MY LITTLE LADY｜リアクション

MY LITTLE LADY

■柳内みことさまへ宛てたお手紙

　ごきげんよう。あなたはどんな方かしら。
　おじさま？　おばさま？　それとも高いお城に住む王子様かしら。
　孤児院からいつか誰かが連れ出してくれるって夢が、ようやく叶いました。
　天にも昇る幸せで、もうきっとこの先の人生、これ以上の幸せなんてないでしょうね。
　きっとりっぱに勉学を修めて、りっぱな大人になりますね。

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　ごきげんよう、おじさま。もしくはおばさま。
　前言を撤回してしまうようですけれど、人生最大の幸せが早くも更新されてしまいそうです。
　学校で出会った方なのですけれど、それがとても優しい方で、けれどとても真面目な方で、あまり自分のことを話さないのですけれど、それがなぜだか気になってしまって。
　ああ、とりとめの無い文章になってしまいましたわね。お気に障りましたら、手紙を丸めてゴミ箱にぽいしてくださいましね。
　それで。その方なのですけれど、一緒にお出かけをする約束をとりつけましたの。
　いいお友達になれるかしら。

　ＰＳ
　私、友達の作り方を知りませんでしたわ。

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　ごきげんよう。おじさま、もしくはおばさま。
　以前にお話しした方を覚えていますか？
　もしかしたらお叱りを受けてしまうかもしれませんけれど、この方は、異性の方なのです。
　なんと言っていいのでしょうか……ええと、そうですね。
　デート、といって差し支えないのでしょうか。
　あの方はそんな風にとってはくださらなかったのですけれど。
　けど。
　あの方の好きなものや、楽しいと感じるものや、歩くペースや話しかたや、いろんなことが分かって、とっても素敵な一日でした。

　ＰＳ
　友達は私が恋をしたと言うのです。
　これは、本当に恋なのでしょうか。
　それとも彼に、興味がわいただけなのでしょうか。

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　ごきげんよう、おばさま。もしくはおじさま。
　卒業も近づく季節ですね。
　彼とは……はい。おつきあいと言っていいのか、とても親しくさせて頂いています。
　折角学校に入るお金を援助して頂いたのに、わたしったら色恋のことばかりで、とても失礼なことをしていないかしら。
　最近は、彼と将来のことを話すことが増えました。
　彼は警察学校に入って、社会のために働きたいと言っています。
　真面目で優しい彼らしくて、私とっても嬉しくなってしまって、応援をしたのですけれど……。
　警察学校は山の中にあって滅多に外の人と会えないそうです。
　手紙は沢山書くといってくれていますけれど、会えない時間はとても寂しくなるのかしら。

　けれど、こうも思うのです。
　そんな彼だから、私は恋をしたのかも。
　優しさや真面目さが、広く世界に向いていたからこそ、その横顔や後ろ姿を、私は応援したのかもしれません。

　ＰＳ
　卒業をしたら、手紙を書く相手が二人に増えますね。
　それはそれで楽しみになってきました。

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あとがき

担当マスター：青空綿飴
ファンレターはマスターページから！

　ごきげんよう、おじさま、もしくはおばさま。
　『MY LITTLE LADY』はいかがでしたでしょうか。
　お気づきのかたもいらっしゃったでしょうか。このシナリオはある有名な児童文学作品をモチーフにしております。２０世紀初頭の作品ですから、もしかしたらちゃんと読んだことの無い方もいらっしゃるかも多いかも知れませんが……。
　学生援助のすばらしさやそこから得られるものについて描いた、とても素敵な作品なので、もしご興味がありましたら手にとっていただけると、今日のような気持ちをもっと沢山あじわえるかも、しれません。

　この児童文学作品、そしてこのシナリオ『MY LITTLE LADY』に込められたのは、そんな『気持ちや気づきのお土産』でした。
　あなたはあの少女から、どんなお土産を持ち帰りましたか？

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