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【星幽塔】第十階層 『字踊り』の謎を追え!
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◾️7 お友達、にゃ?
「も、もが……うぐ……」
本の濁流の中で、どこが上かもわからない。息が苦しい。まるで本当に水中にいるみたいに苦しくて、視界がチカチカする。
(やばい。このままだと本当に死ぬ! やばいやばいやばいどうしよう!)
体は『動け!』と号令をかけて沸騰するように暴れているが、頭の中は深海の暗さのようにシンと冷え切っていく。沸騰と冷却。異なる温度が矛盾したまま共存していた。
夏朝は腕でぎゅっとコトコを抱きしめて、もしも自分が助からなくても、この子だけは何としても守らないと、と覚悟を固めつつあった。
しかし、その方法がわからない。
(みんなの姿も見えなくなったし、本当にまずい。光の方へ——って、光って、どっち?)
(暗中模索とは、このことだね……って、なんでこんなこと考えてるんだろう?)
(とにかくコトコだけは助けないと……!)
(どっちが上? それがわからないと始まらない……!)
(うー! うー!)
コトコが夏朝に何かを訴えかけている。水中ならぬ本中だったので意図はわからなかったが。
(うー! うー!)
(なに?)
(うー! うえれす!)
(上?)
コトコが体をひねって一点を見つめていることに気づく。どうやらあっちが上だと言いたいらしい。
(……よし。信じるよ!)
夏朝は大きく頷いて、そちらの方向に泳ぎだそうとする——が、流れが早すぎてうまくいかない。犬かきをしても、バタ足をしても、体を押し戻されてしまう。
(困ったなあ。上がわかっても行けない……)
(うーー! くるしいれす!)
いよいよ息が限界に達したのか、コトコは腕の中で暴れだした。
(まずい! せめて先にコトコだけでも……!)
夏朝は意を決して、腕に精一杯の力を込め——
「行っけえええええええええええ!」
——コトコをぶん投げた。
★
流れる大量の本の中で、ルネはスピカを抱きかかえ、周囲を見回した。
(どこだ? どこに行けばいい?)
視界は前後不覚。闇雲に動いても沈むだけだと承知しつつも、やはり急がないとどうにもならないという焦燥だけが脳内を駆け巡る。
少し離れた場所で、亮がシートンを抱えてもがいていた。
ルネはその二人を見守った。亮が次にどんな行動を起こすかを見てみたかったのだ。
(さて……、どう出る? 少年)
懸命に首を振って光を探す亮だったが、流れがあまりに急すぎた。
亮は目を閉じた。
(諦めたか?)
——とルネが思った次の瞬間、
「いっけええええええええええええ!」
と怒声を飛ばし、亮はシートンを投げ飛ばした。
(——!)
ルネは衝撃を受けた。亮は自分を犠牲にしてまで、シートンを助けようとしたのだ。
(……面白い。ならばあたしは、その覚悟に全力で報いることとしよう)
そして、ルネもまた、抱えたスピカを全力でぶん投げた。
「にゃ!?」
「スピカ! 『ゼロ・テクスト』を頼んだぞ!」
「そんにゃ——」
反論が終わる前に、スピカの姿は消えた。
それを見届けて、ルネは体を反転させ、亮の元へと向かう。
「待ってろ、今助ける!」
★
偶然か、必然か。
本の海流から投げ出されたコトコ、シートン、スピカは、背の高い本棚の上で邂逅を果たしていた。
三人の目下では地響きのような音を立てて大量の本が流れている。
そのおぞましさに、薄闇の中でスピカは息を飲んだ。
「どうしよー。みんなが、流されてるよー!」
シートンが悲壮に嘆く。
「ちゃすけにゃいといけないれす!」
コトコが助けに行くと叫ぶ。
しかし、スピカは首を振る。
「いや、このまま進むにゃ。それがルネやみんなの願いだし、この惨状を終わらせてみんなを助けることにもつながるにゃ!」
「でもー……」
迷いを見せるシートンに、しかしスピカは強い口調で言う。
「いや、行くにゃ! みんなを助けたいにゃ?」
「うー……いく!」
考えて、コトコは腹を決めたようだった。
「……わかったよー。行こう」
シートンも力強く頷いた。
——そして三人の獣人は本棚の上を歩き始めた。護衛も、守ってくれる存在もないまま、それぞれの足で。
幸いなことに、本の海流によって本棚がずれて、三人だけが通れる道となっていた。
★
細い道を歩いて、歩いて、時に跳んで渡って、そして。
「……ここにゃ」
本の迷宮の最奥——『ゼロ・テクスト』のもとへと辿り着いた。
闇の中にぽっかりと空間がひろがっていて、薄い光が落ちている。
その中央に、一冊の本が開かれていた。
「あれが『ゼロ・テクスト』かな?」
「きっとそうだにゃ」
スピカ、コトコ、シートンは本棚から降りて、『ゼロ・テクスト』の前に立った。
本の中身は白紙だった。
周囲には小さな黒いかたまりがいくつも散らばっている。
「『文字』が抜け落ちたのかなー?」
シートンが類推する。スピカは前足でそのかたまりに触れてみる。
「動かないにゃ……」
その文字はひしゃげていて、少し大きめの蟻のような見た目だ。
触れてみても抜け殻のように微動だにしない。
「ろうすればいいれすかー?」
それで、どうすればいいか——コトコの問いに、スピカは少し悩んでから答える。
「この散らばった文字を集めてみるにゃ」
スピカの読みが正しければ、『真は真なり 偽は偽なり』の文章が出来上がるはずだった。
しかし——
集まった文字たちはそうはならなかった。
文字数は合っている。十文字。しかし、そのどれもが意味のない記号へと『文字化け』してしまっていた。
「これは……『字踊り』のひとつかもしれないにゃ。『字化け』かにゃ?」
「『字化け』ねー。それじゃあ、どうすればいいのー?」
当然のごとく、シートンが問うが……
「わからないにゃ」
スピカが首を横に振った。
「……手詰まりだねー」
悲しそうにシートンが呟く。
『ゼロ・テクスト』に辿り着いたものの、『字化け』を目の当たりにしてどうすればいいのかわからない。どうすれば『字化け』を解消し、『ゼロ・テクスト』を元の状態に戻すことができるのか……皆目見当がつかない。
シートンとスピカは互いに顔を見合わせ、嘆息した。
すると、コトコが突然、
「おともらちになるれす!」
と言った。
「お友達、にゃ?」
「そうれす! この子はひとりぼっちでさみしかったんれす! だから、おともらち!」
そしてコトコは『ゼロ・テクスト』に歩み寄り、散らばった『字化け』の文字を大事そうにつまみ、そっと本の上に載せた。
「ひとりじゃないれすよー、とーが、ちゃーんと読んれあげますよー……」
丁寧に、声を掛けながら、文字を並べていく。
「そんなことでどうにかなるのかなー?」
シートンは疑問を抱いたが、スピカは真剣な表情でその光景を見ていた。
そして——
「かんせいれす!」
並べられた文字列は、やはり解読不可能に『字化け』を起こしていたが、コトコは満足そうだった。
「これれ、みーんな、よめます!」
うっとりと言って、スピカの方を見やる。
スピカは何かを言おうとしたが、口をつぐんだ。
そして、優しげに微笑んだ。
「……そうだにゃ。きっと『ゼロ・テクスト』も、こんな暗いところで独りで寂しかったんだにゃ」
「うー!」
コトコは嬉しそうに笑った。
「そういう問題かなー……?」
シートンは疑わしげだったが、その瞬間——
突然『ゼロ・テクスト』が発光し、辺り一帯が光に包まれる。
まばゆい光で視界が真っ白になり、三人はたまらず目を閉じた。
十秒ほどして光が収まり、目を開くと、そこにあった『ゼロ・テクスト』のページにはこう記されていた。
『真は真なり 偽は偽なり』
★
「少年! 少女! 今助けるからな!」
本の激流を掻き分け、ルネが亮と夏朝の腕を掴む。
——それと同時刻。
美咲紀と刀が、もがく修の両手を掴み上げた。
その瞬間、本の海はおさまった。
本の水位が下がり、床に足が着く。
「ぶはっ! 助かった!」
修が全力で酸素を吸う。相当な限界が来ていたようだった。
「終わった……の?」
美咲紀が問うと、刀は頷いた。
「ああ、おそらくな」
一方、ルネ、亮、夏朝も無事に海を抜け出していた。
「これって……?」
事情が飲み込めていない夏朝が首を捻ると、
「きっと、やってくれたんだ。あいつらが」
「そうだな。あたしたちの判断は正しかったと証明された」
亮とルネが互いの健闘を讃えて拳を突き合わせた。
「——あ、ひとつ大事なことを忘れてたよ」
思い出したようにルネが言う。
「あたし、太陽の光が苦手だから海水浴は無理だ。水着が見れなくて残念だったな、少年」
ニマニマするルネに、亮は「ケッ!」と吐き捨てた。
「俺はもっとダイナマイトボディが好みだぜ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
リルカ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月15日
参加申し込みの期限
2018年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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