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【星幽塔】第十階層 『字踊り』の謎を追え!
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◾️4 とても貴重な情報です
「アストライアは『字踊り』を見たことあるんだよね?」
水色のロングヘアーの小柄な少女、
アリス・ミーティア
が問うと、アストライアは静かに頷いた。
「ええ、ありますよ」
「それって、どんな踊りだった?」
「くねくねと言いますか、蠢いていると言いますか……まるで生き物のような感じでしたね」
「踊ってみてよ!」
「えっ」
アリスは満面の笑みで言ったが、アストライアは固まった。
「それは、やっぱり、ちょっと……」
「えーつまんなーい!」
「すいません……」
「あ、責めてるわけじゃないよ! 私、アストライアと仲良くなりたいの!」
「それは、とても嬉しいですが」
嬉しい反面、『つまらない』は責める文言じゃなかったかしらとアストライアは思ったが、どうやら本当にそういう意図はないようだった。
アリスは、アストライアのことがかなり気に入ったようで、それぞれが『字踊り』探索に分かれた後もずっと質問責めにしていた。
「好きな食べ物は?」「好きな本は?」「休みの日は何してる?」「明日星幽塔が滅亡するならどう過ごしたい?」
アストライアはたまりかねて、アリスに訊ねた。
「アリスさんは、『字踊り』を探しに行かないのですか?」
「え? 今探してるじゃん!」
たしかに二人は今、本棚の前をあっちこっち歩いていた。
「それはそうですけれど」
しかし、どうにもアリスの興味は本や『字踊り』よりもアストライアにあるように思われたので、アストライアはそれとなく、水を向けてみた。
「では、この棚を見てみましょうか」
「うん!」
意外にも、アストライアの提案に、アリスはすんなり頷いた。やはり『字踊り』に興味があるというのは本当らしい。
二つのものに同時に興味を持って動けるというのは、すごいなあ——と、アストライアは素直に感心した。
「あったよ! なんか字が回ってる」
「えっ」
本を開いた瞬間に、アリスは『字踊り』を見つけた。
シルフのように尖った耳を好奇心のままにぴょこぴょこ動かしている。
アストライアが信じられないとばかりに本を覗き込むと、アリスの発言が嘘ではないとわかった。
「本当に、回ってますね……」
文字が、まるで独楽のように、その場でくるくると回転している。
「見たことのない動きです」
「すごーい! くるくるくるーって回ってるね! おもしろ〜い! あはは!」
「…………」
いきなり見つけてしまうなんて、なんという強運の持ち主だろう。
しかもこれは今までに見たことのない、新しい『字踊り』だ。文字が回っているから——『字回り』とでも名付けようか。
——と、アリスを眇め見ていると、
「ねえねえ、アストライア! こんな感じかなー? 『字回り』のものまねーっ!」
アリスはその場でくるくると回り始めた。
「……『字回り』?」
まだ自分の心の中だけで考えていたその名前を、どうしてアリスが知っているのかと、アストライアは不思議に思った。
「そう、『字回り』! 私が名付けたんだ。だって字が回ってるから。そのまんまの名前でしょ?」
それもそうだな、とアストライアは思った。
字が踊ってるから『字踊り』だし、字が鳴っているから『字鳴り』なのだ。字が回っていれば、当然『字回り』だろう。『字踊り』シリーズにはそういうシンプルな名付けが合うように思われた。
「この辺の本が活発なのかも! 本を運んで、いっぱい広げてみようよ」
「そうですね。記録もしたいことですし」
アリスとアストライアは、持てるだけの本を抱えて、広いテーブルがある場所へと戻った。
★
二人が戻ると、テーブルにはすでに大量の本が広げられていた。
「あれ、アストライアたちだ!」
「おかえりなさい〜」
二人を出迎えたメリィとリリエルは、大量の本を流し読みしながら、お菓子をつまんでいた。
どことなく、ゆるんだ空気が流れている。調査しているというより、だべっているという感じだった。
「それにしても、すごい量の本ですね……」
「これ、二人で運んだの? すごーい!」
アストライアとアリスは、その本の量に驚いた。広いテーブルが本だけでほとんど埋まっていたからだ。
お菓子を食べていたのは少し気になったが、ハンカチも置いてあるし、意図的に本を汚す意図はないのは明白だったのでアストライアはスルーした。
「おかし食べるー?」
「食べる!」
魅惑の誘いにアリスがすぐに食いついて、焼き菓子のひとつをひょいと口に運んだ。
「うーん! おいしー!」
アリスはぱあっと笑顔になった。
その顔を見て満足そうに頷いたメリィが、思い出したように言った。
「あ、そういえば、『字踊り』みつけたよー」
「え?」
「はい、これ」
驚いたアストライアに、メリィが本を差し出す。
——覗き込むと、字が笑っていた。
何がそんなにおかしいのか、腹を抱えてケラケラと笑っていたのだ。
アストライアがしばらく考え、
「これは……『字笑い』とでも名付けましょうか」
「あっ、やっぱりそうですよね、これは『字笑い』ですよね?」
リリエルが嬉しそうに応える。
「メリィちゃんとも言ってたんです。これは『字笑い』だって」
「わあ、すごーい! 笑ってる。楽しそう!」
アリスも『字笑い』を見て、歓声を上げている。
「あと、これもこれも!」
メリィがさらに別の本を突き出してくる。
その本の中に、ぐでっと力なく寝そべっている文字があった。
「これはねー、『字怠け』だよ!」
メリィの言葉をリリエルが補足した。
「なんだか字が怠けてるみたいですよね?」
「たしかに! こーんな感じ! こーんな!」
と、アリスは例のごとく『字怠け』のモノマネを始めた。
椅子に座って、テーブルに「ぐでーっ」と突っ伏して、「似てる?」と訊ねた。
「そっくりですよ」とアストライアが太鼓判を押した。実際、それはよく似ていた。特徴を捉えるのがうまいというか、体の動かし方がうまいというか……アストライアにはない能力だったので、不思議な感じだった。
「きゃはは! うまいうまい!」
「『字怠け』そのものですねー」
メリィとリリエルも手を叩いて笑った。
——そこに。
「なんの騒ぎだこりゃ」
と、声がかかった。
『歴史』の棚がある方面からやってきたのは、なぎさと武だった。
アストライアが出迎える。
「おかえりなさい。どうでしたか?」
「『字踊り』を二つ見つけたぞ」
自慢げに武が胸を張る。横にいたなぎさがちょっとむくれて言う。
「二人で見つけたんだよ。自分だけの手柄にしないでよねっ」
「悪い悪い、そういうつもりじゃなかったんだが。お前も頑張ってもんな」
「そうだよ! ボクだって頑張ったんだから」
「二人とも仲良いねー?」
メリィが問うと、なぎさは「別に、仲がいいわけじゃないけどねっ!」と全力で否定した。
「えー、仲いいですよ。まるでカップルみたいです」
「そ、そんなんじゃないしぃ〜……!」
リリエルが言うと、なぎさはほんのり顔を赤らめた。武は大人びた様子で大きな溜め息をついた。
「いや、そもそもこいつ、男だし」
——そう。いくら少女のようなルックスで、柔和な雰囲気を醸し出していたとしても、なぎさは男の子なのだ。
音海 なぎさ
は、男の子なのだ。
「それで、どんな『字踊り』でしたか?」
アストライアが本題に戻すと、武が手に持っていた本を開いて見せた。
「ほら、これだ。文字が滑っているように見えるだろ?」
「……ほほう、これはまた、新しい……!」
その『字踊り』は、まるでスケートリンクの上に立っているかのように、本の中でツルツルと滑っていた。
「これはまさに『字滑り』と呼ぶべき現象ですね。——ん? これは……」
目を凝らすアストライア。『字滑り』を見ていて、何か疑問を抱いたようだった。
「……恥ずかしいことをお訊ねしますが、これって、何ていう文字ですか?」
「そう! そこなの!」
急に、横からなぎさが割り込んできた。
「二人で発見した時にも話してたの。『字滑り』は、その文字がどんな文字なのかをわからなくさせる効果があるんじゃないかって」
「まっさかー!」
信じないアリス、メリィ、リリエルの三者が次々と『字滑り』判読に挑んだが、あえなく撃沈した。アストライアの疑問は、誰の目にも同じらしい。
「他の『字踊り』ではこのようなことはなかったのですが……」
「『目が滑る』とはこのことだね! なんちゃって!」
にゃはは、と冗談を飛ばしたアリス。しかし、アストライアは真顔だった。
「目が滑る……なるほど……?」
武は当を得たとばかりに手を叩いた。
「……待てよ。マジでそれなんじゃないか? 『字滑り』の特徴は、その文字を読もうとすると、『目が滑る』。だから文字を読めない」
武の意見に、なぎさも頷く。
「ボクもそう思う。『字踊り』にいろいろな種類があるように、その特徴も様々っていうことなんだよ、きっと」
「たしかに、仮説としては十分な説得力があります——記録する必要がありますね」
アストライアが手早くメモを取る。
「あ、それと、もうひとつ『字踊り』見つけてたんだった」
なぎさが本を広げる。
「これはきっと『字崩れ』だよね」
その文字は、なぎさの言う通り、みるみるうちに崩れていった。重力に堪えきれなくなったように、崖からガラリと岩が落ちるかのように、割れて、崩落した。
「なるほど。たしかにこれは『字崩れ』ですね」
「ふうん、これはまだ文字が読めるねー」
なぎさが分析を始める。アストライアは頷いて、
「『字踊り』の種類によって、副次的に起こる効果が違うようですね」
と答えた。さらなるサンプルが出てくれば、分析も進むかもしれない。
★
その数分後、桜とグロッグが戻ってきた。
「なにかわかりましたか?」
桜が皆に問う。アストライアはこれまでに判明したことを二人に説明した。
すると、
「こっちで話し合ってたことと一致するな」
「そうね。じゃあ、こちらで発見した『字踊り』を伝えようか」
「そうしようぜ」
グロッグと桜が頷き合う。
「字踊り見つけたのー?」
メリィが目を光らせて言うと、
「二つな。かぶってなきゃいいが——」
と言いながら、グロッグが二冊の本を開いて見せた。
アストライアが身を乗り出す。
そこにあったのは、みるみるうちに滲んでいく文字と、まるで暴れるように不規則にあちこち動く文字だった。
——滲む文字と、暴れる文字。
「『字滲み』と『字暴れ』と名付けたんだけど、どうかな?」
桜が問うと、一同は納得したように頷いた。
「ぴったりだと思います。私でも同じように名付けていたでしょう」
アストライアは言った。
そういえば、新しい『字踊り』を見るとすぐにテンションが上がってモノマネをする少女はどうしたかな——『字暴れ』は真似しやすいけれど、『字滲み』を身体でどう表現するのか、アストライアは興味があった。
ところが。
「あっ!」
アリスは手元の本を指差しながら、突飛な声をあげた。
その場にいた全員が振り返る。
「いたよ! えーっと、これは……『字飛び』だよね!」
近くにいたメリィとリリエルが本を覗き込むと、
「わあっ……!」
「すごいです!」
本の中で、文字が飛んでいた。跳ねるというよりも、まるで羽がついたかのように飛行していたのだ。
「鳥みたーい!」
「ほんと。器用ですねえ」
きゃあきゃあと笑い合うメリィとリリエル。
アリスは立ち上がり、両腕を広げた。
「ぴゅーん! こんな感じかな?」
『字飛び』のモノマネだった。
それを見て、「似てるー!」とみんな盛り上がった。
「……なんだか、完全に空気を持って行かれたようだぜ」
「そうだね……『字滲み』は地味だったかな」
苦笑するグロッグに、自嘲する桜だった。
せっかく『字滲み』『字暴れ』の二つを見つけたのに——
「そんなことはありません。とても貴重な情報です。感謝しています」
アストライアがフォローする。決して慰めではなく、本心からだった。
間違いなく言えるのは、一人ではこれほどの『字踊り』を発見することはできなかった。
アストライアが手元のノートにペンを走らせる。
これまでに発見した『字踊り』を書き出す。
『字回り』『字飛び』(アリス)
『字笑い』『字怠け』(メリィ、リリエル)
『字滑り』『字崩れ』(武、なぎさ)
『字滲み』『字暴れ』(グロッグ、桜)
——この中で、『字滑り』には、「目が滑る」という特殊な効果があった。
——他にも、このように文字の意味に干渉するタイプの『字踊り』が存在するはずだ。
ここまで記し、アストライアはホッと一息ついた。
さらなるサンプル採集、さらなる検証が必要だが、皆さんには十分な成果を上げていただいたので、あとは自分で見ましょうか——と考えていると……。
「わっ!」
「うおっ!?」
「なんですかこれは!」
一斉に驚きの声が。
見ると、テーブルの上の大量の本がすべて、ブルブルと震えだしていた。
本が勝手に開き、その中の文字たちが、一斉に、踊りはじめた。
驚いたアストライアが、ふと手元のノートを見ると、なんと、たった今自分で書いた文字までもが『字踊り』となっていた。
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月15日
参加申し込みの期限
2018年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月22日 11時00分
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