いきなり関係進展！　リア充爆発できるかな｜リアクション

いきなり関係進展！　リア充爆発できるかな

◆「ひとつ言っておく。俺はロリコンではないからな」

「はにゃ？」
「ここは……カラオケか？」

　目を覚ました八神修と椿美咲紀の前に広がっていたのは、なんの変哲もないカラオケボックスだ。テーブルに、ソファに、モニターに、マイクと、よくある設備がそろっている。修が曲を入力できる小型機械を、元の場所から抜き取ってテーブルに置く。すると、先程までアイドルの映像を流していたモニターの画面がザザ……と音を立てて砂嵐に変わった。

『はーい、いきなりですがルール説明でっす！』

　暫しして砂嵐が消え、そこに移るのは元の映像ではなく、奇抜な恰好の少女と明るい声。二人にとって見覚えのあるゆかりの姿だった。ゆかりは企画の趣旨を説明する。そこに、修がストップをかけた。

「現金報酬、及びカラオケ経費はそちらで持ってもらいたい。貴重なプライベートを提供するのだからな」
『ええ……報酬なら前回もちゃんとお支払いしたじゃないですか。そんなに信用ありません？』
「癖みたいなものだ」
『……その件についてはご安心ください。とにかく！　暫くしたらスタッフが面白い物を持ってきますので、楽しみにしててくださいねー？』

　修の言葉に合わせて苦笑、微笑と表情を変えるゆかりが最後にこう言って、画面はまた砂嵐に変わる。そしてまた、アイドルの映像に戻った。

「お、『お野菜天国』発見なのです！」

　修の交渉の間、じっと曲を探していた美咲紀が声を上げる。彼女はそのままピッと曲を入れてマイクを取った。七夕のカラオケ大会でも歌ったことのあるこの曲は、彼女の持ち歌だ。

「定番の持ち歌は発声連勝にも良いのですよ」
「連勝、じゃなくて練習だな」
「笑わないでくださいー！　さ、シュー君も歌うのです」
「いや、俺は遠慮しとくよ」
「そーですか」

　美咲紀は首を傾げながらも、明るいアニソンやJ-POPを歌う。何曲か歌った後、飲み物と共に黒服のスタッフが入ってきた。グラスの中には二人の好きなドリンクが注いである。スタッフは『二人とも振ってください』というカンペを見せた後、サイコロを差し出した。

「こうです？」

　出た目は美咲紀が２、修が１。スタッフが部屋を出て行った途端、美咲紀の背がすっと縮んだ。子供化でよかったと安堵しながら、美咲紀は子供の視界を楽しむ。修はそれを爆笑しながら見ていた。急に体格が子供のそれになったせいか、合わなくなった衣服の一部が彼女の身体からずり落ちていく。

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