this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
やってみよう、絵本作りボランティア
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
【制作途中 ~前半~】
アリア・E・ドラクロワ
と
詠坂 紫蓮
は、順調に作業を進めていた。
最初はややぎこちなかった二人の空気も、やわらかく馴染んできたようだ。
「わあ、素敵! アリア先輩の絵って、温かみがあるね」
先輩相手ということで、初日には緊張の抜けなかった紫蓮も、次第に敬語が抜けてきていた。
アリアの前には、水彩絵の具と水彩色鉛筆が並び、少しずつ、虹には色が増えてきていた。
「ありがとう。水彩特有のタッチを活かせたらいいかと思ったのよ、嬉しいわ」
一日に一人ずつ友達が増えていくこの絵本、登場人物も虹の七色を擬人化したものとなっている。
「色とりどりでかわいいよね。完成が楽しみ!」
それぞれの色に合わせて、服や髪、肌の色や瞳の色なども設定してある。
多国籍な雰囲気が溢れる、優しくも可愛らしい絵本になりそうだ。
「アリア先輩の気持ちがこもっているのが、絵から伝わってくるみたい」
「子どもたちへのプレゼントだもの。大切に描いていきたいのよね」
ひたむきな横顔を見つめて、紫蓮は思った。
「……アリア先輩って、すごく美人さんだよね。心の美しさがにじみ出ているのかなあ」
「あら、褒めすぎじゃないかしら……。恥ずかしいわ」
「ううん、髪の毛も肌も、透き通るみたいで綺麗だし、すらっとしてるし。いいなあ」
「紫蓮さんも綺麗よ」
「んー、私、油断するとすぐ腕とかぷにぷにってなっちゃうのよね……」
二の腕をつまんでみせる紫蓮に、アリアは微笑みかけた。
「健康的で、私は素敵だと思うわ」
雑談を交わしながらも、着々と二人は作業を進めていった。
「ストーリーはこんな感じでいいと思うんだ。どうかな」
真辺 伸幸
のイメージを文章におこし終えた
逆巻 天野
が、努力の結晶を提示した。
「テーマは『友情』。いや、正確には、『友達のために出来ること』かな」
ずっと眠っている友人に、星を届けたいと願う針鼠の話だ。
「居眠りしてばかりのコアラと、たった一人の友人の針鼠、ね」
「ハリネズミさんとコアラさんが主人公なんだねぇ。友情、いいよねぇー」
「寝てばかりで星を見たことのないコアラに、針鼠が星を届けると約束するんだ」
「これがセリフだねぇ。『僕が星を見せてあげる。すごく綺麗なんだ』って。ぬぅー」
「そう。あ、子ども向けだから、ひらがなのがいいかな」
「んー、そうかもー」
「了解。で、針鼠は光る魚の背中に乗って、夜空の星……というかまあ、飴玉を集めるんだけど、まさかの夢落ちっていうね」
「ふむふむぅー」
「でも目覚めたあとで、コアラは言うんだ。『君の話す冒険によく似た夢を見たよ』って」
そしてコアラは針鼠に飴を差し出す。
「形は違っても、気持ちは届く。そんなストーリー。どう?」
「おぉ~!」
伸幸は拍手を贈った。
タイトルは、『きみにあげるもの』だ。
「さて。それじゃあ作っていこうか」
天野が切り出すと、伸幸は用意してあった割烹着を着こんだ。
天野が呆れた目を向ける。
「おい真辺、割烹着着てないで仕事しろ」
「割烹着はエプロンの変わりなのよー」
実家に端切れがないかと連絡したら、仕送りと一緒になぜか割烹着が入っていたのだ。
そんな伸幸の前には、色とりどりの布の端切れと、色紙とパステルが並んでいる。
「これで作るんだよね……?」
「そうなのー。俺、絵なんて描いたことないしねぇ。こういうほうがいいと思ってー」
「そうか」
そういう天野も、絵にはてんで自信がない。
「手触りもよさそうだし、仕掛けのある絵本ができればいいなぁって思うのよー」
後木 真央
が、フェルトの束を抱えて被服室から戻ってきた。
「今日のぶん、縫えたのだー!」
真央が抱えていたのは、絵本の用紙の代わりになる部分だった。
フェルトの布の間に、ポリエステルの薄い布を挟み、上からさらにフェルトを置いて重ね縫いしてある。
「ミシンが使えてばんばんざいなのだ」
しかし、布の絵本はこだわりをみせたぶんだけ、手間がかかる。
「んーっと、文字をアウトラインステッチして、背景もあれこれ頑張るのだ! 真央ちゃん、やればできる!」
絵本の舞台となるのは、寝子島だ。
寝子島神社の境内、映画村をイメージさせる土管のある空き地、シーサイドタウン風の町並み、猫鳴館の建物前、おうちの台所などなど。
どこか見覚えのありそうな場所を、これから作っていかなければならない。
「あっちもこっちも、フェルトの周囲をブランケットステッチで囲んでー」
そして忘れてはならないのは、猫だ。
「にゃんこのアップリケ、目指せ三十枚! なのだっ」
完成まで、まだまだ先は長い。
「あの……、大変そうですね。お手伝いは必要でしょうか……?」
遠慮がちに、
御巫 時子
が真央に訊ねた。
「ありがとう! でも真央ちゃん、大丈夫!」
「そうですか、よかった……。もし、困ったことがあったら言ってくださいね……」
「ちょっといいかねぇ~?」
霧谷 朧
が真央と時子に、首をひねりながら声をかけた。
「はい、なんでしょうか……」
「いやー、運動会ってさ、どんな雰囲気だっけって思ってさぁ」
「運動会……ですか……?」
森の運動会の絵本を作ることに決めたのはいいのだが、朧は運動会の記憶が曖昧だった。
「運動会は、走ったり踊ったりするのだ! とっても楽しい行事なのだー!」
「そうですね、短距離走、クラス対抗リレー、障害物競走……。走る種目は多いですね……」
「騎馬戦! 玉入れ! 綱引き! あとは忘れちゃいけないお弁当なのだ!」
時子と真央の話を聞くうちに、朧もそんなこともあったかと、かすかな記憶がよみがえってくる。
「あぁ、みんなで弁当食べ……」
言いかけて、朧は口を閉ざした。
小学生の頃、たしかに運動会には参加したことがあるのを思い出す。
朧が施設に入ったのは、小学校一年生のときだ。
両親が失踪し、その後養子縁組が決まるまで、朧は施設で育った。
(運動会……、そういや、一人で弁当食べたっけなぁ)
周りの家族連れが羨ましいやら、淋しいやら。
ひっかかりのある過去を、朧には、記憶にフタをして忘れてしまおうとするクセがある。
「あの……、どうかなさいましたか……?」
黙り込んだ朧を、時子が気遣う。
「ん? あぁ、んにゃ、わりぃ。ちょっち昔のこと、思い出してただけなんよ」
(まったく、忘れたはずなのに出てきやがって、もう昔のことなんていらないんだよ……)
「具合悪いんだったら、保健室行くのだ……?」
「やー、元気よっと。気にすんなって、あんがとなぁ?」
朧は首を振る。
(……っと、こんな気持ちでいたんじゃ絵本にもそれが出ちまうからな。ふっきらないと)
「おかげでいい雰囲気の絵本が作れそうさね」
綱引きのページにはつまみをつけて、引っ張ると動くように。
組み体操のページは立体的に起き上がるように。
そんな仕掛けを作るのだと説明すると、真央と時子は笑顔をみせた。
「楽しそうなのだー!」
「遊べる絵本は素敵ですね……」
気を取り直した朧もうなずいた。
「そうなんよ、子どもたちが喜んでくれるのが一番! さー、頑張って作るさねー!」
自分の作った絵本を、友達や先生と一緒に読んで笑顔になる園児の様子を想像し、朧はやる気を出した。
「真央ちゃんも頑張る! にゃんこにゃんこのアップリケなのだー!」
「皆さん、素敵な絵本が出来そうですね……」
「それじゃあ、主人公のなはとが古い図書室の掃除をしている場面が、最初でいいかなぁ」
夢宮 瑠奈
と
高尾 日菜
が話し合っていた。
主人公、夏月なはと(なつき なはと)が禁書に触れてしまったことにより、世界の安定に必要な『歌の元』が散らばってしまう――、そんな物語を作ろうとしている。
そして唯一最後に残ったのが、『希望』。
ホペと名乗る不思議な生物の形をとっている。
「ホペの頼みで『歌の元』を集めるために、なはとは『マジカルシンガー・ナハト』として活躍するの」
「魔法とアイドル、だね!」
「うん。上手く歌っただけ『歌の元』が集まって、それにつれてなはとの人気も出てくるんだよね」
そうして最後の『歌の元』と戦うなはとは、自分のやってしまったことの重大さを噛みしめるのだ。
「世界には触れてはいけないものがあると知って、なはとは後悔するの?」
日菜が訊ねた。
「ううん。後悔はしない。その頃には、歌う自分が好きになっていたから……」
全てを回収すると、ホペも同時に消えていくのだ。
ホペもまた、『歌の元』だったというわけだ。
ホペの本当の目的は、『世界の安定』すなわち、なはとの未来を決めることだった。
――禁じられた本を開けさせたのは、ホペだった。
「やっちゃいけないことをやったら、責任を取るんだっていうメッセージを込めたいの。責任をとる行いも、大事な経験になることがあるんだって……」
「わあ、それは素敵だねぇ、瑠奈ちゃん! 伝わるように、頑張ろう」
「ありがとう、日菜ちゃん」
ストーリーがかたまって、日菜は張り切った。
「うん、透明水彩で描こうかな。ふんわりとしていて、幻想的な雰囲気が出したいの」
色を作るのは大変なので、絵の具は私物を使うことにした。
「それじゃあ、瑠奈ちゃん、ラフの打ち合わせに入ろうか。なはとやホペの気持ちを、絵で表現しないと……だものね」
A4サイズのコピー用紙に、鉛筆でラフを描いていく。
「わあ、日菜ちゃんさすがだねぇ!」
さらさらと物語を絵におこしていく日菜に、瑠奈は感激した。
(瑠奈ちゃんがなはとちゃんに詰めた想いを、全部絵に詰め込めるように。素敵な絵本を一緒に作ろう)
鉛筆を動かしながら、日菜は再びそう決意した。
誰かのために絵を描くというのは、大変だけれどもやりがいがあって、とても楽しい経験だった。
「瑠奈ちゃんも頑張ってるな~。あ、さえちゃん、さえちゃんは調子どう?」
周囲をきょろきょろしていた
千鳥 雅人
が、
白柳 さえ
に話しかけた。
「あ、雅人くん。私はお絵かき中だよ、色を塗っているの」
「わ~、さえちゃん絵が上手だねぇ! とってもかわいいよ~!」
「ありがとう……」
はにかみながら、さえは微笑む。
マルチライナーで線を描いたところに、コピックで着色をほどこしているところだ。
「コピックの柔らかい色、私好きなんだぁ」
「絵の雰囲気と色がぴったりだねぇ」
マスコットキャラクターのような愛らしいクマに、淡くて優しい色がのっていく。
背景の、遊園地の乗り物はしっかり描いてあるが、キャラクターはどれも心の温かくなるようなやわらかなタッチで描かれている。
「私、絵を描くのが好きだから、楽しくて……。子どもたち、喜んでくれるといいよねぇ」
「俺も、立派なものは作れないかもしれないけど、楽しい絵本が作りたいな~!」
「雅人くんは、どんなお話にするの?」
「俺はね~、冒険物になるのかな。空を飛びたいって願う男の子が、風船をたくさん身体につけて空の旅に出るんだ~!」
そのまま男の子は世界一周を目指すのだと言う雅人に、さえは顔をほころばせた。
「途中でUFOと間違われて、通りがかった街が大騒ぎになったり。すれ違う飛行機の乗客に驚かれたりね!」
「なんだか楽しそうだねぇ」
「でしょ~。けど、途中でいらずらカラスに襲われて、風船が割られちゃうんだ」
「……それで、どうなるの?」
「だんだん高度が下がっていって~、下りた先がなんと、世界地図にも載ってない不思議の国!」
「わあ。完成したら、見せてほしいなぁ」
「もちろんいいよ~!」
「あれぇ、時子ちゃん、小鳥さんと一緒だ。かわいいねぇ」
雅人は、同じ保健委員の
御巫 時子
に気づいて、手招きをした。
時子の肩に乗った小鳥のさえずりが耳に届く。
「時子ちゃん、手に持ってるのって、それは糊?」
「ええ、そうなんです。いろいろと糊で貼りながら作っているので、乾くのに時間がかかってしまって。少しずつ作ってるんです……」
「ふぅん、そうなんだぁ。みんな張り切ってるよね~」
「糊を、使うの?」
おずおずと、さえが訊ねる。
「はい。ところどころ、飛び出す仕掛けを加えたくて……」
「飛び出す絵本、面白そう……」
そこへ、沙穂が様子を見にやってきた。
「皆、張り切ってるわね。調子はどう?」
美術室で作業を進める生徒達を、沙穂は見回した。
「あ、先生……」
雅人とさえに会釈をして、時子は沙穂に話しかけた。
「実は、見ていただきたいところがありまして……」
「あら、時子。もちろんいわよ、どこ?」
「この、飛び出す仕掛けの部分なんですけど……」
窓辺の席に移動すると、時子は絵本の仕掛けを沙穂に説明した。
鳥かごの扉を開けると鳥のお姫様が出てくる仕掛けや、また別の扉を開けると大きな怪物が飛び出してきて、それを捕まえようとしている場面など、楽しい工夫がほどこされている。
「この、怪物の場面なんかは迫力があって良く出来ているわね」
ページを閉じたり開いたりして、沙穂が言う。
「でも、動きのある箇所って壊れやすいのよね。子どもがいじると余計に。もう少し補強しておいたほうが安心かもしれないわ」
「なるほど、ありがとうございます……」
「あらでもこれ、面白いのね。右からも左からも読めるの?」
「あ、はい、そうなんです……」
時子の作る絵本は、右から読むとお姫様の目線で話が進み、右から読むと王子様の目線で話が進む展開となっている。
「二人が、真ん中で出会って、魔物を退治して崩れる城から飛び立つんです……」
鳥の目線で進むために、花や草も大きく表現されている。
画材も、子どもに馴染みがあるようにと、色鉛筆とクレヨンを選んであった。
「子どもたちに、喜んでもらえるといいのですが……」
「もちろん喜ぶわよ! こんなに気持ちが込められているんだもの」
沙穂は時子に笑顔を向けた。
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
やってみよう、絵本作りボランティア
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月13日
参加申し込みの期限
2013年07月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!