【三寮祭】星ヶ丘、マスカレード☆｜リアクション

【三寮祭】星ヶ丘、マスカレード☆

■精鋭！スタッフの皆様
　星ヶ丘寮スタッフの朝は早い。
　否、仕事は勿論２４時間体制である。

　祭りが始まるということで、寮生は浮足立っていた。その雰囲気を感じ取るのは、星ヶ丘寮のスタッフである八咫鏡。
　鏡は元・寝子島校の生徒でもあり、寮のイベントを懐かしくも感じ。
（だけれど、やることはいつも通りです）
　愛らしい容姿に冷静な眼差しで、黙々と郵便や到着する荷物を仕分けて行く。
　テキパキとした所作と丁寧な物腰、何より記憶力の良さにより、星ヶ丘寮の物流を主に担当している鏡。
　そして物流以外にも、巡回や警備など、幅広い仕事を任されている。
　更に言えば、一見少女にしか見えない容姿のため、メイドとして働くことも少なくない。
　星ヶ丘寮生でも鏡が男性、しかも二十歳を超えていることに気づかぬ者も多いだろう。

　雨の日も雪の日も。祭の日だって。
　鏡は、今日も淡々と、また正確に仕事を遂行していく。

　星ヶ丘寮生がメインの祭であっても、やはり学生達では手の回らない部分も出てくる。
　共有された資料を元に、静かにサポートするのも鏡たちスタッフの役目でもあり。
「それでは、この時間はエントランスが混み合いそうなので、人の流れの整理に向かいます」
　鏡の言葉に頷く同僚たち。
　学生たちが用意した資料や星ヶ丘寮内図、イベントのタイムテーブルなどを見て、綿密に計画を練る。
「防犯カメラ以外にも、当日はこのマークの所にカメラを設置しまーす！それで、ここに大型モニター、あとこっちのマークは中型モニター。プチイベントの司会の言葉が届くようにスピーカーも多く設置します」
　撮影班を担当する檜扇舞華がツインテールを揺らしながらキラキラとした眼差しで星ヶ丘寮内の地図を指差していく。
「クローズドなパーティーなので生放送はしませんが、寝子島高校、星ヶ丘寮の良い宣伝材料になること間違いなしです」
　ふっふ、と期待に胸を膨らませる舞華。
（面白いトラブルは絶対に見逃しませんよ！どんなカオスが起きるのやらです！）
　それでいいのか、スタッフ……！というツッコミが起きそうではあるが。舞華はニマニマと笑みを浮かべる。
「これが当日の搬入リストです。一枚目は調理スペースへ運ぶもの、二枚目はプール周りの什器です。また、こちらは当日の調理担当者のリストです。それから……」
　舞華の姉である檜扇唱華が笑顔のままテキパキと資料を配る。
「一般開放の４時間前に搬入経路から調理師含めスタッフがいらっしゃいます。朝早く恐縮ですが、身元のチェックは厳重に」
「勿論です」　
　リストに目を通しながら鏡は頷くのだった。

　多くの星ヶ丘寮生、また星ヶ丘寮のスタッフたちががおもてなしの気持ちを込めながら。　
　いよいよ、星ヶ丘寮のカーニバルが始まる……！

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