寝子高のとある（非）日常｜リアクション

寝子高のとある（非）日常

●僕らの青春はまだまだ終わらない！

　体育の授業を終えて、ティオレ・ユリウェイスはうーんと伸びをした。
「この《体育》っていうのはいいね。《バスケ》ってのは中々面白い球技じゃないか」
　座学の退屈さが嘘のように、体育はティオレの心を浮き立たせるものだった。
　盗賊仕込みの身軽さで、シュートを決めて決めて決めまくり。
　その大暴れっぷりに舌を巻く男子は多く、黄色い声を上げる女子も少なからず。
「学校っていうのも、まあ、悪くはないかもね」
　機嫌良くそんなことを漏らして、ティオレは汗に濡れた茶色の髪をかき上げた。

　その日の放課後のこと。
　鴻上先生！　と弾む声で呼ばれて、鴻上彰尋は声の方を振り返った。
　家庭科室の入口に立っていたのは、七夜あおい。
　突然の来訪に、彰尋は軽く目を瞠った。
「あお……七夜さん？　どうしてここに……」
「えへへ、すいません。今日、鴻上先生の調理実習があったって聞いて、つい」
「ええっと、でも調理実習はもう終わって……っていうのは、放課後だから知ってるよね」
「はい、でもその……ご迷惑でなければ、今日の献立、教えていただけないかなって」
　よく見れば、あおいの手にはノートが握られている。
　得心して、彰尋は口元にふわりと柔らかい笑みを乗せた。
　そうして、眼差しで、あおいを自身が作業をしていた調理台の方へと招く。
「勿論、構わないよ。俺が考えた献立は、ロールキャベツ、ポテトサラダ、フルーツ白玉……」
「うっ。……もしかして、私にはちょっぴり難易度が高いかなぁ……」
「大丈夫だよ。授業で使ったレジュメがあるから、良ければ。気をつけるところも纏めてあるし」
　わからないところがあれば何でも聞いて、と彰尋が微笑めば、
「ありがとうございます、鴻上先生！」
　と、あおいのかんばせにも明るい笑みの花が咲いた。

　――放課後の特別授業は、レジュメが書き込みで真っ黒になるまで続いたとか。

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あとがき

担当マスター：巴めろ
ファンレターはマスターページから！

お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました！

賑やかな学生＆教師生活、とても楽しく執筆に当たらせていただきました！
そんないつもとは違う《日常》、ＰＣ様方にも皆様にも、お楽しみいただけましたら幸いです。

なお、今回、全てのＰＣ様が２ページ以上に登場しております。
アドリブで描かせていただいたシーンもちょこちょこございますので、
お手数お掛けいたしますが、「出番が終わったかな？」という場合も、
念のため、ぱらぱらぱらっと頁を捲っていただけますと、
ご自身のＰＣの《日常》を、余すところなくお楽しみいただけるかもしれません。

重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました！

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