駆け抜ける嘶き｜リアクション

駆け抜ける嘶き

「まったく、少し調べたいことがあっただけなんだけどねえ」
　そういって、少し不機嫌そうに溜息を吐くのはティオレだ。
ほしびとであるティオレは、もしかしたら噂になっている馬オトコは
自分と同じほしびとが、なんらかの理由で暴れているのではないかと疑い、
調査のために星ヶ丘ホースパークを訪れたのだった。
そうして周辺調査をしてみたものの、さまざまな調査結果を総合するに
馬オトコは頭が馬、体が人という獣人もかくやという姿であるという。
星幽塔の法則に則れば、仮に馬オトコ獣人だった場合は
寝子島に降り立った瞬間に人の姿になっているはずだし、
姿を晒せば塔へと強制送還されるはずなので、
怪異の主役は塔の関係者ではないとすぐにわかった。
ならばここで帰ってしまっても問題はない、はずだが。
困っている人々を放ってはおけないと、
乗り掛かった舟に乗ってしまうのがティオレの性分。
今回も怪異の解決をすべく、調査を続けることにしたのだった。

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