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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
刃紋～乱れる光に救いの手を～
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「……おや、愛らしい猫さんですね、ふふ……！」
「それほどでもないニャ、にゃふにゃふー」
にゃっぱちとそんな出会いをしたアケーチ・タッマーキ。
某星の塔本来の姿は隠し、ピシッと純黒スーツを着こなしては本日の穏やかな寝子島の陽射しに、
『あああ……相変わらず優しい光線も心地よい……』と悶え闊歩していたところであった。
かくかくにゃかにゃか、と事情を聞けば妖しくも妖艶な左目が、薄っすら細められる。
「剣の心残り、ですか……！ もにゃもにゃしたままでは浮かばれないでしょう、
私で良ければお力に、ふふ……！」
「ほ、ほんとニャ！？」
ええ、見せてもらっても？ とにゃっぱちが持ってきた刀や剣たちへ視線をやると、鞘から微か刀身が抜けている一振りを見つけた。
まだ淡いはずの陽射しを受けたにしては、あまりにギラギラとこちらの瞳へ飛び込んできた輝きに、アケーチの手は自然とその剣へ伸びる。
そうして掴んだ瞬間、今まで居た寝子島とは明らかに異なった風景が目の前に広がったのだった。
◇◇
「……ここは……争いの最中、でしょうか」
いつの間にか乗っていた馬の背の上から、周囲を一望すればそう判断された。
両の陣営から兵たちが全て出尽くして、生き残った猛者たちが未だ激しく、雄々しく、土と汗と鮮血に身を染め合う姿がアケーチの眼前で繰り広げられている。
「あぁ、命がけで戦う人々の躍動感たるや……！」
アケーチに過去の記憶は無い。
星幽塔に気付けば落とされていた身であり、寝子島に舞い降りるようになってからもまだ日は浅いのだ。
そんなアケーチ自身であれば、戦場を経験したかどうかすら分からない。
分からないけれど ――
するり
自軍の武具を纏っていなければ全て敵とみなされるこの場において、突如現れたアケーチへと当然の如く兵が突っ込んできたのを、うっとりとまだ周りを見つめながらも華麗に、あまりに自然に、アケーチはかわしてみせたのである。
「どうですか、剣さん。戦場に赴くことは出来ていますよ。ご満足ですか？」
柄を握り込んだ時から、この剣の思念がアケーチの胸に、脳裏に、広がっていた。
曰く、持ち主が戦前で病に倒れ、結局戦場に出ることなく廃棄されたのだと。
ロングソードと呼ばれるらしいその刀身を鞘から抜き切って語り掛ければ、銀色が応えるようにしてギラリと光る。
「……ふ、ふふ。かしこまりました御主人……いえ、ご主剣様」
剣は紡いだのだ。
戦果をあげてこその本分だと。
アケーチはそれを受けて、恭しく一礼するが如く一度そのまなこを閉じた。
そうして次にそれが開かれた時、今までの常に微笑み携えていた目の奥には、真剣な青い炎を纏っていた。
「誰と誰が争っているのかわかりかねますが……私に攻撃をしてきた者は敵とみなします、ふふ……！」
その瞳、紫檀の輝き也。
主剣の意思は私の意思と、剣を体の横へ構えた途端、アケーチは戦場における修羅の天使と化していた。
あっさりと先程攻撃をかわされた兵が、憤慨して突っ込んできたのに続いて他の兵たちも押し寄せてきたのを
修羅の天使は遠慮なく斬り捨てていく。
逃げる者は追わず、向かってくる者には容赦なく。
土や跳ね返る紅色に汚れているはずなのに、その姿は舞いを舞うかのような華麗な狂気。
『アイツは何者だ！？』と困惑と雄叫びに満ちていた戦場がいっそ鎮まっていく。
今はその背に仕舞って見えないはずのアケーチの白き羽根が、彼が剣を振う度に、巧みな馬術で駆け抜ける度に、兵たちの瞳に幻として映り込んでいた。
「く、ふふ、ふふふふふ……！！ さぁ、私と踊りましょう……！」
疲れを知らない修羅の天使が、狂ったように攻撃を加える様はすっかり両軍の間に怯えと恐怖を植え付ける。
戦どころでは無い、と。
いつしか両陣営は撤退の末路を見せていた。
「どうされますか、足りなければどちらかを追うことも、まだ可能ですが」
剣は響かせる。満足したのか元来の性格が呼び起こされたのか、自身を持つアケーチを気遣う音を。
「ふふ、ご主剣様のためならこのアケーチ、いくらでも戦に身を投じて差し上げましょう……！」
暫し思考する間がつくられた後、剣は応えた。感謝の言葉で。満ち足りた光を讃えて。
燃える紫檀の瞳が、微笑みと共にいつもの温かなアメジスト色に塗り替わる。
それと同時に、気付けばアケーチの周囲から戦の匂いが消えていき、また淡い陽射しの中に佇んでいた。
胸元の青薔薇のコサージュが、何の汚れもつかず変わらない美しさを咲き誇らせているのを見下ろしてから。
「ご主剣様に尽くさせて頂けて、望外な喜びです、ふふ……！」
「……おや、愛らしい猫さんですね、ふふ……！」
「それほどでもないニャ、にゃふにゃふー」
にゃっぱちとそんな出会いをしたアケーチ・タッマーキ。
某星の塔本来の姿は隠し、ピシッと純黒スーツを着こなしては本日の穏やかな寝子島の陽射しに、
『あああ……相変わらず優しい光線も心地よい……』と悶え闊歩していたところであった。
かくかくにゃかにゃか、と事情を聞けば妖しくも妖艶な左目が、薄っすら細められる。
「剣の心残り、ですか……！ もにゃもにゃしたままでは浮かばれないでしょう、
私で良ければお力に、ふふ……！」
「ほ、ほんとニャ！？」
ええ、見せてもらっても？ とにゃっぱちが持ってきた刀や剣たちへ視線をやると、鞘から微か刀身が抜けている一振りを見つけた。
まだ淡いはずの陽射しを受けたにしては、あまりにギラギラとこちらの瞳へ飛び込んできた輝きに、アケーチの手は自然とその剣へ伸びる。
そうして掴んだ瞬間、今まで居た寝子島とは明らかに異なった風景が目の前に広がったのだった。
◇◇
「……ここは……争いの最中、でしょうか」
いつの間にか乗っていた馬の背の上から、周囲を一望すればそう判断された。
両の陣営から兵たちが全て出尽くして、生き残った猛者たちが未だ激しく、雄々しく、土と汗と鮮血に身を染め合う姿がアケーチの眼前で繰り広げられている。
「あぁ、命がけで戦う人々の躍動感たるや……！」
アケーチに過去の記憶は無い。
星幽塔に気付けば落とされていた身であり、寝子島に舞い降りるようになってからもまだ日は浅いのだ。
そんなアケーチ自身であれば、戦場を経験したかどうかすら分からない。
分からないけれど ――
するり
自軍の武具を纏っていなければ全て敵とみなされるこの場において、突如現れたアケーチへと当然の如く兵が突っ込んできたのを、うっとりとまだ周りを見つめながらも華麗に、あまりに自然に、アケーチはかわしてみせたのである。
「どうですか、剣さん。戦場に赴くことは出来ていますよ。ご満足ですか？」
柄を握り込んだ時から、この剣の思念がアケーチの胸に、脳裏に、広がっていた。
曰く、持ち主が戦前で病に倒れ、結局戦場に出ることなく廃棄されたのだと。
ロングソードと呼ばれるらしいその刀身を鞘から抜き切って語り掛ければ、銀色が応えるようにしてギラリと光る。
「……ふ、ふふ。かしこまりました御主人……いえ、ご主剣様」
剣は紡いだのだ。
戦果をあげてこその本分だと。
アケーチはそれを受けて、恭しく一礼するが如く一度そのまなこを閉じた。
そうして次にそれが開かれた時、今までの常に微笑み携えていた目の奥には、真剣な青い炎を纏っていた。
「誰と誰が争っているのかわかりかねますが……私に攻撃をしてきた者は敵とみなします、ふふ……！」
その瞳、紫檀の輝き也。
主剣の意思は私の意思と、剣を体の横へ構えた途端、アケーチは戦場における修羅の天使と化していた。
あっさりと先程攻撃をかわされた兵が、憤慨して突っ込んできたのに続いて他の兵たちも押し寄せてきたのを
修羅の天使は遠慮なく斬り捨てていく。
逃げる者は追わず、向かってくる者には容赦なく。
土や跳ね返る紅色に汚れているはずなのに、その姿は舞いを舞うかのような華麗な狂気。
『アイツは何者だ！？』と困惑と雄叫びに満ちていた戦場がいっそ鎮まっていく。
今はその背に仕舞って見えないはずのアケーチの白き羽根が、彼が剣を振う度に、巧みな馬術で駆け抜ける度に、兵たちの瞳に幻として映り込んでいた。
疲れを知らない修羅の天使が、狂ったように攻撃を加える様はすっかり両軍の間に怯えと恐怖を植え付ける。
戦どころでは無い、と。
いつしか両陣営は撤退の末路を見せていた。
「どうされますか、足りなければどちらかを追うことも、まだ可能ですが」
剣は響かせる。満足したのか元来の性格が呼び起こされたのか、自身を持つアケーチを気遣う音を。
「ふふ、ご主剣様のためならこのアケーチ、いくらでも戦に身を投じて差し上げましょう……！」
暫し思考する間がつくられた後、剣は応えた。感謝の言葉で。満ち足りた光を讃えて。
燃える紫檀の瞳が、微笑みと共にいつもの温かなアメジスト色に塗り替わる。
それと同時に、気付けばアケーチの周囲から戦の匂いが消えていき、また淡い陽射しの中に佇んでいた。
胸元の青薔薇のコサージュが、何の汚れもつかず変わらない美しさを咲き誇らせているのを見下ろしてから。
「ご主剣様に尽くさせて頂けて、望外な喜びです、ふふ……！」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2018年02月09日
- 参加申し込みの期限
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- 2018年02月16日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2018年02月16日 11時00分
