ドラゴン、ユニコーン、ケンタウロス……地上では『伝説』と称せられる類の生物の写真と、その説明が載っていた。
それだけでも十分驚きだが、それにくわえて、本の上には新たな『字踊り』があったのだから、夏朝の驚きは倍増した。
地下書庫の本は、ほしびとにしか読めない文字なので、もれいびである夏朝には読めない。
見たことのない文字が、見たことのない動きをしていた。その動きは二つあって、ひとつはまるでこちらを手招きしているかのようなもの。もうひとつは、紙をまるで地面のように掘っているものだった。
「文字が招いてる方は……『字招き』? で、掘ってる方は……『字掘り』?」
夏朝が見たままを呟くと、シートンはくりっとした瞳をぱちくりさせ、頷いた。
「たしかに、これは『字招き』『字掘り』と呼びたくなるねー」
「興味深いにゃ」
「ふぁっ!?」
いつの間にか背後にいたスピカに話しかけられて、夏朝は変な声を上げてしまった。
「一気にふたつも『字踊り』を見つけるとはすごいにゃ。アストライアの喜ぶ顔が浮かぶにゃ」
「見つけたのはいいけど、記録はどうするのー?」
シートンがスピカに訊ねる。
「この本を持って帰ればいいにゃ」
「なるほどー。シンプルだねー」
「じゃあ、私が持ってるね」
夏朝はその本を大事そうにぎゅっと抱きしめた。
その瞬間、少し離れた場所から声が上がった。
「本が動いてる!」
叫んだのは修だった。なぜかコトコをおぶっている。
「うー! うー!」
と楽しそうなコトコを尻目に、横にいた美咲紀は「見て!」と本棚を指差した。
見ると、たしかに本棚の中で本が動いていた。震えるように揺れている。
落ちかけた本を修が抜き取ると、すぐさま中身を確認した。
「これだ」
開いたページをみんなに向けて差し出す。
そこには、ぐにゃりと曲がって小刻みに震える文字と、まるで足で踏みつけるような動きをする文字があった。
「『字老い』と『字踏み』とでも名付けるか?」
安直にすぎるか、とルネは自嘲したが、しかし異を唱える者はいなかった。
「まさにそう思ってたにゃ。『字老い』と『字踏み』……これもアストライアが喜びそうにゃ」
スピカが頷く。
「これも、持ち出していいのか?」
修の問いに、スピカは「もちろんにゃ」と答えた。
騒動が一段落し、一行が再び歩き出そうとした——その時。
美咲紀は思い出したように、手に持っていた杖を掲げた。蔓性植物が絡まったような見た目で、先端には翼の形があしらわれている。
「はっ!」
と気合をいれると、翼の部分に一瞬、緑光が煌めいた。
「それは……?」
「しっ! ……待って。物音がする」
飛んで来た問いを止めて、目を閉じて耳を澄ませる美咲紀。
「下の階からね。ものすごい数の何かが、蠢いているわ……!」
ゴクリ、と誰かが息を飲んだ。このフロアは静寂に包まれているので、そんなわずかな物音もよく通る。
しかし美咲紀は下の階からの物音を拾ったようで、警告する。
「こことはまったく違う風景が広がっていると予想するわ」
スピカが頷く。
「おそらく、『字踊り』がより強力に発生しているんだにゃ。原因に——つまり『ゼロ・テクスト』に近づけば近づくほど、活動は活発になるにゃ」
そして数秒、何かを思案した後、
「とにかく、奥深くに行くにゃ」
と、一行を促した。
そして地下五階へ赴く。
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担当ゲームマスター
リルカ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月15日
参加申し込みの期限
2018年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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