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- 00月00日生 00歳
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【三寮祭】猫鳴館、アロハ・オエ♪
●キャンプファイヤー！
夕刻になった。
裏庭菜園に井桁型に組まれた薪に火が灯された。
人々が集まって来て火を囲む。
♪風のすべてがわらしの唄ー、星の全てがわらしの夢ー
♪かいまなひ～ら～ かいまなひ～ら～
♪あ～やんなっちゃった～～
両端に火をつけた松明を手にシラワキシーザー三世こと雨崎 荒太郎が現れた。
荒太郎は左右に、現自治会長の橘 明里と元自治会長の海原 茂を従える格好だ。
明里と茂も手に松明を持っていて、ハッという裂帛の気合を入れると、それをぐるぐると回し始めた。
「おお～～～っ！」
観客たちから拍手があがる。
シラワキシーザー三世が一歩前に進み出ると、松明を天高く投げ上げた！
観客たちが息を呑んだ次の瞬間、見事にキャッチ。
大技に大きな喝采が起こったのも束の間。
ヘルメットのクジャクの羽根に火がついて、荒太郎は飛び上がった。
「あっちぃー！」
ぴょんぴょんとギャグ漫画みたいに飛び跳ねていたが、綾辻 綾花がちゃんと消火用の水を用意していたので事なきを得た。
新田 樹は、兄と並んで体育座りでショーを見ていた。
「ダンスショーもあるなんて、まさに至れり尽くせりだね」
「まったくだな」
新田 亮は頷く。
しばらくは、すごいすごいと拍手をしながら見ていたが、そのうち樹はうずうずしてきた。
「見てるだけじゃ物足りないから、私も踊りたい！」
妹がこうなったら兄に止める手立てはない。
樹はファイアーダンスに飛び入り参加した。
護身術で身体は鍛えているので運動神経は悪い方じゃない。いきなりでもそれっぽく松明を回せる。
「どう兄さん？ けっこうイケてない？ ……あちち」
（おいおい、気をつけろよ？）
一寸火の粉がかかっただけのようだが、心配せずにはいられない兄である。
曲調が甘く変わった。
ウクレレを弾くのは鷹取 洋二。
興が乗ったのか、三宅 葉月も隣でいっしょにウクレレを演奏している。
（とてもいい曲だなー……）
羽生 碧南はうっとりとその曲に聞き入った。ううん、本当は洋二に魅入っていた。
視線に気づいたのか、顔をあげた洋二と目が合う。
碧南は思わず目を伏せた。
（どうしよう、胸がドキドキして、何だか苦しい……）
「羽生先輩、出番ですよ」
水上 桜に耳打ちされる。そう、ミミの即席レッスンを受けた碧南と桜は、フラガールとしてショーに出演するのだ。
「緊張してる？」
ミミ・アハユルがふたりに聞いた。ふたりは勿論、と頷く。
「だよねー。でも上手にやろうとか私下手かもとか考えちゃダメ。音楽に合わせて気持ちいいように体を動かして。フラって楽しいよ。楽しもう？」
そうだな、と碧南は思う。それに……。
（少しでも先輩の近くにいたい）
「いこう」
ミミに促され、人々の輪の中心に踊り出る。
∞の形を描くように腰を左右に振ると、スカートが音を立てて揺れた。
一番基本のカオというステップだが、これだけでも意外と難しい。
まあしかし。正しくできているかなんてことは今は無視しよう。
（だって、１時間くらい練習した程度でカンペキにできるわけないもんね）と桜は思う。（私たちが楽しんでいれば、それはみんなに伝わるはず。それが大事よね）
手のひらを自分の胸のまえでゆっくり合わせる。
これは「私」を意味する動作だとミミに習った。
それから、その手を目の前にいる誰かに向かって開くように前に出す。
これは「あなた」を意味するそう。
いったん広げた両手を胸の前でクロスさせ、抱きしめるような仕草。
これはアロハ――「愛する」という意味だと聞いて、桜は（フラってロマンティックな踊りなんだな）と思ったものだ。
碧南はこの「あなた」の仕草のときに、自然と洋二の方に手を向けていた。
「私は」「あなたを」「愛する」。
誰にも気づかれない、自分でも無意識の、フラダンスの告白だった。
恋の歌が終わった。
今日練習して今日踊るというぶっつけ本番に近いものだったが、桜も碧南もそれを感じさせない踊りだった。
大満足なミミが、今度は手拍子で観客みんなを盛り上げ始める。
「さあみんな！ 最後は魅惑のファイヤーフラダンスだよー！」
曲調が激しくなった。荒太郎、明里、茂、樹が、松明を持って再び登場する。
その左右では碧南と桜が細かく腰を振って踊りはじめる。
荒太郎が投げた松明が、ミミの手に渡った。
ミミは腰を激しく振りながら、火のついた松明をくるくると回した。
「アロハー！ みんなも踊って！」
ミミの呼びかけに、ひとりまたひとりと踊り出す。
人々はゆっくりと火を囲んで回りながら踊った。
祭りは、火鍋のように、熱く、赤く渦を巻いて、ひとつのうねる生き物になっていった。
夕刻になった。
裏庭菜園に井桁型に組まれた薪に火が灯された。
人々が集まって来て火を囲む。
♪風のすべてがわらしの唄ー、星の全てがわらしの夢ー
♪かいまなひ～ら～ かいまなひ～ら～
♪あ～やんなっちゃった～～
両端に火をつけた松明を手にシラワキシーザー三世こと雨崎 荒太郎が現れた。
荒太郎は左右に、現自治会長の橘 明里と元自治会長の海原 茂を従える格好だ。
明里と茂も手に松明を持っていて、ハッという裂帛の気合を入れると、それをぐるぐると回し始めた。
「おお～～～っ！」
観客たちから拍手があがる。
シラワキシーザー三世が一歩前に進み出ると、松明を天高く投げ上げた！
観客たちが息を呑んだ次の瞬間、見事にキャッチ。
大技に大きな喝采が起こったのも束の間。
ヘルメットのクジャクの羽根に火がついて、荒太郎は飛び上がった。
「あっちぃー！」
ぴょんぴょんとギャグ漫画みたいに飛び跳ねていたが、綾辻 綾花がちゃんと消火用の水を用意していたので事なきを得た。
新田 樹は、兄と並んで体育座りでショーを見ていた。
「ダンスショーもあるなんて、まさに至れり尽くせりだね」
「まったくだな」
新田 亮は頷く。
しばらくは、すごいすごいと拍手をしながら見ていたが、そのうち樹はうずうずしてきた。
「見てるだけじゃ物足りないから、私も踊りたい！」
妹がこうなったら兄に止める手立てはない。
樹はファイアーダンスに飛び入り参加した。
護身術で身体は鍛えているので運動神経は悪い方じゃない。いきなりでもそれっぽく松明を回せる。
「どう兄さん？ けっこうイケてない？ ……あちち」
（おいおい、気をつけろよ？）
一寸火の粉がかかっただけのようだが、心配せずにはいられない兄である。
曲調が甘く変わった。
ウクレレを弾くのは鷹取 洋二。
興が乗ったのか、三宅 葉月も隣でいっしょにウクレレを演奏している。
（とてもいい曲だなー……）
羽生 碧南はうっとりとその曲に聞き入った。ううん、本当は洋二に魅入っていた。
視線に気づいたのか、顔をあげた洋二と目が合う。
碧南は思わず目を伏せた。
（どうしよう、胸がドキドキして、何だか苦しい……）
「羽生先輩、出番ですよ」
水上 桜に耳打ちされる。そう、ミミの即席レッスンを受けた碧南と桜は、フラガールとしてショーに出演するのだ。
「緊張してる？」
ミミ・アハユルがふたりに聞いた。ふたりは勿論、と頷く。
「だよねー。でも上手にやろうとか私下手かもとか考えちゃダメ。音楽に合わせて気持ちいいように体を動かして。フラって楽しいよ。楽しもう？」
そうだな、と碧南は思う。それに……。
（少しでも先輩の近くにいたい）
「いこう」
ミミに促され、人々の輪の中心に踊り出る。
∞の形を描くように腰を左右に振ると、スカートが音を立てて揺れた。
一番基本のカオというステップだが、これだけでも意外と難しい。
まあしかし。正しくできているかなんてことは今は無視しよう。
（だって、１時間くらい練習した程度でカンペキにできるわけないもんね）と桜は思う。（私たちが楽しんでいれば、それはみんなに伝わるはず。それが大事よね）
手のひらを自分の胸のまえでゆっくり合わせる。
これは「私」を意味する動作だとミミに習った。
それから、その手を目の前にいる誰かに向かって開くように前に出す。
これは「あなた」を意味するそう。
いったん広げた両手を胸の前でクロスさせ、抱きしめるような仕草。
これはアロハ――「愛する」という意味だと聞いて、桜は（フラってロマンティックな踊りなんだな）と思ったものだ。
碧南はこの「あなた」の仕草のときに、自然と洋二の方に手を向けていた。
「私は」「あなたを」「愛する」。
誰にも気づかれない、自分でも無意識の、フラダンスの告白だった。
恋の歌が終わった。
今日練習して今日踊るというぶっつけ本番に近いものだったが、桜も碧南もそれを感じさせない踊りだった。
大満足なミミが、今度は手拍子で観客みんなを盛り上げ始める。
「さあみんな！ 最後は魅惑のファイヤーフラダンスだよー！」
曲調が激しくなった。荒太郎、明里、茂、樹が、松明を持って再び登場する。
その左右では碧南と桜が細かく腰を振って踊りはじめる。
荒太郎が投げた松明が、ミミの手に渡った。
ミミは腰を激しく振りながら、火のついた松明をくるくると回した。
「アロハー！ みんなも踊って！」
ミミの呼びかけに、ひとりまたひとりと踊り出す。
人々はゆっくりと火を囲んで回りながら踊った。
祭りは、火鍋のように、熱く、赤く渦を巻いて、ひとつのうねる生き物になっていった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年12月19日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年12月26日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年12月26日 11時00分
