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狭間の日
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新田 樹
の元へ《狭間の日》が運んだのは、本来なら叶わないはずの再会だった。
『よお、樹』
持ち前の度胸と好奇心を携えて家を出れば、不意に、懐かしい声が名前を呼んだ。
ハッとして、声の方へと顔を遣る。
30代後半ほどの、肩に掛かるほど長い茶髪の男が、くいと小粋に口の端を上げていた。
「嘘……まさか、師匠!? 本物!?」
『おいおい、こんな男前、本物以外にあり得ねぇだろ?』
茶目っ気に溢れた軽口も、かつて、耳に馴染んだ、そして今も染み込んでいるものだ。
(これが《狭間の日》ってこと? でも、寝子島だもん、よくできた偽者かもしれない)
ずっと、会いたかった相手だ。
だからこそ、目前の再会に安易に飛びついて、あとで悲しい想いはしたくなかった。
「あの、師匠」
『うん? 何だ?』
通りすがった若い女性が去っていくのを目で追いながら、何気ない調子で男が言う。
「念のために質問させてね。第一問、あなたの名前は?」
『まだ疑ってんのか……まあ、そういうしっかりしたところも樹らしいか』
いいだろう、と樹へと眼差しを戻した男は頷いて、
『宇和木平助。うわき・へいすけだ』
これでどうだ、とばかりにそう繰り返した。
「第二問、あなたの職業は?」
『気儘な遊び人……おいおい、そんな顔すんなよ。ボクシングのコーチだ、これでいいだろ?』
「第三問、趣味!」
『酒と女! これは、決まってるだろ』
「じゃあ、最終問題ね。尊敬する人は?」
『可愛い女だな。あと、俺自身!』
顎に手を宛がって、男は、にっと白い歯を見せる。
その笑顔は、ここまで何とか抑えていた樹の感情を爆発させた。
「間違いなく本物だ! 師匠、会いたかった~!」
がばっと、男――改め、本物の師匠だ――の胸にとび込む樹。
師匠は、樹の頭をぽんぽんと軽く叩いてくれた。
『ったく、エラく慎重だったなぁ。ま、それくらいで丁度いいか。前より色っぽくなったしな』
「ほんと!? えへへ、師匠に言われるとすっごく嬉しい!」
『おっ、可愛いこと言うじゃねぇか』
ようやっと身を離して、樹は師匠の顔を見上げる。
「寝子島ならいつか会えると思っていたけど……ようやく夢が叶った!」
『そうかそうか。そんなに俺に会いたかったか、樹』
「当たり前だよ。そうだ。あのね、私、話したい事いっぱいあるんだ」
中学校での出来事、大好きなサバゲーの話、それから、今までにした悪戯の数々。
聞いてもらいたいことなら幾らでもあって、師匠はそれらを、いずれも楽しそうに聞いてくれた。
例えば、悪戯の話の時なんかは、
『っはは、樹、そりゃ、痛快だな』
なんて、子供のように、面白がって笑いながら。
「ねえ、師匠の話も聞かせて。死んだ後はどんな暮らしをしてるの?」
『うん? 何、死んでも俺は俺さ』
「えー、答えになってないよ」
『人間、いつかはわかることだ。知るのを急くことでもねぇだろうよ』
言って、師匠は樹の頭をまたぽんぽんとした。
誤魔化されている、とは思ったけれど、その温もりはどこまでも心地いい。
「はあ……師匠には敵わないなぁ」
『そりゃ、俺は昔も今もすげぇからな。しかし、お前が元気そうで安心したよ』
「師匠……」
不意に降った真摯な声音に、樹は寸の間言葉を失った。
師匠は、樹の兄にボクシングを教えた恩師だ。
武術だけでなく、家事全般にお手玉など色々な特技を持っていて、樹もよく懐いていた。
(だけど、女性とお酒に関してはだらしなくって、トラブルだらけで……)
最後には、爛れた生活が災いして命を落とした。
それが、今、樹の目の前にいる師匠――平助という男が辿った道だ。
そんな師匠が自分を心配してくれていたという事実は、樹の胸を切なくし、同時に芯からあたためた。
「……そうだよね。師匠が入院してから、私、ずっと落ち込んでいたし」
『まあ、何だ。色々心配も掛けちまったからな、仕方ねぇさ』
「でも今はね、周りの皆が励ましてくれたから、もう、大丈夫」
また別れが訪れるのは、やっぱり寂しいけれど。
と、その時だ。師匠が、『よし』と明るい声で言って不意に歩き出したのは。
「師匠? どこに行くの? もうお別れ?」
『樹、《狭間の日》はまだ終わんねぇぞ。まだ朝だ、朝。時間はたっぷりある』
「じゃあ、一体どこに……」
『何、ちっと散策でもしようかと思ってな。樹も来るか?』
師匠が足を止める。樹は、躊躇いなく相手の隣に並んだ。
「行く! だって私がいないと、師匠、女の人を追いかけてるだけで一日を終えちゃいそうだし」
『っははは、女もいいが、酒も捨て難いなあ』
全く……というふうな顔を作りながら、樹は思う。
この特別な一日――《狭間の日》は、きっとあっという間に過ぎてしまうだろう、と。
(それが寂しいって事は黙っておこう。師匠が心配するからね)
だから想いは胸にしまって、樹は師匠へと花咲くような笑みを向けるのだ。
「ねえ、師匠」
『うん?』
「次に会う時はもっと美人になってるから、楽しみにしていてね」
最後の時も、きっと、笑顔で見送ろう。
樹は笑顔の底で、そう、胸に誓うのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月23日
参加申し込みの期限
2018年03月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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