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本音?嘘?風邪引いちゃいました
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小学校でのこと。
放課後、
タイラ・トラントゥール
は、廊下を行きながら眉の辺りを顰めていた。
(この間の風邪は治ったはずだが、喉に違和感があるな)
今日は寄り道などはせずに早く帰ろう、と僅かに足を速める。
5年1組の前を通りかかったのは、丁度その時だった。
――鳳城の家ってどの辺りだっけ?
耳に留まった声が、タイラに開きっ放しの廊下の窓から、教室の中を覗かせる。
(鳳城? ……翔が、どうかしたのか?)
教室から聞こえてくる話し声を繋ぎ合わせるに、どうやら
鳳城 翔
は今日、風邪で学校を休んでいるらしい。
プリントを届けるのを任されたはいいが、翔の家の正確な位置がわからない、というような話のようだった。
「――翔の家なら知っている。そのプリントはボクが届けてやる」
気付いた時には、タイラは教室の中へと踏み込んでいた。
1組の生徒が、驚いたように目を瞬かせる。
「え、でも……」
「いいから! ボクが行きたいんだ!」
結論としては、タイラの勢いの勝ちだった。
(翔の様子が心配だな……)
一刻も早く、翔の見舞いに行きたい。
逸る心を持て余しながら、彼宛てのプリントの束を抱えて、タイラは急ぎ足で翔の家を目指した。
鳳城家では、翔がひとりきり、コップに注いだ水をこくこくと喉に流していた。
(頭が痛い……それに身体もだるい。……念のため学校を休んで正解だったな)
仕事やら外出やらで、両親は朝からいない。
翔のことを、然程心配している様子もなかった。
だから翔は、午前のうちに自分の為にお粥を作りさえした。
頭痛や高熱に悩まされているとは思えない手際の良さで用意したそれは、食べる気になれないまま。
水分を補給し終えて、翔は上手く力の入らない身体を持て余しながらベッドに戻った。
机の上の『セイクビリット』を、ぼんやりと見つめる。
(ギア暴走事件の時に張りきりすぎたか……?)
チャイムが鳴ったのは、そんなことを考え始めた時だった。
家には、翔の他に誰もいない。
のろのろとベッドから這い出して玄関へと向かえば、待っていたのはタイラだった。
「タイラ? どうして……」
「お前宛てのプリントを預かってきた。それより、ちゃんと休んでいるんだろうな?」
真っ直ぐに身を案じる言葉に、知らず、安堵の色を帯びた息が細く漏れる。
けれど翔は、タイラを早く家に帰らせようと思った。
この友人に風邪をうつしたくない、と。なのに。
「礼は言わない。アンタに風邪うつして治すからゆっくりしていけば」
口からは、思いも寄らない言葉がとび出した。
――わざわざありがとう。風邪うつすといけないから、早めに帰ってくれ。
そう言おうとしたのに、形を得たのは、全く真逆の台詞だった。
思わず口を押さえているその間に、タイラが空いている方の手へと、件のプリントの束を押し付ける。
「じゃあ、少し寄っていく。中に入って構わないか?」
驚きに声を出すことができず、こく、と頷く翔。
タイラをリビングへと案内しながら、翔はぐるぐると思考した。
(何だ、今のは? とにかく、折角タイラが寄ってくれたんだ。ちゃんともてなさないと……)
何か飲み物を、と考えたところで、ぐらり、視界が揺らいだ。
急な眩暈に足元がふらつくのを、タイラが慌てて支える。
「おい、大丈夫か!?」
「……平気じゃない。すぐに飲み物を――」
「飲み物? 喉が渇いたならボクが用意するから、とにかくお前はベッドで休め!」
タイラに、ベッドの方へとぐいぐい引っ張られながら、翔は思う。
(まただ。何で……)
問題ない、と言おうとしたのだ。だからすぐに飲み物を用意すると。
タイラにベッドへと無理やり押し込まれて、翔は渋々眼鏡を外した。
瞬間、ぼやける視界を目に留めてから瞼を閉じれば、怒ったようなタイラの声が耳に響く。
「すぐに水を用意するから、大人しく寝ているんだぞ!」
ぱたぱたと足音が遠くなって、じきに、タイラが戻ってきた。
「ほら、水だ」
翔が礼を――上手く言えるかはともかく――言う暇もなしに、タイラが言葉を続ける。
「キッチンでおかゆの入った鍋を見つけたから、それも温めて持ってくる」
待っていろ、と、また身を翻すタイラ。
少しずつ水を喉に流しているうちに、タイラが椀に移したお粥を持って帰ってくる。
(さっきから、ずっと迷惑をかけてるな……)
翔が申し訳なさを覚えている間、タイラもまた別の考えに浸っていた。
(そういえば、この間ボクが風邪を引いた時にアイツが……こういう時は食べさせてやるべきか?)
一応聞いてみるか、と、タイラは翔のかんばせへと眼差しを遣る。
「翔。ボクが食べさせてやろうか?」
この言葉に、翔は心底から驚いた。そして、
「じゃあお願いしたい」
と、早口に告げる。勿論本当は、「自分で食べれるからいい」と伝えようとしたのだ。
「そ、そうか……」
応じるタイラの方も「予想外だ」という顔をしているのを見て、翔は益々慌てた。
「ああ、違わない、頼む」
――!? 違う、俺が自分で……。
言葉はやはり、喉を通り抜ける時に、翔の意思を離れたものになってしまう。
それなら、と、タイラが匙で掬ったお粥を翔の口元へと運ぶ。
それを、大人しくぱくりとして、もぐもぐと咀嚼しながら、
(やっぱり、さっきから俺の言う事がおかしい……熱の所為?)
なんて、翔はそれこそ熱のお陰で上手く働かない頭で考えた。
翔の様子がおかしいのを気にかけて、タイラが言う。
「体調は大丈夫か?」
「大丈夫じゃないが、アンタの配慮は必要ない」
――まぁ良くなってきたと思う。心配させて悪い。
今度のあべこべは、特に酷かった。
言葉の刃が容赦なくタイラの胸を刺し、その表情を、見る間に曇らせる。
タイラの露草色の瞳に、じわ、と涙が滲んだ。
「……ボクが翔を心配するのは、迷惑なのか?」
問う声が、どうしようもなく震える。
自分で尋ねておきながら、答えを聞くのが得体の知れない化け物のように恐ろしいとタイラは思った。
――違う! 迷惑なんかじゃない!
翔の心からの叫びは、それでもやはり、真逆の意味へと変換される。
「ああ、迷惑だ!」
ぽろり、と、タイラの目から涙が零れた。
続けて溢れそうになる涙を、タイラは目元を強引に拭って何とか押し留める。
「わかった……。迷惑をかけてすまなかった。ボクはもう帰る……」
奮い立たせたつもりの声は、今にも壊れそうに震えていた。
「俺は悪くないし。あぁ、もう今日は帰ってくれ」
――ごめん。待っ……! もう少し、いてほしい。
冷えた言葉を放ちながらも、翔は咄嗟に、身を翻さんとしたタイラの腕を縋るように掴んだ。
振り返ったタイラは、自身の腕を掴む翔の手を見て、自分を見つめる翔の、困惑の滲む表情を見て。
「……翔?」
相手の首がゆるゆると横に振られるのに、小さくその名前を呼んだ。
(何で、ボクの腕を掴んだんだ? それに、どうしてこんな顔……)
胸に、狼狽が差す。
翔が、迷子になったような表情のままで、タイラの目元を人差し指で拭った。
格別大切なものを扱う時にそうするであろう、繊細な手つきで。
それがわかったから、タイラは一旦、この場から逃げ出すことを止めた。
息を吐いて、プリントの裏に、手近にあったペンを走らせる翔。
間もなく掲げられたそれを目に、タイラは寸の間目を瞠り――そのまま、破顔する。
『お見舞いに来てくれてありがとう、これが本当のことだから』
走り書きのメッセージが、タイラのかんばせに、心からの笑顔の花を咲かせたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年01月29日
参加申し込みの期限
2018年02月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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