いきなり関係進展！　リア充爆発できるかな｜リアクション

いきなり関係進展！　リア充爆発できるかな

◆思わぬ出会い

「八神と椿がいるはずだが……」

　新田亮は旅館の一室で目を覚ました。きょろきょろとあたりを見回して、見知った顔を探す。しかし、その部屋には大きなプレゼントボックスのほか、特別目立ったものもなく、八神修の姿も、椿美咲紀の姿もなかった。

『……あの、お二人は二人部屋ですよ。……もしかして寝ぼけてます？　それとも、信じてたのに……って感じですか？　だとしたらほんと、同情します』

　旅館の一角にある大きなテレビに、明るい毒舌とともに困惑した顔のゆかりの姿が映る。新田は首を振り、俯いた。

「いや……」

　テレビの中のゆかりは気まずそうな顔で言葉を紡ぎかねていたが、やがて腹を決めたのか、亮にはっきりと言う。

『……まあ……こういった展開はこちらとしても想定外。願わくば、弊社システムの不具合を呪ってくだされば……』

　ゆかりは一呼吸置いて、ぱんと手を叩いた。

『ですので、新田さんには特別に、とってもかわいい女の子をご用意しましたー！』

　その言葉に、亮は部屋の一角にどーんと据わっているプレゼントボックスに目をやる。ゆかりはにっこりと微笑んだ。

「この箱か？」
『はい！　どうぞ開けてみてください！』

　亮は警戒に警戒を重ねて、そのプレゼントボックスをゆっくりと開けた。何か仕掛けが発動しないか、爆発しないかと思いながら。その蓋を慎重に開けると、中には艶のある長い黒髪の少女が蹲って入っていた。

「ここは……どこ？」

　入ってきた光に少女は目を開ける。起き上がって外に出た彼女は、亮の姿を見て目を丸くした。亮は、彼女の美しさに思わず感嘆の声を上げる。

「おお……！」
『というわけで、楽しんでくださいね？』

　テレビからゆかりの姿が消えた後、亮と少女は、ぎこちないながらも会話をして、テレビを見て親睦を深める。盛り上がってきたところで、部屋の扉が開いて黒服の男がサイコロを二つ持ってきた。そしてカンペを二人に見せる。

「このサイコロを振るのか？」
「ふにゅう、何が起こるんだろう、ドキドキする……！」

　少女は迷いもなくサイコロを振った。

「えいっ！」

　――発動。
　起こる出来事に疑いもない彼女とは対照的に、亮は慎重に慎重を重ねてろっこんを発動する。出た目は――。

「きゃっ！」

　亮が飛んできた水を避けると、それは哀れ、少女にかかった。服はびっしょりと濡れて、その下に纏っているものが透けて見える。

『ええー、普通それ避けます？　たしかに、女の子の濡れ透けのほうが需要は大きいですけど……』

　少女は亮とゆかりの視線に、かあっと頬を赤く染めて手でその部分を隠した。

「恥ずかしいよぅ……」
「ッ……！」

　警戒を緩めずと思いながらも、少女の仕草に不覚にも亮の心臓はどきりと鼓動を早める。それをよそにゆかりの妙に明るい声が響いた。

『二発目はないですから、どうかご安心を。それではまた！』

　なんとなく気まずい空気が流れた後、再び扉が開き、黒服の男が少女の着替えを持ってくる。少女はそれを受け取った後、未だ赤い顔で口を開く。

「……見ないで」
「あ、ああ……」

　亮は少女から視線をそらした。

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