シーサイドタウンで遊ぼう！｜リアクション

シーサイドタウンで遊ぼう！

　こんな時はやはりゲーセンへ行くのに限るとばかりに仙藤蒼はシーサイドタウンにあるゲームセンター『BooM』へと足を延ばした。
　学校帰りで当然ながら制服姿であるのだが、周囲に先生が見回っていないかなどのチェックは怠らない。どうやら蒼はこういう事を良くやるようでその動きはかなり手慣れたものである。

　そうして、先生の目がない事を確認すると、素早くゲーセン内へと。
　その後は新作の筐体でもないかと歩き回る蒼。

「うーん。今日は格ゲーにするかシューティングにするか音ゲーにするか……」

　そんな事を呟きながら、彼女は人差し指を顎に当てながら歩き回る。
　暫くの時間、悩むことに費やした彼女は結局、最新の筐体が入荷していたシューティングゲームをやってみる事にしたようだ。

「うん、ガンシューか。このシリーズはやった事なかったかな？　でもまぁ、何とかなるでしょ」

　ガンシュー。ガンシューティングというジャンルのゲームだが、ゲームが得意な蒼は勿論、これも苦手ではなく得意なジャンルだ。
　この筐体はとあるシリーズもののガンシューティングの新作だったが、覚えている限り過去作はこのゲーセンにはなく、蒼はプレイをした覚えがなかった。

　一通りの説明を見て、使うガンコントローラーの感触やボタンの配置などを確かめる。
　そして、確認が終わったところで、コインを投入してゲームスタート！

　しかし、その他のガンシューティングをやり込んだ蒼は危なげなくプレイを重ねていき、途中からは完全にコツを掴んだようで初プレイながら全ステージクリアを達成。ついでのようにハイスコアも更新していった。
　ハイスコア達成自体は、今まで数えきれない程のゲームでしてきたが、それでもやはり達成感はあるのか彼女はすっかり気を良くしたようだ。

「ふふーん。上々ね」

　そして、次に向かうは格闘ゲームの筺体だ。
　格闘ゲームでは、コンピューターと戦う事もできるのだが、このジャンルの醍醐味は対人にある。

　格闘ゲームの筺体と言うのは、基本的に二台の筺体が向かい合わせの状態となっている。
　そして、それぞれの筺体に人が座ってコインを投入すると、対戦する事が出来るのだ。

　蒼は秋葉原駅前のイベント会場で行われたゲーム大会で二位という成績を戦果を残していた。
　その戦果は伊達ではなく、以前、自分を中学生と見くびってた寝子高生や中々の実力を持っていた大学生相手にも勝利を収めている。
　大学生の時は、相手もかなりの実力だったので楽しめたが、今日は気分的に更に強い人とやり合いたいなと思い、対戦相手を探してみるも中々見つからない。

（うーん。見つからないかー。つまらないな……）

　だが、見つからないものは仕方ない。それならそれで新作ゲームの攻略に没頭できるのでそれでよしと蒼は考える事にしたのであった。
　結果として、彼女は自己記録を更新した事だけは最後に記しておこう。

このページにイラストを設定する