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【星幽塔】第十階層 『字踊り』の謎を追え!
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◾️6 真は偽なり 偽は真なり
その頃、一階では——
「……よし、と」
忙しなく走らせていたペンを止め、アストライアがほっと一息つく。
「これで一通りの記録は終わりました。あとは皆さん、ここで地下探索組の帰還を待ちましょう」
その号令で、その場にいた一同は緊張の糸を解いたようだった。
「終わったー! 今頃みんなは何してるかなー?」
「何か分かったかなー」
そもそも初めから緊張を糸を張っていなかったような二人組——
メリィ・ランページ
と
リリエル・エーテライト
は、早速お菓子に手を伸ばす。
「そろそろ帰って来るんじゃないか?」
グレッグ・グロッグ
もまた、せんべいを噛みながら答える。自分の仕事はここまで、とはっきり決めたようだった。
「何か困難に巻き込まれていたらどうしましょう……?」
音海 なぎさ
が探索組を慮ると、
「大丈夫でしょう。みなさん自衛はできる方々だと思いますし、スピカがいますから」
と、アストライアが微笑んだ。
なぎさは「そうでしょうか……?」と訝りながらも、テーブルの上のマシュマロに手を伸ばした。おおむね安心したようだった。
「本当に、他にできることはありませんか?」
と、
水上 桜
が問うと、隣にいた
アリス・ミーティア
はじれったそうに言う。
「ただ待ってるだけも退屈だもんね、ねえねえ、みんなが来るまでの間、本棚を見ててもいい?」
すると
鬼頭 武
も同意する。
「そうするか。いろいろと調べ物をしたいしな」
「あっ。もしかして『ゼロ・テクスト』について? さっき一生懸命調べて——」
なぎさが思い出したように言うと、武は慌てたように遮った。
「ち、違う! 誰があんな都市伝説……!」
「違うの? でもまあいいや、ボクも一緒に行こうかな」
「一人でいいから!」
「えー、行こうよ」
「まったく……調べ物の邪魔するなよ」
武が渋々了承すると、
「なんだ? その『ゼロ・テクスト』ってのは」
グロッグも乗っかってきた。
「気になるー!」とアリス。
「都市伝説……何か、意味ありげですね。興味深いです」と桜まで。
「あのなぁ……だから俺は、『ゼロ・テクスト』を調べに行くなんて一言も——」
「れっつごー!」
アリスが掛け声とともに拳を宙に突き上げると、武は観念したように頭を抱えた。
そして——結局、武、なぎさ、グロッグ、アリス、桜の五人は、『ゼロ・テクスト』に関する文献を探すべく行ってしまった。
「あまり遠くへ行かないでもらえると助かるのですが……」
アストライアが少々困った様子で呟いたが、もう届かなかった。
「まーまー。気楽に行こうよ」
「大丈夫だって。そんな時はお菓子だよ」
当然のようにテーブルに居残っているメリィとリリエルがアストライアをなだめた。
「ありがとうございます……」
アストライアはおとなしく、星型の飴を頬張った。
「……あ。これ、とってもおいしい」
★
そこには、『阿鼻叫喚』と呼びたくなるような惨状が広がっていた。
仄暗いフロアの中で、無数の本が暴れまわっていたのだ。
一歩踏み出せば顔や肩や背中に本がぶつかってくる。
二歩踏み出せば誤って本を踏み、さらに行けば無造作に積まれた本が行く手を阻む。
三歩踏み出せば、ほとんど前後不覚に陥る。
そんな状況だった。
「みんな、離れるな!」
「大丈夫、俺が守るからな!」
「うー! うー!」
「私だって!」
「とにかく、近くの人と手を取り合うにゃ! はぐれないようにするにゃ!」
怒号ともつかぬ声が飛び交い、互いに励まし合う一行。これまでの道中で連帯感が強まり、互いに支え合う姿勢は盤石だった。
「やっ! はぁっ!」
「くっ……しつこいな」
ルネと亮は先頭に立ち、乱舞する本の群れを叩き落としながら、ずんずんと進む。
それに付いて、一行も歩みを進めた。
「もうすぐにゃ! あの奥の突き当たりに、きっと『ゼロ・テクスト』があるにゃ!」
スピカの激励に、刀はたまらず声を上げる。
「その突き当たりが見えないのが問題なんだがなッ!」
しかし、心なしかその顔は晴れやかだ。目的を目前にした充実感からだろうか。
「コトコ、しっかり掴まってて!」
夏朝は左腕でコトコを抱え、手に持ったNyaphoneで今の状況を撮影したのち、右手に装着した手甲から戦輪を射出し、襲いくる本を次々と叩き落とした。
「かあさ、すごーい!」
コトコはまるでヒーローショーでも見たかのように嬉しそうだ。
「すごいねー。ぼくには避けるのが精一杯だよー」
シートンが感嘆すると、
「避けれる方がすごいから!」
と、夏朝は苦笑いした。
「でも、『ゼロ・テクスト』に辿り着いたとして、どうすれば解決なんだ?」
修が疑問を口にする。
「それは——」
と、スピカが答えようとした、その瞬間——
横の本棚から、一斉に本が飛び出してきた。
「ッ——!」
防御の構えを取る修だが、大量の本は激しい奔流となって、修を飲み込む。
「くっ……!」
川に流されたかのように、修の体は来た道へと押し戻されてしまう。
手に持っていたランタンの火が本に燃え移りそうになり、修は慌てて火を消した。
周囲がにわかに暗くなる。
「大丈夫か!」
修の異変に気付き、咄嗟に修を助けようとした刀だったが、
「俺のことは構うな!」
「構うなと言ったって——」
「こっちはなんとかする! あとは頼んだ! 『ゼロ・テクスト』を見つけてくれ!」
「なんとかするって、どうやって?」
刀のもっともな疑問は果たして届かなかった。修の姿は徐々に遠くなり、やがて見えなくなった。
「そんな……」
脱落者が出た、という事実に一瞬、目の前が暗くなったような感覚に陥る。
しかし、本人は大丈夫だと言っている。どうする? やはり、このまま踵を返して、修の言う通りに早く『ゼロ・テクスト』を見つけるべきか——
「何してるの、助けないと!」
背後から叫び声が聞こえた。同時に、背中に何かがぶつかり、数歩よろめく。
物や人ではなかった。これは——
「風……?」
振り返ると、そこに美咲紀がいた。
「待ってて! 今助けるから! ——はっ!」
美咲紀は手に持った杖を振りかざし、本の川に向けた。すると、一陣の風が吹いた。
光る微風が束になって、やがて突風になり、蠢く本の塊に文字通り『風穴』を空けた。
穴の奥の奥に、もがく修の手が見えた気がした。
「今助けるからねー!」
美咲紀は迷わず本の海流の中に飛び込み、すぐにその姿は見えなくなってしまった。
「ああ、くそっ!」
誰がどう見たって、修には手助けが必要だった。なぜためらった? 刀は髪をかきむしった。
そして、
「今行く!」
と本の海に身を投げた。
★
「あっちがまずそうだな……」
修、美咲紀、刀が遠くへ離れて行くのを横目に見ながら、亮が冷や汗を垂らす。
「三人いれば大丈夫だろう」
ルネが言う。そして、薄く笑いながら、こぼす。
「それに、どうやらこっちが安全ということでもないらしい」
「? どういう……」
亮の疑問はかき消された。言い切る前に、こちらにまた新たな『本の川』が流れ込んで来るのが見えたからだ。
「あー、まずいにゃ……」
スピカは観念したように苦笑いする。
この事態はスピカにとっても想定外のものであったようだ。
ダムが決壊したような激流が、目前に迫っていた。
「コトコ、ちゃんと掴まっててね」
「うーーーーー!」
夏朝はコトコをぎゅっと抱えた。
最前線のルネと亮は互いに顔を見合わせた。
「さすがにこのメリケンサックも『海流』相手には無意味だな。……どうしよっか?」
ルネの投げやりな問いに、亮はゆっくりと首を振った。
「さあね。せっかくの海だ。水着でも持って来ればよかったかな」
「そりゃあいい。ただ心配だな」
「なにがだ?」
「あたしの水着姿は、男子高校生には刺激が強すぎる」
ルネがニヤリと笑うと、亮は肩をすくめた。
「何を呑気に話してるのー! ほらー! もう来てるー!」
シートンが顔を青白くして言うが、
「観念も必要にゃ。みんな、とにかく、埋もれないように、光の見える方向へ行くにゃ」
ポツリ、とスピカが呟く。
「光の方へ、か。いいなそれ——」
亮が言い終わるのを待たずに、本の激流は一行を飲み込んだ。
★
一階の『歴史』の本棚の前で、武、なぎさ、グロッグ、アリス、桜の五人は一冊の本を取り囲んでいた。
「『真は真なり 偽は偽なり』」
その一節を武が読み上げる。
書名は『「ゼロ・テクスト」伝説——すべての始まりの書』。
『ゼロ・テクスト』についての解説がされている本だった。少し嘘くさい部分もあるが、全体的によくできている本に思えた。
根も葉も無い都市伝説の本だと一笑に付すには、遊びが足りない。つまりは思っていたよりも『ちゃんと調べて書き上げた本』に見えた。
武が読み上げたのは、そんな本の中の『ゼロ・テクストには何が書かれているか?』という項目だった。
「『真は真なり 偽は偽なり』……どうやら『ゼロ・テクスト』の中には、この一文だけが記されているらしい」
「ただのトートロジーじゃねえか」
グロッグは吐き捨てたが、表情は真剣だった。なにか、重大な真実に触れているような感覚が、確かにあった。
「それで、結局なんなの? 『ゼロ・テクスト』があることで、何の意味があるっていうのさー?」
じれたように結論を求めるアリスに、それまで押し黙っていた桜が口を開いた。
「もしかすると……その名の通り、この『ゼロ・テクスト』は、すべての本の『論理的な土台』であるということじゃないかな?」
「…………」
——沈黙。
圧倒的な沈黙がやってきた。
それは桜の言った『論理的な土台』が何を意味しているのかを考える時間であり、また、その意見の信憑性を判断する時間でもあり、さらにはその判断が妥当かどうかを吟味する時間だった。
果たして、異論は出なかった。しかし、情報が足りない。
「つまり、簡単に言うとどういうことかな……?」
なぎさが訊ねると、桜の代わりにグロッグが答える。
「『ゼロ・テクスト』が『真は真なり 偽は偽なり』と宣言することで、他のすべての本の論理性を担保している、ということか」
「そういうことかと……」
自信なさげに桜が頷く。
なぎさは首を傾げて熟考する。しかし、まだ完全な理解にはピースが足りないようで、
「も、もう少し簡単に言ってもらえると助かるかなぁ……?」
と申し訳なさそうに言った。
桜は少し考えてから、手を胸の前に差し出した。
「例えば、この手のひらは、『手のひら』でしょう? それ以外の何物でもない。これがもしも『足の甲』かもしれないと言われたら、とても混乱するわよね」
「そりゃあ、手のひらは手のひらだよ——はっ!」
何かに気づいたなぎさ。桜は頷く。
「『ゼロ・テクスト』はそのことを定義しているんじゃないかな。『手のひらは手のひら』だと。もしも『真は偽なり 偽は真なり』と逆になってしまったら、本の世界は混乱に陥る。だから『真は真なり 偽は偽なり』と記されているというわけね」
「つまり、今回はその『混乱』が『字踊り』の正体というわけ?」
アリスが確認すると、武が割って入る。
「……待てよ。今、当たり前のように話が進んでるけど、『ゼロ・テクスト』は単なる都市伝説だぞ? 今の話が真実だとは、俺にはとても思えない……」
都市伝説が現実味を帯びている状況に、武は戸惑いを隠せなかった。
「じゃあ他にどう説明するの? 現に『字踊り』は起こってるんだよ?」
アリスが詰め寄ると、武は「それは……」と狼狽した。
「他の案がないのは確かだが、だからといって消去法でその説を信じるわけにもいかないだろ」
武の主張は正しい。『一番もっともらしい』言説だけが真実としてまかり通る世界は、恐ろしい世界だ。
しかし、こうなってくると議論が煮詰まり、堂々巡りをするのみとなってしまう。
グロッグがパン!と手を叩き、
「ここで言い合っててもしょうがねえ。持ち帰ってアストライアに訊けば少しは話が進むだろ」
と、取りまとめた。
「それもそうね」
一同は頷いて、アストライアの待つテーブルへと戻るため歩き始めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
リルカ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月15日
参加申し込みの期限
2018年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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