駆け抜ける嘶き｜リアクション

駆け抜ける嘶き

　一同が到着したのは、星ヶ丘ホースクラブの裏手。
従業員たちが馬オトコに追いかけまわされたという噂の場所だった。
ホースクラブの関係者以外は特に用のない場所柄のせいか、昼間でも人通りは少ない。
「まずは、周辺の調査が必要そうだな」
　修の言葉で、一同はなにか手がかりはないかと各々あたりを調べ出す。

白露は陰陽師として、新たな怪異の可能性を視野に入れながら調査を進めた。
今のところ、馬オトコの昼間の目撃情報はない。
夜間にしか出現しない妖や妖怪の亜種ならば、それこそ白露の出番というわけだ。
陰陽師の面目躍如とばかりに、気合を入れて調査に乗り出した。
そう考えて路地のあちこちを調べてみるも、
人に害をなすような邪悪な気配は感じられない。
少なくとも、もれいびやほしびとたちを含む寝子島に住む人々に
危害を加えたりするような存在ではないのだろう。
（とはいえ、夜中に驚かされるのも心臓にはよくないし、
ホースパーク的には実害が出てるからなあ）
　本人（馬）に悪気はないんだろうけどね、と溜息を吐きつつ、
白露は周囲の調査を続けるのだった。

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