【修学旅行】サイコロコロコロ、神戸と京都へ行こう！の旅｜リアクション

【修学旅行】サイコロコロコロ、神戸と京都へ行こう！の旅

●４日目　夜行バス
　遠ざかっていく神戸の明かりを背に、七瀬は修学旅行の出来事をのんびり振り返っていた。
　たった数日間の出来事だというのに、ずいぶん久しぶりに島へと戻るような、そんな錯覚を覚える。ダイスの目に一喜一憂したのも、今ではすっかりいい思い出だ。
　新幹線で京都に着いて、清水寺を散策して、神戸では先生たちとお土産を選んで……。
　本当にいろいろな事があったが、全てが楽しい旅だった。
「シケた気分のまま帰んのたりーなー……ノリよく歌って帰ろうぜー」
　後ろの席では、聖華が何やら英語の歌詞を口ずさみながら、手でシートを叩いていた。
　クラスメートからのリクエストに応えるように、即興で歌ったり拍子をとったりするのは、さすが吹奏楽部の打楽器担当といったところか。
「ムニャ……生八つ橋にわらび餅……もう食べられないわ……」
　いっぽう嬢は旅の疲れが出たのか、座席に体を沈めてすっかり熟睡している。ときおり呟く寝言から、どうやら京都の夢を見ているようだ。
　時刻は深夜を回ろうとしていた。今頃は、新幹線に乗ったクラスメートたちも、ぐっすりと眠っていることだろう。明日からは、いつもの日々が彼らを待っている。

　寝子高３年の生徒たちの、たった一度の神戸と京都の修学旅行。
　ダイスの出た目で笑って泣いての４日間は、こうして幕を下ろした。

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