【三寮祭】星ヶ丘、マスカレード☆｜リアクション

【三寮祭】星ヶ丘、マスカレード☆

■対決の結果は
「あ！アイツ絶対オオカミだ！」
　寮内で尻尾をつけた男を見かけ、指を差す源竜世。
　即座に走り出そうとするのをタイラ・トラントゥールは
「お前は説明を聞いていたのか？走るなと言われただろうが」
「ああ、くそ！走っちゃいけねえってどうやって追いかければいいんだ！？」
　難しすぎんだろ！と竜世は真正面からオオカミへ向かって行く。
　体格差もあるだろう、逃げて行くオオカミとは距離を離されてしまう。
「あー！　……逃げられた！」
「無様だな」
　ふふん、とタイラが竜世の姿に笑みを浮かべる。
「見つけんのは簡単なのに……くっそー！」
　勘の良い竜世。オオカミの姿は見つかるのだが、そこから追いつき、銃を向けるのが如何せん難しい。
「そう真正面から行くからダメなんだ」
「だってよー……あ、あいつ、オオカミっぽい」
「トリ頭、隠れるぞ」
　二人はササッと物陰へと身を潜める。
　道の向こうからやってきたのはオオカミとして参加中の龍目豪だった。
　向こうも警戒心マックスで慎重にやって来ているのが見て分かる。
「走らないというのは有難い。いくらでもやりようはあるからな。……見てろ」
　タイラがポケットから石ころを取り出した。
　そして、豪の視線の反対側に大きく投げ……その石が木へと命中する。
「ハンターかっ！？」
　豪が物音に身構え、そのままスルリと建物の脇へと隠れる。と、そこに居たのは
「飛んで火に入る夏の虫……とはこういう時に使うのだと習った」　
　豪の目の前には、銃を向けるタイラの姿。
　タイラの発したペイント弾により、豪のお腹は青いインクにまみれるのだった。
「凄いじゃねぇか」
　豪の言葉に、得意げな笑みを向けるタイラだった。
「すげーな！タイラ！でも俺も負けないからな」
「……ふん」
　駆け出していく元気いっぱいな竜世とタイラに、豪は目を細めるのだった。

「……どうだトリ頭！ボクの勝ちだ！！！」
「ちっくしょーー！！！」
　勝ち誇った表情のタイラに、心底悔しそうな竜世。
　あれから竜世もオオカミを見つけても「見っけ！」と叫びたいのを我慢し、小柄さを駆使してオオカミに近づき、見事ペイント弾を命中させることは出来たのだが……
「ボクの作戦勝ちだな！」
　あれからタイラも更にオオカミをゲットし、２体１でタイラの勝利となる。
「……くやしいっ。が！負けは負けだ！」
　竜世はタイラへ笑みを見せる。
「すげーじゃん、タイラ」
　竜世の心からの笑顔に
（そんな素直に褒めるな、馬鹿）

　照れて紅潮してしまいそうな頬を、必死に隠すタイラだった。