【星幽塔】第五階層　作れ！　騎士団特製ドリンク！！｜リアクション

【星幽塔】第五階層　作れ！　騎士団特製ドリンク！！

結果：バザーのジュースは……？

　こうしていくつものドリンクが作られた。すべてのドリンクが出揃う頃には特殊効果も落ち着き、ナイト・オブ・リブラスは困ったような、それでいて嬉しそうな声で言った。
「すべて試飲させてもらったが、どれもこれも良いものであった。だが、あえてこの中から２つの組み合わせを選択させてもらう」
　リブラスはそういうと、旅鴉月詠と椿美咲紀を見た。
「今回は金剛オレンジ、マッスルバニラ、デーツの組み合わせと、ニンジン、トマト、りんごの組み合わせの２種類を出そう」
　その言葉に、月詠は「おぉ」と僅かに感嘆の息を漏らし、美咲紀は「やった！」と小さく歓声を上げる。そして、皆は暖かな拍手で答えたのだった。

　そして……バザー当日。

　騎士団のコーナーには、ジュースを求めて多くの人が集まっていた。選ばれたドリンクは『月詠ブレンド』と『美咲紀ブレンド』という名前で配られ、多くの人の舌を楽しませた。
　そして、希望者は自分達のブレンドをバザーで出す事になった。

「ジュースはいかがですか！　騎士団の特製ジュースですよ～」
「二種類のジュースはいかがですか～！」
　エプロンをつけたリリエル・エーテライトとメリィ・ランページが、騎士団のブースで呼び込みを行っていた。元気な少女達の声に誘われて、いろんな人がジュースを貰いにやってくる。と、２人は笑顔で対応する。
「おまたせ！　『月詠ブレンド』２つに『美咲紀ブレンド』２つやね？」
　と、鎧姿の服部剛もお手伝い。はきはきと、溌剌とした笑顔で対応すれば人々をひきつける。
「聖騎士団です。今後もよろしくお願いします」
　と、ジュースとパンフレットを配っているのは鎧を借りてきている恵御納久隆。古参の騎士に見える彼は、市民から笑顔で「がんばって！」など応援されていた。それに会釈しつつもミキサーについて考えた。
（実に不思議なミキサーだったな。付喪神だろうか？）
　休憩中に飲んだジュースはどちらもとても美味しかった。話を聞くと今日は特殊効果を混入させなかったらしい。なにはともあれ、平和でよかった、と思う久隆だった。

「よかったら、そのポタージュもらえる？」
「あぁ、どうぞ」
「ありがとう！」
　アリス・ミーティアは八神修にアスパラポタージュを分けてもらっていた。修は丁度美咲紀と共にバザーを見て回っているところだった。
「ちょっと肌寒い日にはあったかポタージュがいいのです」
「そうねぇ～♪　あ、あっちのパイもおいしそう！」
　美咲紀がほのぼのとした声でそういえば、アリスが屋台を見つけ、行ってみよう、と誘う。修は先に行く２人に優しい眼差しを向けながらゆっくりと後を追うのであった。

「このジュース、なかなか美味しい……。確かに、説得力がある」
「あまぁ～い♪　とろけそうだね～♪」
　水上桜とクポラッチョ・ププルは騎士団のブースで配られたジュースを飲みながらバザーを楽しんでいた。ほかにもパイやらクッキーやらシフォンケーキやら惣菜パンやらいろんなお店がある。
「どれもおいしい！　ふわっふわでさくっさくで！」
「ほら、口についてるわよ？」
　嬉しそうなクポラッチョの口元を桜がティッシュでふいてあげると、クポラッチョは「ありがと！」とにっこり。なんだか弟が出来たような気分の桜であった。

「ふむ、悪くない」
　月詠はバザーの様子をスケッチブックに書くと、満足げに頷く。そして、少しだけ口元を綻ばせるとバザーの雑踏の中へと混じっていくのだった。顔を上げれば七峯亨と矢萩咲が楽しげに肩を並べて歩いているのが見えた。すれ違ったヒューマ・ノ・スキッドはジュースを片手になにやらぶつぶつ言いつつ歩いていた。レシピでも考えているのだろうか？
　そして、自分の名前を呼ばれたような気がして振り返ると、ティオレ・ユリウェイスと新田樹が手を振っていた。月詠は１つ頷くと、２人と共に歩き出した。

　バザーは成功し、騎士団の広報活動もおおむね順調だったようだ。
　その影にはカオスなジュース作りがあった事を忘れてはいけない。

（終）

　

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あとがき

担当マスター：菊華伴
ファンレターはマスターページから！

菊華です。
まずは、ガイドに登場してくださった矢萩咲さん、七峯亨さん哀坂極夜さん、真にありがとうございます。
今回は「みんなで騎士団特製ドリンク作りにしよう！」とこんなふうに。
当初の予定ではわきあいあいとほのぼの路線になるはずだったんですが色々考えてダイスを取り入れ、こうなりました。

……カオスになるよね。

星幽塔が舞台ということもあり不思議な力が働いてしまいましたけれども、楽しんでいただけたら幸いです。

どのドリンクも面白い結果になり、こちらも楽しませていただきました。
皆さんのアイデアに脱帽です。

最後に。
ドリンクに使う食べ物の組み合わせですが、１回につき３つまで、となっておりました。
４つ書かれていた方はミキサーに入らなかった、という判定で１つ抜かしてジュースを作っています。
ご了承ください。

それでは短いですがこの辺りで。
縁がありましたら星幽塔でお会いしましょう。

おまけ
参加した皆さんへ、リブラスさんから報酬が出ました。
また、騎士団の皆さんからも感謝されています。お礼に食堂のチケット（３枚）プレゼントです。

参加者みなさんへの称号：ドリンクは楽しく作るのが騎士団流

その他個別メッセージにてマーヤからの報酬があります。

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